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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第1章
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第13話 第一回大アルカナ会議

今回登場する大アルカナ達は後半の最後で、どのカードに属するかやそのカードの意味を載せますので途中わからないことが有ったとしても最後まで読んでもらえれば幸いです。

では本編をどうぞ。

ここは俺が住んでいる世界とは別の世界の狭間にある異空間。

そこには俺の使い魔である大アルカナ達が住んでいた。

その場所にはローマ数字で0〜21の番号に分けられた計二十二の部屋が存在し、その部屋の前の中央には大アルカナ達が集まる広間があった。

すると突然、広間の更に中央から光が放たれその中から小人と子供が現れた。

フールとトランである。


「お、やっと帰ってきたか。フールの姐御久しぶりだな。トランのガキもフールの姐御を連れて帰ってきてくれてありがとな」


フール達が帰ってきたと同時に出迎えてくれた者がいた。

その者はボサボサした赤髪と赤い目をもち、頭からヤギのような曲がった角と背中からはコウモリのような羽そして腰の辺りからは先の尖った尻尾が生えていた上半身裸で細マッチョと言う言葉が似合いそうな十代後半の青年が立っていた。


「ただいま戻りましたサタン」


「ただいまサタン兄、フール姐を連れて帰ってこれたのはレイジ兄のお陰だよ。後『ガキ』って言うな!」


フールは軽く会釈して、トランは頰を膨らませ抗議した。


「もっと大きくなったら『ガキ』って呼ばないでやるよ」


サタンと呼ばれた青年はトランの抗議を嘲笑う。


「ブウゥゥー」


そんなサタンの態度にトランはさらに頰を膨らませ可愛らしく怒ってますアピールをする。


<パシン>


「痛え⁈」


サタンは誰かに突然頭を叩かれた。


「痛えじゃねえかテミスの姐御」


サタンは頭を抑えて振り返るとそこには、左手には天秤を持っていて腰には剣を刺しており肩まで伸びた茶髪で黒目の二十代前半の女性が立っていた。


「こら、サタン。そうやって人をからかってはいけませんよ。トランもそんな顔をしないでもう遅いので、もう寝なさい」


「へいへい、すみませんでした」


「エェ〜、ボクもフール姐からレイジ兄のこと聞きたいのに」


サタンは反省した様子も無く軽く謝り、トランはテミスにお願いをしていた。


「サタンは返事をするときは『はい』ですよ。トランも早く寝ないと明日もしレイジ様から呼ばれたとしても百パーセントの力を出せずに終わってしまいますよ」


「えー⁉︎ボクそんなの嫌だ!レイジ兄には全力でサポートしたい‼︎」


「それなら今日はもう寝なさい。明日起きたら今日聞けなかった他の者達と一緒にお話しますからね」


「約束だよテミス姐」


「はい、約束です」


トランはテミスと約束して安心したのか、大きな欠伸をして自分の部屋である『IIX』と書かれた部屋にタオルケットを引きずりながら戻っていった。

それを見送ったテミスは今度はフールの方を向いた。


「フール様一日ぶりですね。大アルカナのまとめ役である貴方がいったい何処で油を売っておられたのですか?」


テミスは笑顔でありながらも目は完全に笑っておらず、フールに質問していた。


「別にサボっていたわけではありません。私はただ礼治様のお側で魔法の使い方を教えたり、その世界での常識を教えたり、また、礼治様が倒れたときに看病していたり、後は夜の営みをさせて頂いたりと////、礼治様の為に一生懸命サポートしていました」


フールは後半顔を赤くしながらも自分がサボっていたわけじゃないことを主張した。


「まあ百歩譲って貴方がサボっていなかったとしましょう。しかし一旦此方に戻って来ることは出来たんじゃないですか?」


「ウグ」


テミスの言葉がフールの図星を貫いた。これで何も言い出せなくなったフールを見てテミスは半ば呆れてフールに別のことを尋ねた。


「ではフール様。これからレイジ様の昨日丸一日の行動を余すこと無く教えて頂けますか?」


「はいわかりました。しかし、ここに居るのは私を抜いてサタンとテミスのお二人だけですよね?」


その言葉を聞きサタンは何かを思い出したかのように右手の拳と左の掌を『ポン』と叩いた。


「そう言えば、ロマノフの旦那とフォースの姐御にフールの姐御が戻ってきたら声かけろって言われてたな、すっかり忘れてたぜ」


「では私がフォースさんを呼びに行くので、サタン貴方はロマノフさんを呼び行ってください」


「へいへい了解しましたーっと」


そんな会話をした後テミスは『Ⅷ』と書かれた部屋へ、サタンは『Ⅳ』と書かれた部屋に向かい扉を叩いた。


「おーい、ロマノフの旦那。フールの姐御が戻ってきたぞ〜、さっさと出てこーい」


「フォースさん起きられてますか?フール様が戻ってこられましたよ」


暫く二人が声をかける。


「そんなに大きな声を出さんでよか。もうすぐで出るからちと待っとかんか」


「煩いなあ、もう聞こえてるから扉をそんなに叩かないでくれ、すぐに出てくるから」


暫くしているとそんな声が聞こえしばらくしているとほぼ同時に二つの扉が開き中からある人物が出てきた。

『Ⅳ』の部屋から出てきた人物は、ゴツイ鎧を着て、赤色のマントを羽織った六十代の白髪頭で白い髭を生やした男性が出てきた。

そして、『Ⅷ』の部屋から出たきた人物は、フールより劣るが魅力的な身体を持ち、踊り子が着るような動きやすく魅せるドレスを着ているダークレッドのポニーテールで黒目をした二十代の女性が出てきた。

その二人の人物がフールに気づき声を掛けた。


「オォー、これはこれはフール殿ではないか。戻っておったか、でどうであったか儂等の主であるレイジ殿は?人徳があるお方だったか?」


「おいロマノフの旦那。俺はフールの姐御が戻って来たからあんたに声を掛けたんだぞ」


「まあまぁ、細かい事は気にせず。ささぁ、フール殿。早うレイジ殿の話を聞かせておくれ」


「はぁー…、俺はやっぱあんたの言動に着いて行けないわ」


サタンはロマノフの言動に頭を抱えていた。一方テミス側はと言うと、


「お、フールじゃないか。どうだったレイジは、骨のある奴だったか?」


「ちょっとフォースさん!大アルカナの使い魔である貴方が何故、私達の主であられるレイジ様を呼び捨てにしているのですか⁉︎それに『奴』とは何ですか『奴』とは‼︎⁉︎」


「煩いなあ、別に良いじゃねえか。テミスあんただってトランから聞いたろう?私等の主は自分の事をちゃんと名前で呼ぶ以外、人を傷つける言葉じゃ無かったら喋り方は自由だって言ってたろう?」


「それは確かにそうですが……」


「確かに『奴』って言ったのは悪かったよ。でもさ、主とはお互いが畏まらずに思った事を何でも話せるようになる為にはこうやってした方が早く打ち解けれるじゃん。だから私は主の事は『レイジ』って呼ぶからな」


「もう好きにして下さい……」


テミスはフォースの筋が通った理由に匙を投げた。

その二組の会話を聞いていたフールは二人の質問に答えた。


「ただいま戻ってきました。ロマノフ、フォース。礼治様は人徳があり、また骨のあるお方ですよ」


フールは礼治がとても素晴らしい人物だと教えた。それを聞いた二人は。


「ほぉーそれは素晴らしいのう。これは早うレイジ殿に会って儂の力で守ってやりたいのう」


「別にあんたが守る必要はないよ。敵がレイジの所に着く前に私が全部片付けてやるからよ」


「ほほほほぉー、それは無理な話じゃぞ小娘、幾ら貴様が怪力女だからと言って敵の量が多かったらカバーできんかろうに」


「怪力女は余計だよこの鉄塊爺(てっこんじじい)。あんたは鉄塊の如く立っていれば良いんだよ」


「なんじゃと怪力女?」


「やるか鉄塊爺?」


二人の間には火花が散っていた。するとほぼ同時に駆け出しお互いに相手の方に向かった。

ロマノフの両手それぞれにはいつの間にか大盾が握られており、フォースは自分の拳より一回り大きい黒鉄で創られ赤色で炎が燃えている所をイメージできる模様が描かれたガントレットを装備していた。

互いに近づき互いの武器がぶつかり合う直前、二人の身体に何かが巻き付いてきた。

それを見てみると鋼で創られたとても頑丈そうな鎖であった。

そしてその鎖の使いは誰かと言うと。


「おーい、お二人さん。ガチで喧嘩するの止めてくんねーか?あんたらを同時に止めるのガチでキツイんだけど」


サタンであった。


「おいサタンさっさとこの鎖を外しやがれ‼︎」


「そうじゃぞサタン。さっさと外せい‼︎」


抗議してくる二人だが。


「そうやっていつも喧嘩するよな?今回は反省としてフールの姐御の話が終わるまではそのままでいろ。うんじゃ、フールの姐御さっさと報告を頼む」


「それではお話ししますね」


サタンはロマノフ達の抗議を軽く躱してフールに話を聞かせて貰う為に御願いした。

フールもサタンの言葉を聞きやっと本題である報告を始めた。

フールは昨日のことを全て話した後、主である俺が前に住んでいた世界で何に苦しめられていたかを報告していた。

因みにフール以外の大アルカナ達は俺が異世界人である事は知っているがその過去までを知る者はいなかった。


「なんだよそのレイジの兄貴のクソ親父は‼︎レイジの兄貴が『道具』だと⁉︎フザケンナ‼︎俺はレイジの兄貴とまだ会ったことねえから分からねえけど、フールの姐御から聞いた話しではそんな扱いされる人間じゃねえ‼︎いや!あったらいけねえんだ‼︎‼︎」


「そんなふざけた奴らから私はレイジ様をお守りします。使い魔としてではなくレイジ様に心から忠誠を誓う者として、レイジ様にお従います‼︎」


「その時は儂も全力を使いレイジ殿の盾になろう!決してそんな輩を通さない盾としてじゃ‼︎」


「レイジが可哀想だよ!私は不器用だけど、でも!レイジの武器としてレイジの敵は一人残さず殲滅してやる‼︎何があってもレイジを私の力で守ってやる‼︎」


そう一人は怒り、もう一人は決意し、また一人は決断し、後一人は泣いていた。しかし、その四人共全員が主である俺に心から忠誠を誓うのであった。

こうして第一回大アルカナ会議は終わりを告げたのである。



________________________

サタン:大アルカナNO.15『デビル』

意味:裏切り、誘惑、欲望、不倫、悪意、束縛


テミス:大アルカナNO.11『ジャスティス』

意味:公正、均衡、正義、誠意、善意、 調和


ロマノフ:大アルカナNO.4『エンペラー』

意味:支配、安定、成就・達成、強い

責任感


フォース:大アルカナNO.8『ストロング』

意味:大きな力量、強固な意志、理性

自制、実行力、知恵、勇気、冷

静、公正

1日振りの投稿でしたが、またこれから一週間ぐらいは投稿出来ません。読者の皆様には大変申し訳有りませんが時間が出来次第すぐに投稿させていただきますのでまたその時に読んで貰えると幸いです。

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