第133話 教会
早いもので昇級試験を終えてから一ヶ月が経った。
その間俺はギルドの依頼をこなしたり、『タロット』を開いたり、昇級試験の間お利口にしていた大アルカナの子供達と約束通り一日中遊びまくったりと色々と忙しくも充実した日々を過ごしていた。
そんなある日の朝のこと、CかDランクの依頼を後二回ほど受けて無事に完遂できればCランクになれる俺たちは夕暮れの日差し亭で朝食を済ませ、大アルカナ達への近況報告を済ませたフール、その間に武器や防具の手入れをしてくれていたシルフィアと一緒に宿屋から出て、今はギルドに向かっていた。
「今日はどんな依頼を受けようかな」
「前回はDランク依頼だったコボルトの討伐でしたし、前々回は同じランクのオークの討伐と討伐依頼が続いていますね」
フールに言われて気がついたが俺たちは最近魔獣の討伐依頼しか受けていなかった。
ちなみにオークとは顔が豚で亜人型の魔獣である。一般的なオークは剣や槍、棍棒といった接近戦が主な攻撃方法であり、力強さを活かして敵を押し切る事が多い。また、オークは基本雄しかいない為に繁殖を行う際は他種族の雌を使用する。
そしてオークがよく繁殖に使うのが人間族やエルフ族の女である。
オークは基本数匹から十数匹の群れで暮らし、女を苗床として群れの数を増やしているため、この世界で最も嫌われている魔獣の一体である。
「でも、そのおかげで俺たち全員強くなっているもんな」
討伐依頼ばかりを受けていた結果、結構レベルが上がっており、次のようになった。
______________________
レイジ・ウラタ (15) ♂ 人間族
レベル:25→31
職業:タロット占い師
筋力:230→275(1025)
体力:230→275(1115)
耐性:220→255(1015)
敏捷:210→245(1075)
魔力:340→375(1375)
魔耐:290→325(1325)
運 :58→68(1668)
・称号
転生者
聖霊の加護
聖霊に愛されし者
聖霊を愛す者
獣人に愛されし者
獣人を愛す者
・スキル
○戦闘スキル
長剣術(上級)ランクup
杖術 →長杖術(下級)new
投擲術 →投擲術《硬貨》(中級)new
○強化スキル
魔力・魔耐強化:16→20
筋力・耐性強化:5→8
体力強化:7→12
敏速強化:4→6
○支援スキル
魔力消費削減(大)
魔力回復(大)
魔力操作
魔力回復速度(微弱→弱)
○その他
アイテムボックス(極)
鑑定(極)
御者術(中級)new
・特有スキル
○戦闘スキル
タロットマジック【小アルカナLVup】
空間魔法
○支援スキル
隠密
気配察知
念話(共有:フール)
威嚇(共有:シルフィア)
○その他
異世界言語(話・読・書)
ステータスチェック(自・相)
成長促進(大)
スキルレベルアップ(速)
スキル共有:1
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
________________________
フール (0) ♀ 聖霊(元神様)
レベル:36→40
職業:使い魔(魔導士)
(主:レイジ)
筋力:450→490(940)
体力:450→490(940)
耐性:450→490(940)
敏速:450→490(920)
魔力:450→490(1480)
魔耐:450→490(1480)
運 :170→178(1604)
・称号
元神
運命を司る者
使い魔
異世界人を愛す者
異世界人に愛されし者
・スキル
○戦闘スキル
風魔法LV.9→10
○強化スキル
魔力・魔耐強化:8→13+20(共有:レイジ)
筋力・耐性強化:4→6
体力強化:3→6
敏速強化:3→5
○支援スキル
魔力操作
魔力制御(中級→上級)
○その他
生活魔法(極)
家事(極)
・特有スキル
○支援スキル
念話
○その他
巨大化
完全偽造
透明化
ステータスチェック(自・相)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
______________________
シルフィア(15)♀獣人族(ベース:フェンリル)
レベル:23→28
職業:奴隷(獣戦士)
(所有者:レイジ)
筋力:180→195(1335)
体力:200→215(755)
耐性:190→205(845)
敏捷:170→185(785)
魔力:130→145(525)
魔耐:130→145(525)
運 :62→72(362)
・称号
フェンリル(未解放)
主人に心から尽くす奴隷(筋力)
異世界人を愛す者
異世界人に愛されし者
・スキル
○戦闘スキル
鉄槌術(中級→上級)
○強化スキル
俊足強化:19→23
筋力・耐性強化:22→27
体力強化:11→17
魔力・魔耐強化:4→6
○支援スキル
魔力操作
・特有スキル
○強化スキル
嗅覚強化
聴覚強化
○支援スキル
威嚇
隠密(共有:レイジ)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
魔獣討伐に加えハングやテミス、それからジャンヌの指導のもとでやっている修行のおかげでステータスがまた上がっていた。
ースキルー
礼治
長杖術(下級)
数ある杖の中でも長杖の扱いに長けた者が取得するスキル
投擲術《硬貨》(中級)
数ある投擲の中でも硬貨の投擲に長けた者が取得するスキル
御者術(中級)
馬車に繋がれた馬を操る事に長けた者が取得するスキル
フール
風魔法LV.10
新しく『風鷲』を取得した。
ー特有スキルー
礼治
タロットマジック【小アルカナLVup】
杖LV.4→6
『火弾丸』、『火斬撃』
剣LV.7→9
『風手』、『風鉄槌』
聖杯LV.5→6
『水槍』
金貨LV.5→6
『土鉄槌』
「早く私も魔法を取得したいです…」
昇級試験や討伐依頼で魔法を使っていた俺とフールは新しい魔法を取得していたものの、シルフィアに関して魔法の取得がまだできておらず、そのことで落ち込んでいた。
ジャンヌが言うにはもともと獣人族は他の種族よりも魔法の扱いが乏しい種族らしく、魔法を取得するには人一倍の努力と素質が必要らしい。
「大丈夫だよシルフィア。シルフィアが魔法を取得できるように俺たちも応援するから頑張ろう」
「は、はい‼︎ レイジ様達のために頑張ります‼︎」
俺の言葉に落ち込んでいたシルフィアが元気を取り戻した。
〜〜〜
それから暫くして中央広場に差し掛かると同時に朝の9時を報せる鐘の音が聴こえてきた。
「そう言えばこの鐘は誰が鳴らしているのですか?」
シルフィアが疑問に思っていたことを呟いた。
「俺も知らないな。フールは知ってる?」
「ここから北西に続く道の先にある教会からですよ」
それからフールは教会は神を祀る所であることを簡潔に教えてくれた。
(やっぱりこの世界にも教会とかもあるんだな……ん? 教会?)
『教会』と言う言葉に俺は何か重要なことを忘れている様な気がした。
「…………‼︎ あーーーーーーーーー‼︎」
俺は暫く考え込み、そしてあることを思い出した瞬間、大声を出してしまった。
<<ビクッ>>
その声に側にいた二人は驚き固まってしまった。
「二人とも!今すぐ教会に向かうぞ‼︎」
そんな二人に俺は慌てて伝えるや否や教会へと続く北西の道に向かって走り出した。
「⁉︎ 礼治様‼︎」
「ま、待ってください!」
そして驚いて固まってしまっていた二人も俺の後を追う様にして慌てて走り出したのであった。