第117話 パーティー名
忙しさやアイディアがなかなか思い浮かばないことが重なって投稿が遅れてしまいました申し訳御座いません。
今回は短めですが次回は出来るだけ早めに投稿できると思うのでこれからもよろしくお願い致します。
「なぁレイジ。お前等のパーティー名ってまだ決まってないのか?」
闇夜が包み込む暗い森の中、パチッ、パチッ、と炎を弾けさせながら燃えている焚き火を囲むようにして座っている俺にリュンクさんが尋ねてきた。
最初に見張りをしていたシルフィア達と交代してから数分が経っており、リュンクさんは眠気を紛らわす為に自分にそう質問してきたのであって、深い意味はあまりないのだろう。
「はい。まだ決まってませんね」
俺は端的に答える。
「それなら早めに決めてたほうがいいぞ」
「どうしてですか?」
「パーティーが有名になった時にあると便利だからだよ」
リュンクさんに対してした質問を途中から会話に入ってきたジャンさんが代わりに答えてくれる。
「パーティーメンバーの中の一人が有名になれば自ずとパーティーも有名になる」
「そんな時にパーティー名があれば知名度を稼ぐための看板になるんだよ。だからパーティー名は出来る限り早めに決めていたほうがいいんだよ」
確かにパーティー名があればいい宣伝になるし、俺が開いている『タロット』の宣伝にもなりそうな気がした。
「確かにパーティー名は早めに決めておいたほうがいいですね」
「レイジ達の中ではまだ話してないのか?」
パーティー名を早めに決めることの重要性を理解し、頷いている俺にリュンクさんが別の質問をしてきた。
「それなら前に一度、フール達と話してたんですけど、なかなか良い名前が出てこなくて一旦保留にしてたんです」
前に一度、パーティー名を決めるためにお互いに案をだしあったのだが、フールは『レイジ様ファミリー』と提案し、一方でシルフィアは『レイジ様と頼れる家族達』と提案してきた。
二人ともパーティー名に俺の名前を入れており、俺が恥ずかしいのとパーティー名らしくないのでボツにした。しかし、ボツにした俺も良い案が思い浮かばず、結局パーティー名は保留になっていたのだ。
「そう言えばジャンさん達はどうして今のパーティー名にされたんですか?」
俺はふと思ったことを今度はジャンさん達に質問してみた。
「それは僕が考えた名前なんだよ」
ジャンさん達のパーティー名である『翡翠の輝き』はパーティーリーダーのジャンさん本人が考えたものらしい。
「翡翠と言う石には昔から己の成功と安定、それから繁栄を促進する力があると言い伝えられていて。そこからパーティーメンバー全員が誰も欠けることなくいずれ立派な冒険者になれるようにと願いを込めて『翡翠の輝き』って言うパーティー名が決まったんだ」
「俺も姉ちゃんもジャン兄さんからその名前と由来を聞いてすごく気に入ったから即決したんだったよな」
「へ〜。そんな意味が込められていたんですか〜」
ジャンさん達のパーティー名の由来を聞いて格好良いと思った俺である。
「そう言えばレイジ達って全員が銀でできたアクセサリーをつけてたよね?だったらパーティー名はそれを踏まえて考えてみたら如何かな?」
「銀…シルバー…。確かにパーティーメンバー全員に共通しているし、良いかもしれませんね」
俺はジャンさんからのアドバイスを受け、どんな名前が良いかを考えた。
「『銀の絆』…俺達、仲間や家族達を繋ぎ、何が起ころうとも決して切り離されずに力を合わせて協力し合い、運命を乗り越えていくパーティー。『銀の絆』」
「良いじゃんそれ」
「僕も君達にはぴったりのパーティー名だと思う」
(二人からの評価も良いし、明日の朝にでもフールとシルフィアに確認してから決めよう)
仮のパーティー名が決まった後、交代の時間になるまでは三人で会話しながら、途中で襲ってくる魔獣を対処しながら時間を過ごしたのだった。