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異世界でリハビリ?  作者: こーんぽたーじゅ
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見知らぬ天井

いきなり横道にそれていきます…

 ゆっくりと意識が戻ってくる。柔らかな日射しと心地よい風が頬を撫でていく。心地よいまどろみの中、シーツの肌触りを全身で感じる…もう少し寝たい…


「ん…朝日?」


 寝ぼけながら目を覚ましたあたしは、首を動かして自分の現状を確認する。


 自分は今、お日様の匂いのするシーツにくるまり、ベッドに横たわっているようだ…服は着ていないが下着は着けている。


 この部屋は…見回したところで、見知らぬ天井と壁と窓とベッド。ここは宿屋ではない…とすると、要は見知らぬ部屋で目が覚めたという事だ。


 夢オチなのか?などと思いながら、身体を起こそうとして、身体を激痛が走った。見ると包帯が巻いてあって、手当てを誰かがしてくれたようだ。


「なんで、こんな事に…」


 あたしは順繰りに記憶を辿り、おそらく原因だろうことに行き着いた。


 あれは初心者訓練施設での鍛練を済ませた翌日のことだっただろうか…。


 宿をチェックアウトした後、とりあえずフィールドに行く前に、装備をチェックすることにした。こういうのは基本を疎かにすると、大抵悪いことが起きるからだ。


【初心者の弓】

 初心者冒険者にお似合いの弓。すごく弱いので、早速と買い換えましょう。

 攻撃力(ATK)+2 耐久力無制限


【冒険者の服(上下)】

 初心者冒険者の初期装備。防御的にはほとんど無いので、とっとと買い換えましょう。

 防御力(DEF)+2 耐久力無制限


 うわぁ、めちゃくちゃ弱いじゃん。これでちゃんと戦えるのかなぁ~めちゃくちゃ心配なんですけど。(/´△`\)


 まあでも、さすがに街を出たばかりのフィールドで、即死させる強さの敵はうろうろしてはいないはず…だよね?


 なんとなくあたしって後先考えずに行動しちゃうタイプだから、勝てもしない相手と戦う可能性あるけど、さすがに大丈夫だよね~。


 とりあえず装備も確認したんで、初者向けの低レベルモンスターが出るという、南の草原に向かうことにした く。


 東西南北どこでも、街の周囲なら比較的低レベルモンスターしか現れないらしいけど、南の草原のモンスターはどの武器でも倒せるらしいという、街の人から得た情報から決めたんだよね。


 やっぱり弓でも倒せそうなのにするべきでしょう、初戦くらいはね♪



 まだ朝早いためか人はまばらで、数えられるくらいしかいない。これなら万が一的が外れても、怪我する心配もないね。


 早速、近場に最弱モンスター『毛玉』がいたので戦ってみることにする。正式名は毛玉ウサギと言って、大きさは両手で何とか抱えられる程度。しかし、その姿はまさに毛玉そのものだ。


 普通のウサギはいくら毛皮があったとしても体型が見えるのに対し、このウサギはまさにまん丸なのである。


 手足や顔、尻尾などの突起物くらいは確認出来るのだが、障害物に当たると転がり、亀のようにバタバタと手足をばたつかせる始末だ。初心者のLv上げには、もってこいの魔物(モンスター)と言って過言ではないだろう。


 まだ気がついていない毛玉に向かって弓を構え、しっかり狙って矢を放つ。


「はっ!!」


 ヒューン!!と風切り音を残しながら、毛玉に向かって一直線に矢が飛んでいく。


「ビギュ!?」


 何が起こったのかわからないという声を出すと、反動で少しばかり後方に弾き飛ばされる。


 日本語に訳せば「な、なんなの?」と言ってる感じかな。


 弾き飛ばされた毛玉はまだHPが少し残っているみたいなんで、反撃される前に素早く2撃目を放つ。


 じっくり狙って打ったので、弱っていた毛玉のど真ん中に当たる。どうやらクリティカルヒットを引き当てたらしく、毛玉のHPは完全に尽きたようだ。最後の一声を残しながら消滅した。


「ビギュ、ビュギィー」


 日本語に訳せば「ひどい、なにもしてないのに~」みたいな声が脳内変換で聞こえた気がする。


 毛玉ウサギがいた場所には、ドロップアイテムが落ちていたが、どうやら自分で範囲内似近づくことで取得出来るらしい。


 ドロップアイテムの毛玉ウサギの肉と、毛玉ウサギの皮をそれぞれ1つ、あと魔石を手に入れた。この世界に来て最初の戦いで得た初アイテムなので、なんか感慨深い。


 それからも、毛玉を何とか倒しながらしばらく経過、《弓》スキルも順調に上がり、ドロップアイテムも適度に入手したので、今度は《薬剤》スキルを鍛えるべく、モンスターがいない場所に移動する。


 《薬剤》《探知》《遠視》を常時発動させると、周りに生えている雑草を凝視する。【薬草?】と表示された草をかき集める。なんで?なのかと言うと、鑑定していないからという理由らしい。後で鑑定しないと何か分からないって…なんかドキドキワクワクする。


 探知に感応したのか、【食材?】【石?】【???】などもあったので、一緒にかき集めていく内に、あっという間にお昼過ぎになっていた。ひとまず休憩し、途中で購入しておいたパンを食べる事にする。


「しかし、なんか硬いし、あんまり美味しくないなぁ…」


 確かにゲーム世界なんだから、ログインした時に空腹でない限り、キャラクターの満腹度を回復させるのに味とかは必要ないかも知れないけどさ…あたしはここで生活しなくちゃいけないんだよね…ぼやきたくもなるよ。硬いパンを我慢しながら食べ終わると、収集を再開させた。


 それぞれをある程度集め終わったので、街の片隅の人気がない場所に移動する。こんな場所で何をするのかって?それは集めたアイテムの鑑定タイムなのですよ♪


 自分で集めたようなアイテムは、最初は何なのかは分からない事になっている。例外として、モンスターを倒した場合のドロップアイテムは誰でも分かるようになっているんだけど、自分で集めたり、偶然手に入れたようなアイテムの場合は勝手が違う仕様みたい。


 じっくりと手に取った草を眺めると、【鑑定失敗ロスト】という文字が表示され、手の中の【草?】が砂のような粒子になって消えていく。特に《鑑定》スキルがある訳じゃないけど、鑑定出来るのはおそらく《薬剤》を持っている関係だろうことは推測できるが、ここで深く追及するのも野暮なので気にしないことにしている。


 しかし、最初から上手くいくとは思ってなかったけど、でもねぇ…必死になって集めた物が、あっさり消滅するのは結構凹むなぁ…


 とりあえず、頭を切り替えてひたすら鑑定していくと…途中から何とか判別出来るようになってきた。それはおそらく《薬剤》がLv3を越えたためだろう。ただアイテムを制作するだけでなく、熟練度合いにより見極めも成長していくとは、なんと出来るスキルなのだろう。これだけ使い勝手が良いのだから、大事に育てなくちゃね♪


 《薬剤》のLvが1から2になった頃から、薬草が判別出来るようになり、Lv2から3になると毒消し草やハーブなどが判別出来るようになったのだが…おかしなのも2つばかし混じっていた。


【破裂石】

 衝撃を与えると破裂する石。まだ加工するには技量が足りない。


【妖精の欠片】

 ある条件を満たす事で、奇跡を手に入れる事が出来る。まだ資格を有していない。


 なんかレアっぽいのがあるんですけどぉ~。こんな初歩的な場所でチート的な物を無造作に置いておくなんて、運営はあたしを試しているのだろうか?


 まあ、試されているのかは置いといて、せっかく素材が集まったんだから、次は制作する段階かな♪


 道具屋さんに向かい、携帯式の初心者薬剤制作セットと、初心者調理セット、少しばかりの調味料を購入する。これで所持金の半分がなくなってしまったけど、何とかなるだろう…。


 ゆっくり作業したいので、街から少し出た東の小高い丘にある大木の元に腰掛ける。まずは、ありきたりのポーションを作ってみる事にした。やっぱり冒険物の代名詞は外せないでしょ♪


 ポーションの作り方は予想した通りだった。薬草をすりつぶして、薬水とよく混ぜ合わせながら、熱を加えていくと完成するらしい。これは初心者薬剤セットに付録で付いていた調剤表に書いてある事で、最も簡単な方法で、他にもやり方があるらしいけど、知らないから今はいいか。


 さて、作業を始めようと思った矢先、何処からか悲鳴のような声?らしいものが聞こえてきた。そのままスルーしても良かったけど、やはり気になったので、声のした方に向かう。


 少女が1人、猪みたいな魔物と対峙し戦っていた。形勢はあまり芳しくなさそうに見える。


「大丈夫?加勢するわ!!」


「ありがと~助かるわ~」


 少女は魔法使いなのか、杖とローブという出で立ちだった。


 弓を構えながら、速射するが…さすがに付け焼き刃だったようで、上手く命中しない。けれども、魔法使いの彼女の詠唱の時間稼ぎにはなったらしい。彼女の元から氷の塊が魔物に突き刺さり、致命傷を与える事に成功した。


 猪の魔物は最後の力を振り絞り、あたし目掛けて突進してくるが、あたしはそれを最小限の行動で回避する。目標を失った魔物はそのまま崖から川に落下していった。


【パッシブスキル《救援》を獲得しました。特有能力(ユニークスキル)武技特技(スキル)系統樹(ツリー)》の効果で吸収されました】


 新しいスキルを手に入れたようだが、吸収されたとは何故ですか?そう問いたいが、それは後にしよう。



「何とかなったね」


「ええ、助かりましたわ~」


 なんか拍子抜けしそうな感じの人だな…


「魔法使いなの?」


「そう言われる事もありますね~わたしはアリスターヤともうします、あなたのお名前お聞きしてよろしいかしら」


 なんか調子狂っちゃうなぁ


「あたしはアケミよ」


 当たり障りのない答えを返した時だった。


 アリスターヤの背後から、突然男が割って入るようにして、あたしに向かって突進してきたんだ…


「お嬢様、お下がりを!!」


「フレッド!?」


 アリスターヤがその男の名前を呼んだが、その声に応えず、あたしに向かって手にした槍を突きだしてきたの。


 あまり突然の事だった為、反応出来なかったあたしは、鋭く突きだされた槍に肩を突き刺され、その身体を弾き飛ばされていた。


「なんでぇ~?」


 あたしは崖から川の中に落下すると、あっという間に激流に巻き込まれていった…。

果たしてアケミの今後は…次回は「ポーション作成」掲載は23日の土曜日を予定。


【パーソナルデータ】

名前:アケミ

種族:人族(未知の大陸出身)

職業:冒険者(ランクG)

同調率:2%

満腹度:50%

口渇度:50%


特有能力(ユニークスキル)

武技特技(スキル)系統樹(ツリー)


【スキル一覧】

《弓》Lv7 2up

《歌》Lv6 1up

《料理》Lv1

《薬剤》Lv6 5up

《木工》Lv1

《遠視》Lv7 2up

《探知》Lv5 3up

《小手先の技量》Lv5 4up

《無属性魔術》Lv5

《身体能力向上》Lv7 2up   

スキルExp8


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