表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

Story=0 : Include;

挿絵(By みてみん)



立ったまま寝ている奇異な青年が一人。

彼が目覚めた時、そこには知らない光景があった。

曖昧に覚えている自分の世界の常識とはまた異なる風景の集合体であった。

一言で表すならば、未来の世界、と言うべき物だろうか。

彼が知っている限り人々が目指していたユビキタス社会とは真逆にそこに乱立している建造物等々は明らかに21世紀の世界と称した子供の絵を現実に移し変えたような、いや。

「これが現実、なのか?」

そして、そのまま街の中を歩く人々に焦点を向けると、それは自分となんら変わりない人間達が歩いている。

 それが普通であるのだが、もしもそれすら彼自身が持つ情報と相違があれば、それこそ宇宙人にさらわれたか、明晰夢を見ているか、どちらかになる。

 後者であれば嬉しいとも思えるのだが、そもそもとしてこの青年。

「帰らないと……、家は……、家は……?」

 重大なことに気付いた青年は無差別にポケットを探る。

 羽織っていたトレンチコートのポケットから唯一出てきたものは財布だった。

 すぐさま中身を開けて身分証を確認すると、当麻 和樹という名前だけ確認して一息つく。

「参ったな……、ここが常識と思えないどころか。 こんなことってアリかよ」

 続けて生年月日を見ると自分の歳を確認する。

「自分の歳もわからないとはな……参ったね」

 ここで一つ疑問が浮かぶ、今西暦何年か。

 青年、和樹の記憶の通り2013年であれば、恐らく24歳ということになるのだが。

 思い立った和樹は通りかかったよれよれのスーツをまとったサラリーマン風の男の肩を叩くとたずねた。

「今西暦何年ですかね?」

 振り返った男は首を傾げると答える。

「……狂ったならNTPサーバーと同期すればいいと思いますが?」

 思わず和樹も首を傾げた。

「それは、つまり?」

 男は怪訝な顔つきを見せた後、気付いたように和樹の首の横付近に目をとめた。

 視線に気付いた和樹も何かあるのかと、左手で首をなでると男は丸くした目を和樹の顔に戻して。

「君、インターフェースは無いのか?」

「インターフェースって……」

 答えるまもなく男は左肩を和樹に見せると、和樹はその違和感に気付いた。

 何かのプラグを挿すような不自然な穴があるのだ。

 そしてそのまま続ける。

「もしかして君はブラッドってやつか。 存在はする、とは聞いたことがあるが、はじめてみたよ」

 男は和樹に握手を求めると、握り返す。

 そのまま背を向けると。

「今は2013年さ」

 と一言放って上機嫌で街の奥へ消えていった。

「何なんだ一体……」

 ブラッド、ブラッドといえば直訳で血液。

 そう考えると、和樹は簡単な結論を導き出す。

「もしかしてここの人達は全員ロボットって事か?」

 試行錯誤している和樹だが、ふいに背後から悲鳴らしき声が聞こえる。

 深い思考に陥っていたためふいを突かれて驚きながら振り向くと、子を抱えた女性が怯える様に座り込み、その前に立つ  男が右手には銃のようなものが握られている。

 男がゆっくりとそれを女に向けると、女性は更に強く子を抱きしめ、覚悟したかのように震えながらも目をつむった。

 近くにいた幾人かの歩行者もそれを確認すると、恐ろしい形相で散っていくのが見える。

 和樹は非現実的な場面に何も出来ずに立ち尽くしていると、脇から一人の少女が飛び出してきた。

 男のほうに向かう少女だが、時は遅く、男の右手が引き金を引くと、一切の音を立てずに子、諸共女性は崩れ去った。

「何が起こってるんだ……?」

 目の前で人が死んだ、子は頭に穴を開けている為、弾丸の様なものが貫通して女性の胴体も同様に風穴を開けているのだろう。

 一つ妙なことは。

「血が出ていない、か」

 改めて先ほどのブラッドという言葉が浮かんだ。

 やはりここにいる人々は人間ではないらしい。

 銃を握る男の首筋に着目すれば、手に持つ銃から伸びる配線の様なものと連結しているのが見える。

 目の前のアンリアルは和樹を冷静に分析させていたが、立ち尽くしていた少女にようやくのアクションが見れた。

 和樹から見る後ろ姿からでは良く見えないが、少女は男を強く睨んでいた。

 男がようやく少女に気付くと、顔色を大きく変える。

「まさか、ノエル……か?」

 投げかけられる質問を無視して少女はゆっくりと男に歩み寄ると、微かな声で呟いた。

「target(A2:5B:33:FE)...if, escape...life-life」

 その言葉を聞いた男は蒼白になった顔を更に歪ませ、たずねる。

「おい、何を吹き込んだ……?」

「逃げたら死ぬから」

「逃げない、逃げないから今すぐ解いてくれ!」

 男の懇願に対し、少女は卑屈な笑みを浮かべて再び。

「#include. destruct.xil...hell : while(1) thinking loop...」

「お、おい!!」

 少女はくるっと背を向けると、可愛らしくも悪戯な笑みを和樹に見せる。

 そして、一息ついてから。

 わかりやすい一言を叫んだ。

「Goto hell!」

 特に何もないように見えた。

 ただ和樹は目の前に立ち尽くす少女に目を奪われていた。

 なびく程度の長さを持つ白銀の髪と季節感を感じさせない白いワンピースを一枚をかすかに吹く風に揺らせて、悪戯に手を後ろに回す姿、普段なら可愛らしく見えるその姿は今はただただ異質に見える。

 ゆっくりと和樹に歩み寄ると。

「お兄さん、ブラッドなんだ」

「えっと、ブラッドってのは……」

 瞬間少女の後ろで未だ怯えていた男が急に膝を付いた。

 とっさに和樹が目を奪われると、少女は和樹の手を握ると、首を横に振る。

「デバッガ。 あれは……、もう壊れてるから。 ほっといて大丈夫」

 少女の言葉に困惑していると、男は奇声を呟き始める。

「ににににににににににんいんいいにに、げっげげ、にににににに!」

 再び和樹は男を凝視し、ゆっくりと少女に視線を戻すと、新しい恐怖が芽生える。

「君がやったの……か?」

 少女は答えない。

「なあ……」

「ねえ」

 遮る様な少女の言葉。

「ちょっと一緒にあるこっか?」

 返答に困った和樹は男に視線を向けると、断れない状況ということに気付く。

「え、えと……、何もしない、なら」

 身体の震えを隠すように和樹は髪の毛を掻く。

 目の前の少女は得体も知れない力を持っている。

 下手すれば自身も殺されかねないのだ。

 そんな和樹の思考と裏腹に、少女は珍しいものを見る目つきでゆっくりと和樹の身体を見回す。

 小さく笑むと少女はたずねた。

「私はノエル、お兄さんは?」


Story=++

Goto NextLabel

~なぜなにエイリアス~


Qインターフェースって?


A入出力機構等をよくさしますね

わかりやすい例だとUSBとか


QNTPサーバーって?


Aネットワークタイムプロトコルの事

電話の117みたいに考えてくれればいい

NTPと同期することでPCの時刻等が世界基準に誤差を修正する


Qデバッガーって?


Aデバッグというのが、所謂バグやスペルミスを発見するソフトなのですが、デバッガというのはまあデバッグと同じ意味でも使われますが、主にバグやスペルミスを発見、修正する技術者や行動を示します



Q少女は何の為にdestruct.xilをインクルードしたの?


A特に詳しい背景は考えてません、気にしないでください



QGoto hellって……あんた


Agoto文使う言語打ってる奴は一回はこの文字遊びやってると思うんですよね




※名前変えました

知人から某スケベ漫画のデビュー作の幼女の名前思い出すって言われたので

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ