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冒険者登録

『冠の門』と呼ばれる城門を潜ると、その前から聞こえていた騒がしい音が、防音材の役割をしていた城壁という壁が無くなったことにより、もっと僕の耳に(つんざ)いた。


「すごい……」

ここにたどり着くまでに通ってきたいくつもの街よりももっと活気ある様子に、僕の口は自然と開く。


百塔の都、ヴァルクロンヌ。尖塔の多い景観が特徴的な、ここ、ヴァルディア王国の王都だ。初めて踏み入れたけれど、やっぱり僕は田舎者なんだなと痛感させられる。生まれ育った街よりも大きな建物の数々に、僕の視線は忙しない。

〝タケシ〟も大都会に行くことは無かったから、〝どちらの〟記憶にも無い、初めての光景だ。


ふわぁ……と口を開けながら、『冠の門』から続く『月影通り』を少し歩くと、一際大きな建物に着く。人の出入りが激しく、そこがとても賑わっているのが分かる。

そして、この建物こそ、僕の目指していたものだ。


僕はドキドキする心臓を押さえ、その建物……『冒険者協会』の中へ入った。



………



「はい、これで登録は完了しました。我が冒険者協会は、貴方を冒険者の一員と認めます」

「ありがとうございます!」

愛想の良い笑みをこちらへ向ける受付嬢に礼を言い、早速僕は様々な依頼が書かれた紙が貼ってある依頼板へ駆け寄った。周りから「何故幼い子供がここにいるんだ」といった好奇の視線を感じるが、敢えて振り返らない。


つい先程、僕は晴れて『冒険者』となった。冒険者というのは、依頼をこなし、魔物を倒して人々を助ける者達のことだ。主に『勇者』を目指している人がなる職業で、例に漏れず僕も『勇者』に憧れている。


「……これにしようかな」

僕は依頼板に貼られているある紙を手に取る。

僕は冒険者になりたてだから、まだ『初級冒険者』だ。比較的簡単な依頼をこなし、経験を積んだら『中級冒険者』に昇格する。その上には『上級冒険者』、さらには『最上級冒険者』といった階級があるけれど、今の僕が考えるべきなのはやはり中級冒険者。夢へ近付く為に、早く一人前になりたい。


「よぉ、新人」

ポンッと、肩を叩かれる。少し驚いて振り返ると、黒髪の青年がいた。長い髪を後ろで一つ結びに垂らしている。


「はい、僕に何か用ですか?」

「いやいや、そんな用ってもんでもねぇよ」

弾けるような笑顔を見せながら、青年は僕達よりももっと後ろの方を指す。

「今後世話になる可能性が大いにあるから、ここにいる奴らには自己紹介しておけよ」

先輩冒険者からの忠告だ、と言ってくれた青年に、僕は礼をする。わざわざ声をかけてくれるなんて、この人は優しいな。


僕はその忠告通り、ロビー内にいる全ての方々へ視線を向け、口を開く。


「僕はテオドール・オルティスと申します。『勇者』に憧れて、冒険者になりました。これからよろしくお願いします」

ニコッと、僕は口角を上げた。

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