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転生貴族の機械工房  作者: ギムテンリュウ
異形体と復活
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異形体と復活9話

今日も無理せず、無事に一日を終えられたらいいですね。

無事に一日を終えられたら、悩みや心配を忘れてゆっくりお休みください。

お休みの時間なら、私の作品とともに明日への準備ができることを願っています。

読者の皆様の人生に、私の作品が大きな助けになることはできないかもしれませんが、

少しでも活力の源になれたら嬉しいです。

いつも作品を読んでくださって本当にありがとうございます。

大好きです、読者の皆様。


『ブゥン』


『ちくしょう!』


直撃を受けたはずなのに、意にも介さず襲いかかってくる異形体の攻撃。


ガレックは、少しでも油断すれば無事では済まないその猛攻を、必死にかわし続けていた。


再生を繰り返す異形体とは違い、自分たちは一度でも攻撃を許せば致命傷だ。


「はぁっ……はぁっ……くっ!」


荒い呼吸が喉を焼く。


全身が、水を吸い切った綿のように重い。

口の中はとうに乾き切り、甘ったるい血の味さえ消え失せ、砂漠のようにひび割れていた。


従士として修行していた頃以来、これほど過酷な戦いは経験がない。


『まだか……!』


たった一分。

普段ならば容易く稼げると豪語できただろう。


だが格の違う敵の無差別攻撃に、歴戦の騎士ガレットのもとで鍛えられた三人ですら、限界寸前だった。


『ブゥゥン』


『シュアアアアッ』


「ぐぅっ!」


ほんの数秒でいい、息を整える時間が欲しい。


だが彼らに向けて、錐のように鋭く変形した触手、

そしてメイスのように鈍重に肥大化した触手が、休むことなく襲いかかる。


「うぅっ!」


『これは……避けきれない!』


回避が最善。

だが今迫る一撃は、どう足掻いてもかわしきれない必殺だった。


「ふふ……これも避けてみろ、下等な虫ケラ。」


『ガンッ!』


盾で触手を弾く。


即座に回避へ移ろうとするが――


「くっ!」


『しまった……罠か!』


疲労で鈍った身体は、反応がわずかに遅れた。


その刹那を狙い、別の触手が襲いかかる。


盾では防げない、露わになった胸部へ。


さらに今まで見せなかった楔状の触手までもが加わり、一直線に突き込まれた。


『こんな形で……』


生への執着を手放しかける。


『あの技……習得しておけばよかった……』


せめて苦しまず、一撃で終わってくれ。


そう願い、ガレックは目を固く閉じた。



『……何だ?』


すぐに目を開ける。


目の前で、触手が空中に止まっている。


『時間が……止まったのか?』


理解は追いつかない。

だがやるべきことは決まっている。


『今だ!』


これまでの攻撃はほとんど通じなかった。

圧倒的な反応速度に翻弄され、防戦一方だった。


だが今回は違う。


「おい――!」


仲間を呼ぼうと振り向く。


三人で磨き続けた連携なら、必ず通じると信じて。


その瞬間。


アルドリックの身体から、透明な陽炎のように立ち上る純粋なマナが見えた。


『もう一分経ったのか……?』


わずかな余裕が生まれ、呟く。


「……マナじゃない。エーテル……か?」


純粋なエーテルが集まる場所を訪れた経験もある。

資料を通して至近距離で観察したこともあった。


それでも錯覚せざるを得ないほど、アルドリックのマナは極限まで精製されていた。


「予定変更だ、虫ケラども!」


『ダダダッ』


異形体は三人を無視し、アルドリックへ一直線に突進する。


『一人では無理だ!』


どれほど膨大で純粋なマナでも、単独でこの怪物に挑むのは――

グランドソードマスターでもなければ自殺行為だ。


ガレックが駆け出すと、仲間たちも続いた。


「下等な個体が大きな力を得たところで、この我を倒せると思うか!」


『ブワァッ』


これまで三人を相手にしていたのは遊びだったかのように、

異形体はすべての触手を一斉に展開する。


『シュアアアアアアアッ』


無数の触手が無慈悲な勢いでアルドリックへ殺到した。


「アルドリック卿!」


当人は微動だにせず立っている。


呼びかけにも応じない。


ガレックはさらに速度を上げた。


「くそ、間に合え!」


背後でバンスが歯噛みする。


不安はあったが、うまくいくと楽観していた。

その結果がこれだ。


『今使わずに、いつ使う!』


隠し持っていた切り札に手を伸ばす。


ロデリックもまた走りながら思う。


『アルドリック卿……何を考えている?』


理解は及ばない。


だが今は補佐が最優先。


脚にさらに力を込める。


「うははははははっ! 挽き肉になれ!」


『ギラッ』


『ビキィィィッ』


触手を振り下ろすために跳躍した異形体。


だがその動きが、突如として失速する。


何も成さぬまま、勢いを失い――


異形体は地面へと落下した。


次回の話は2026年3月20日(金)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!


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