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外伝2話

私の作品に貴重なお時間を割いて読んでくださる読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

また、皆様のご家庭と、貴方が取り組まれているすべてのことや計画が順調に進み、

さらには幸福と健康に満ちあふれた日々となりますよう、心からお祈り申し上げます。

波状攻撃を防ぎきれず疲弊した遠征隊に向かって、邪教徒たちが次々と投入されてくる。

デミアンに異変が起きた時と同じくらいの衝撃を受けたエヴァンは、なんとか気を取り直して状況を判断した。

「…オレの読み、完全に外れとったばい。こりゃソードマスターの爺さんが何人来ても無理たい」

『また当たったん?』

戦場で長年過ごしたせいで、無意識に微細な流れを読んでしまう自分の能力に毒づきながら、エヴァンは兵士たちに向かって叫んだ。

「気合い入れんしゃい! 最後まで耐えんしゃい、勝ちたいばい!」

乱雑に突っ込んでくるだけで得をする邪教徒たち。

だが遠征隊側はまともな城壁すらなく、急ごしらえの障害物だけが唯一の頼り。

極めて不利な状況だった。

それでもエヴァンにとっては、いつもの馴染みの状況に過ぎなかった。

『もうウンザリばい!』

やり遂げなければ死ぬしかない状況を強いられながらも、エヴァンは自分の役目を果たしていた。

兵士たちが余計な考えに囚われて士気が落ちないよう、わざと忙しく動かしていた。

「あれは何やと? 初めて見るっちゃけど……?」

隊列を保たず勝手に、気分次第で突っ込んでくる邪教徒たちの間に見える異形。

遠目には人間というより、デミアンが操る機体のように無機質に見えた。

ただ事じゃないと直感したエヴァンが、状況を把握しようとする騎士たちに顔を向けた瞬間だった。

『ヒュゴオオオオ!』

『バキィィィン!』

『もくもく』

突然の轟音とともに、補給品を抜いて障害物代わりに積んでおいた木箱が崩れ落ちた。

『……マジばい?』

土煙の中、顔を歪めてやっと体を起こすアルドリックの姿を認識したエヴァンは驚愕した。

『ソードマスターがこんな簡単にやられるなんて、信じられんばい……』

ソードマスターを玩具のように扱う存在なんて聞いたことも見たこともなかったエヴァンは、どうしても事態が飲み込めなかった。

「騎士殿!」

「任せとけ!」

「安心してください、少領!」

ガレットが選りすぐった三人の騎士たちは、それぞれの部隊長に指揮を任せ、異形に向かって飛び出した。

『今回の遠征が終わったら、神殿寄って祝福もらわんといかんばい……』

そう思いながら、エヴァンはまだ意識がはっきりしないアルドリックに向かって叫んだ。

「アルドリック卿! 生きとるか!?」


────────────

以下からは、エヴァン少領ではなくアルドリックの視点で語られます。

『ドクンドクン……』

『あいつは間違いなく……』

デミアンが命を削るように改造した機体。

鋼鉄でできた巨体は、成人男性二人の体重を軽く超えるほど重かった。

なのにその異形は、そんな重い機体を玩具のように軽々と吹き飛ばした。

信じがたい光景に、アルドリックは時間が止まったような錯覚に陥っていた。

『間違いない! あの時のあいつだ!』

10年以上前のことだったが、アルドリックは今でも鮮明にその時のことを覚えていた。

努力の末にソードマスターに限りなく近い境地に辿り着いたはずなのに、その瞬間だけは再び少年の頃の廃墟の中に放り込まれたような感覚だった。

『忘れられるかよ……!』

少し違うとはいえ、ほぼ変わらない姿に、アルドリックは息をすることさえ忘れていた。

心臓の音だけが響く中、再び時間が流れていることを実感させたのは、虚空を切り裂いて飛んでいった機体が地面に激突する巨大な音だった。

『ドォォォン——』

土煙が舞い上がり、アルドリックの意識は再び過去へと向かおうとした。

『デミアン……』

ここ数年の出来事の中で、最も信じがたく、強烈だった出来事が走馬灯のように鮮やかに蘇った。

『俺じゃない!』

自分の潔白を主張するため、騎士としての名誉を賭けて主神の名にかけて誓いまで立てた。

偵察任務に出かけたあの日。

襲撃によって自分だけがかろうじて生き延びて帰還したこと。

騎士団はアルドリックが不穏勢力と内通したと断定した。

だが彼の主張は受け入れられなかった。

『どこから出たのか知らんけど、俺のものだと言い張って持ってきたんだ……』

自分の部屋から出たと言い張って突きつけてきた手紙。

非常に巧妙に自分の筆跡を真似て、一度も会ったことのない不穏勢力とやり取りをし、仲間を売り渡したという濡れ衣を着せられた。

こうして彼は仲間を死地に追いやり、金銭的利益を得た罪人として、騎士団地下の牢獄に閉じ込められてしまった。

『俺じゃない! 俺がやったことじゃないんだ!』

『うるせぇ! 汚ねぇ内通者風情が、よくもまあ口をきくじゃねぇか!』

『バキッ——』

冷たい床がアルドリックの体を苛んだ。

だが幼少期の貧しさを思い返せば、この程度は十分耐えられるレベルだった。

それ以上に耐えがたかったのは、自分が裏切り者扱いされることだった。

『子供の頃もそうだったけど……また助けてくれたんだな』

天涯孤独となってしまった自分を引き取ってくれただけでなく、騎士になれるよう物心両面で支えてくれた、ニルヴァーナの道という変わった宗団に属する僧侶。

約束のない刑執行を待ちながら日々衰弱していくアルドリックの前に、

その僧侶は出会った頃とほとんど変わらない姿で、ふっと現れた。

幽霊のように気配もなく現れたので、アルドリックはまた夢か幻覚だと判断した。

「騎士テオールは今この瞬間をもって、アルカンテラ、娑婆世界を永遠に去った。分かったか?」

僧侶は一度助けただけでは終わらず、再び救ってくれた。

変装できる衣類と僅かな装備。

最後にどこへ向かって身を隠せばいいか、一から十まで細かく教えてくれた。

次回の話は2026年2月13日(金)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!

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