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外伝1話

『ゴゴゴゴ』

『バキバキ』

『ドドドドドン』


山崩れの前兆や雷鳴と変わらない騒音を、エヴァンを先頭に、全員がその轟音を聞いた。


「あっちゃー! なんじゃこの音はこんなにうるさいんじゃ!」


訓練通りに応戦したおかげで、味方の被害はそれほど大きくなかった。

ちょうど防陣のおかげで、邪教徒の数も大幅に減ったので余裕が生まれたエヴァン少領は首を振った。

騒音の原因を探していたエヴァン少領は、どこから音がしたのかすぐにわかった。


「なんじゃこれ?」


確かに自分の記憶では、デミアンが障害物を処理するためにいた場所に作業用機体が痕跡もなく消えていた。


「今、俺が夢を見とるんかね?」


『ゴシゴシ』


信じがたい現実に、エヴァン少領は手の甲で目をこすり、瞬きを繰り返して再確認した。

だが結果は変わらなかった。

慌てて周囲を見回した彼の目に、馴染みのある巨体が見えた。


「なんであそこにおるんじゃがね?」


自分が原因を突き止めるのはそれほど重要じゃないと、エヴァンはすぐに直感した。


『これが本当の話かね?』


デミアンが操縦する機体が全く動いていないからだった。


『こんなことがあり得るかよ!』


『ズカッ』


場所を離れようとしたエヴァン少領は、驚きのあまり忘れていた手順を思い出し、副官に言った。


「ちょっと行って来るけん」


「長くかかりますか?」


「確約はできんばい」


副官は遅れてエヴァン少領が席を外す理由に気づいた。


「心配しないで、行ってきてください」


領主の息子デミアンに異変が起きた事実が兵士たちに広まれば士気が下がることを知っていた副官は、事実を口にしなかった。

エヴァンは長年連れ添った指揮官である副官に代行を任せ、風のように駆け出した。


『あかん、あかん、こんなことあり得んばい!』


家族の口に糊を塗るため、エヴァン少領は一生縁のなかった軍隊に身を投じた。

入隊時は10代半ばだった彼も、今は40代を目前にした。

階級も順調に上がったが、その分多くの部下を失った。

犠牲を減らすためいつも最善を尽くし、部下に厳しく当たることもあった。

死と隣り合わせの職業だから仕方ないと受け入れていたが、半分は諦めだった。


『俺があの時許さんかったらこんなことにならんかったばい!』


指折り数えるほどの失敗。

エヴァンはその一つ一つをすべて覚えていた。

だから直感的にわかった。

間違いなく不慮の事故が起きた時の空気だということだ。

頭痛がし、めまいがした。

そして背中から冷や汗が梅雨のように流れ落ちた。


『あの時意地張ってでも止めておくべきやったばい!』


いつものようにエヴァン少領は自責した。

そして遅すぎる深い後悔をした。

だが今は後悔より状況を確認し対処することが最優先だとエヴァン少領は判断した。

眉が飛びそうなくらい急いで駆けつけた彼の目に、デミアンの剣術師範兼護衛であるアルドリックが見えた。


『ドンドンドン』


「親分! 聞こえるか!」


「はあっ……はあっ……ど、どうや……はあっ……具合は?」


「全く反応がない、くそ……」


「他に……はあっ……手段は……ないか?」


『首を振る』


「こんなクソみたいなこと!」


死亡事故が起きた時の鋭く冷たい空気じゃないと否定したかったが、確かだった。

エヴァン少領は今こそは外れてほしいと思った。

自分の経験から来る感覚の囁きが間違っていてほしいと。

体が地面に沈むような感覚が強く襲い、めまいがさらに強くなった。


「う……」


『俺は将校じゃ! 弱い姿を見せたら終わりじゃ!』


弱い心と想いが自分を飲み込もうとした瞬間、精神を辛うじて保ったエヴァン少領は、アルドリックにふと浮かんだ考えを伝えようと口を開いた。


「自分の目で確かめなきゃあかんじゃろ?」


「はあ……その言葉には一理あるな」


エヴァン少領の提案を認めたアルドリックは、機体の隅々を確認し、触れ、何度も確かめた後、地面が落ちるほど大きくため息をついた。


「方法がないな」


「外から操作できる手段は……ないか?」


「別に聞いた話がないから、そういうことだろうな……」


二人が落胆していると変化が起きた。


『ドドドドドド』


「わぁぁぁぁぁ!」


「異端を供物に!」


「殺せぇぇぇ! 殺せぇぇぇぇ!」


「一難去ってまた一難だな……まさに今がそれだ」


エヴァン少領はアルドリックの呟きを聞いて同意した。


『それでも良かったばい』


エヴァン少領は知らなかった。

敵が近づいていることさえ。

だが剣術とは縁遠い自分とは違い、アルドリックはすでに察知して視線を向けていた。

あと一歩で死ぬところだったが、この遠征隊にはソードマスターが4人もいた。

そしてその一人こそ目の前にいるアルドリックだった。

彼のような実力者が早期に反応したのは幸運であり、デミアンが出発前に言った言葉が的中している事実を、エヴァン少領は体感し認めた。

だがすぐに、エヴァンは自分の考えが大間違いだと気づかされた。

私の作品に貴重なお時間を割いて読んでくださる読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

また、皆様のご家庭と、貴方が取り組まれているすべてのことや計画が順調に進み、

さらには幸福と健康に満ちあふれた日々となりますよう、心からお祈り申し上げます。

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