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42話

「うわっ!」


俺が杭になった木を抜き取り、徐々に仕上げ段階に入ったのを察知した邪教徒たちは、さらに激しく防壁と防陣を叩き始めた。


『プスッ』


「うっ! ぐはっ! さ、邪教徒ども!」


無秩序に飛んできた刃物の一つが甲冑をわずかに貫通し、兵士一人が反射的に倒れた。

後続の攻撃が飛んでこようとしたその時だった。


『バキッ』


「ぐへっ!」


「あ……助けてくれてありがとうございます!」


「そんな言葉はいいから、しっかりしろ新入り!」


「は、はい!」


ちょうど戦闘に慣れたベテラン兵のおかげで命拾いした新兵。

エヴァン少領は危うい光景を見ながら、何度も足りない人員を割いて増援を送るか迷い、思いとどまるのを繰り返していた。

待機中の騎士たちに頼めば簡単に解決すると、そばにいる副官や他の兵士たちが口を酸っぱくして言っていた。

エヴァンもそれはわかっていた。

だが何かあるという経験が教えてくれる勘が立っていた。

だから彼は無理に無視して知らんぷりしながら、無表情に立って指揮を続けるだけだった。


『ええ感じやん!』


ちょうど弩兵たちから装填完了の合図が見えたので、エヴァン少領は片方の腕を上げた。


『カチッ』


すると首がちぎれんばかりに命令を待っていた兵士たちが一斉に敵を狙った。


「2列目、撃てぇぇぇ!」


『プスプスプスッ』


『ヒュヒュヒュヒュヒュ』


『ドサッ』


少し小康状態に入ったかと思うと、その空いた場所を別の邪教徒が埋め、防陣を叩いた。


『ドン ガン』


邪教徒たちが全力で叩いても、精鋭兵たちは目一つ動かさなかった。


『プスッ ズブッ プスッ』


「うわっ!」


「ぐっ!」


「俺の、俺の目が!」


ローマが誇った無敵の戦術、パランクス。

その中心だった軍団兵たちは苛烈な訓練で密集隊形を呼吸するように自然にこなし、敵を圧倒した。

隙間一つ見えなかったパランクス陣形と比べれば少し劣るが、

エヴァン少領の指揮を受ける兵士たちは臨機応変と適切な命令で敵を防いだ。

そのため盾の隙間から敵を突き刺し、数を減らし続ける連携のおかげで、敵の勢いは一気に削がれた。


『何か別の狙いがあるのか?』


「もう終わりだ!」


障害物で塞がれていた道の向こう側が徐々に視界に入り始め、嬉しくなった俺は思わず叫んだ。


「そろそろ準備してくれ、アルドリック……ん?」


木々の隙間から何かが見えた気がした。

だがエヴァン少領と兵士たちの努力を無駄にできないので、作業を続けようとした時だった。


「お、親分!」


「え?」


アルドリックが今まで一度も見せたことのない慌てた顔で駆け寄ってくる姿が見えた。


『なんでそんな顔してるんだ?』


障害物さえ片付ければ俺たちに害をなすものはもうないと思っていたので、俺は違和感を感じた。


『ミシミシミシ』


「なんだ……?」


接点を急いで切り替えて前方のレンズが映す光景を確認した。

すると機体でようやく片付けた木々が一つ、そして二つ。

その数はどんどん増えていく。

中心だった巨木に比べれば小さいと言っていたが、それなりに大きな大木が信じられないほど粉々に砕け、方々に飛び散る光景が映った。


『なんだ……? 人間か?』


人間と言い難いほど肌が青白い存在が俺の視界に入ってきた。

背中には軟体動物のような。

よく触手と呼ばれるものが付いていた。

その存在は俺。

そしてアルドリックとはかなり違う存在に見えた。

俺は人種差別主義者ではない。

見た目は人間に近いが、本能的にそう感じた。

一番重要なのは、剣士と言っても実力が足りない半端者の俺が感じるほど、その存在は凄まじい殺気を放っていた。


『コキッ』


『ブォン』


筋肉と骨がやかましい音を立て、残像を残すほど速く何かが動いた。

そして岩のように巨大な拳が飛んできた。


『ドン』


「ぐはっ!」


強烈な衝撃がコックピットにいる俺に伝わった。


『これは……』


他はわからないが、一つだけは確かだった。

俺は今、攻撃を受けて吹っ飛ばされているということだ。


『参ったな……青い空だ』


デミアンという名前を受け、この異世界で生活を始める前。

誰だかわからないおばあさんを助けて、いい一日になるだろうと思っていた日。

そんな事故当日と同じように、空は目が痛いほど青かった。


『まだ……』


『ドン』


大きな音とともに、俺の意識は初めて死を迎えた時と同じように、真っ黒に染まった。



『柔らかな温かさ……』


起き上がるのも嫌になるほど心地よく温かい気配を俺は感じた。

このまま目を閉じて温もりを楽しんでいたかったが、そうはならなかった。

温かい気配が徐々に薄れていったからだ。


「うぅ……」


胸がとても痛かった。

だが俺の意志に反して目を開けた瞬間。

俺は痛みを忘れるほど驚いた。


「ここは一体どこだ?」


そこは俺が一度も見たことのないほど異質で、馴染みのない空間だった。

次回の話は2026年1月24日(土)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!

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