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37話

メリークリスマスをお過ごしください、読者の皆様。

家族、親戚、恋人と一緒に温かく幸せな時間を過ごし、思い出に残る一日になれば幸いです。

ちょうど俺が現場へゆっくり近づいていくと、エヴァン少領が部下たちに向かって忙しく指示を飛ばす声が聞こえてきた。

「グズグズすんなら、さっさと動け! 日が暮れたら帯に短し襷に長しばい!」

行列の先頭に着くと、目に入った状況はやはり、否、少し深刻だった。

現場で指揮を執るエヴァン少領の顔は、俺の遠征参加を困って不参加を頼んだ時より、さらに困り果てたように見えた。

部下を統率する立場だから最大限冷静を保とうとしているが、焦りが丸見えだ。

「坊ちゃん! この道は危険な場所ばい! 敵の攻撃で怪我したら困るけん、さっさと馬車に戻ってくれ!」

『カクン』

エヴァン少領は周りの護衛兵に目配せして、俺を馬車まで護衛させようとした。

『カツン』

兵士たちに掌を見せて待機させ、俺は少領に言った。

「急ぐのはよくわかったけど……このままじゃ野宿になるんじゃないか?」

「どんなにしても坊ちゃんが出る必要はないばい!」

「あまり固くならんでくれ、ちょっと俺に任せてみたらどうだ、エヴァン少領?」

「はあ……それは……」

少し悩んだエヴァン少領。

特に妙案がないため俺の提案が最善だと判断した彼は、目をぎゅっとつぶって何度か頷いた。

「その通りや!」

「じゃあすぐ準備だ」

「なるべく侯爵閣下に顔向けできんようなことは控えてくれよばい!」

「わかった」

「了解や! さっさと片付けろ!」

部下に指示を出すため体を返した彼に俺は言った。

「村で何が起きたか、早く確認しなきゃな」

「え?」

「こんなにグズグズしてる状況は父上も望まないだろうし、君に不利益が及ぶことはないと俺が保証する」

驚いた顔で振り返ろうとするエヴァン少領を後に、俺は馬車に戻った。

「こんなに早く試運転することになるとはな」

『ギィリギィリ』

機体を固定する鋼鉄ワイヤーの張りを緩めるため忙しく手を動かしていると、静かに見ていたアルドリックが言った。

「こんな騒がしい状況で……わざわざ出るのか親分?」

『カチカチ』

ラチェットを忙しく動かしてほとんどのワイヤーを緩めた俺は、アルドリックに言った。

「ここでグズグズしてたら邪教徒どもが喜ぶだろ、こんなおいしい話はないってな」

「それで?」

「開拓村の人たちも少し心配だしな」

「ふむ……」

アルドリックは俺の言葉がどうしても納得いかない顔でまた聞いてきた。

「で、親分の本音はどうだ? 俺にまで回りくどく言う必要はないぞ」

「ずっと準備してきた機体を試す絶好の機会なのに、見逃すわけがないだろ!」

「それが俺の親分らしいな」

俺の本音を聞いて、アルドリックは少し口角を上げた。

そして言った。

「そんな考えしてるんじゃないかと予想はしてたよ」

「気づいてたのか?」

アルドリックは特別製の馬車の鋼鉄壁に寄りかかり、俺の質問に答えた。

「だいたいな、付き合いの長さがあるからな」

「機体準備はこれで終わり!」

俺は機体と一緒に馬車に積んでいた、保安のため箱と防水布で中身が見えにくくした木箱に近づいた。

そして素早く防水布を剥ぎ、箱を解体し始めた。

「この機会に一緒に試してみようぜ!」

「何を……だ?」

外に現れた形を見て、アルドリックは少し呆然としてから、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。

「親分と3年くらい付き合ったけど、まだ何を考えてるかよくわからんよ」

箱から飛び出した形を少し確認した彼は、驚いた顔をした。

「こんな時間にこれを用意してたとは……いや、それより少し変わったみたいだな親分?」

『トコトコ』

アルドリックはそう言って、美人に魅入られたように近づき、機体を観察した。

「今回も直接着用して感想と改善点を教えてくれ」

「難しいことじゃないからそうしよう」

アルドリックは少し興奮した声で答え、外骨格スーツに向かって近づいた。

「ふむ……俺の勘違いじゃないな、だいぶ変わってる」

前回の初体験とは違い、アルドリックは俺の助けなしでもスムーズに着用していった。

その光景を見ながら俺は達成感を覚えた。

「ん?」

『思ったより速いな……この間イメージトレーニングでもしてたのか?』

着用者の安全と頑丈さを考慮した固定具、操作機構が前回の試験で効率が悪く直感的でないことを嫌でもよくわかった。

『ちょうど先祖がいいものを開発してくれてたんだ』

以前書庫を縦横無尽に漁った時、後で使えそうなものを写し取っておいた。

アルドリックが難なく使うのを見て、俺の先見の明が適切だったと思った。

『アルカンテラでは標準なのか?』

屋敷で働く人たちの中ではそんな機構を使える人を見たこともなく、実際に使う光景も見たことがなかった。

俺は疑問を抱きながら計器盤を操作した。

レバーを引くと馬車の屋根が半分に割れた。

『カチカチ』

『シュー』

『ギィィィィ』

そして別のスイッチを押すと、横たわっていた機体が少しの動作だけで地面に足をつけるように斜めに立てられた。

『まあうまく使えばいいことだ!』

そう疑問を振り払った俺は、ワイヤーを掴み、俺が心血を注いで改造した建設用機体のコックピットに乗り込んだ。

次回の話は12月30日(火)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!

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