26話
-ギィィィーン-
-ゴォン-
-今まで使っていたものと比べれば改良されているが…俺の気に入らない、動力伝達もろくにできていないし…-
俺の頭の中では改善点がはっきり見えているのに、酷評されている改良機とは逆に、従来の機体はしょっちゅう止まる。
改良機がほぼ形を整えてきているのに対し、動力の伝達も上手くいかず、数段積むのがやっとだった。
-トントン-
「何をしに来たんだ?」
機械が騒音を立てて作業している空間の向こうにいた男。
髭を生やした強面の男が近づいてきた。
元々凶悪そうな顔がさらに歪んでいるから、俺に文句を言いに来たのだろうと思った。
-これ以上のデータ収集は無理だろうな…-
悲観的な俺の予想とは裏腹に、男の口から想像もつかない言葉が飛び出した。
「デミアン様、もう十分だと思います!」
試演会を止めるほど気に入らなかったのか…それとも別の意味があるのか。
全くわからない俺は、静かに事態を見守っているフェリックスを見た。
「静かな場所で話をしよう、デミアン。」
「おっさんばっかりの場所やから、素が出るんや、堪忍してくさい。」
先に歩いていた髭男の言葉にフェリックスが応える。
「いや、この場所が要塞であることを考えれば恥じることは何もない。」
フェリックスの言葉に男は口角を上げ、男らしい笑みを見せた。
-綺麗だな?-
内城や各種部隊施設を建てるため未完成なのがわかる他の場所とは違い、執務室は立派だった。
極めて清潔で、使用感が全くない部屋の中央には、質素な模様のソファが置かれていた。
-パチッ-
それに俺とフェリックスが座るよう手を開いて示した案内役の男が言った。
「そう言ってくれて、ここで生きる甲斐があるわい! 後作様はん!」
席に着くと、フェリックスは今まで聞きたかったことを我慢できず、すぐ口を開いた。
「今日の試演会で使った改良機を活用すれば、完成までの時間がどれくらいになるか言えるか?」
男は髭を優しく撫でながら少し考え、口を開いた。
「前は3年くらいかかるって言うてたやんか?」
「そうだった。」
男はすぐに髭を撫でる右手を止め、フェリックスに指を三本立てて見せた。
「3ヶ月で余裕で間に合うわい!」
「そんなに早くか?」
「何が早い言うてんねん! これでものんびりやっとるだけやんか、ガチでやったら2ヶ月もかからへんわい!」
そして男は急に俺に視線を向け、言った。
「今までのやつやったら、こんなんできへんわ、ゆったりやっても5ヶ月かかるかかからんかやで。。」
「それは…大したものだ、ハハハッ!」
フェリックスはため息をついて言った。
「ちょうど内も外も騒がしい時期だったからな…」
「変なヤツがめっちゃ来るんやろ、こっちも最近難民でごっちゃごちゃやで。」
「そ、それが本当か? 詳しく話してくれ。」
「地図見ながら話すわい!」
-ドスドス-
フェリックスと男は部屋の片側の壁に掛かった地図に向かって歩いていった。
次回の話は11月6日(木)午後8時にアップロードされる予定です。
ぜひご覧ください!




