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21話

工房に籠もって糸口が見つかるまで没頭したって、解決策は出てこないとわかってる。だから俺は工房を後にした。

-ちょっと賑やかだな?-

外に出ると、屋敷の使用人たちが忙しく行き来していた。

「おい。」

「はい、若様。」

「何か問題でも起きたのか?」

「え…実は、御当主様が新しい国境地域の要塞に視察に行くって急に仰られて、準備でバタバタしてるんです。」

「そうか?」

使用人の話を聞いた瞬間、頭にいいアイデアが浮かんだ。

躊躇する必要はないと思った俺は、答えてくれた使用人にフェリックスの居場所を尋ねた。

「父上!」

「お! 俺の自慢の息子、デミアン! 何の用だ?」

技術者たちと真剣に話していたフェリックスは、再び話に集中した。

-見た目とは裏腹に、仕事に夢中な男だな。-

俺が近づくまでの短い間に、技術者たちに指示を出し終えた実父が言った。

「何か必要なものか?」

「いいえ。」

「じゃあ、研究に使える新しい設計図でも手に入れてやればいいのか?」

フェリックスの問いに、俺は首を振って否定し、答えた。

「いいえ。」

「うーん…欲しいものがあるなら、遠慮せず言ってみろ。金を出すのも、人を動かすのも、俺がなんとかしてやるからな。」

「新しい要塞に視察に行くって話ですよね?」

「うーん…そうだな…」

突然の俺の言葉に、フェリックスは気まずそうな表情を浮かべた。

あまり嬉しくなさそうな顔のフェリックスが言った。

「お前の弟たちが生まれる日も近いから、俺の体が二つあっても足りないくらい仕事が溜まってるんだ…」

これ以上口に出すのは男らしくないと感じたのか、フェリックスは口を閉じた。

そして、ふうっとため息をつき、気が進まない雰囲気を漂わせるフェリックスに、俺は言った。

「俺も一緒に行っていいですよね?」

「今拡張中の基地には、わが家の精鋭がいるけど…安全な場所とは言えないぞ、息子よ。」

「もちろん、そのくらいはわかってます。」

「賢いお前なら、これ以上の言葉は無駄だろうな…じゃあ、何のために付いて来たいんだ?」

フェリックスの問いに、俺はここに来るまで抱いていた考えを伝えるため、口を開いた。

「誕生日プレゼントでもらったものを改良したんですけど、試すには場所も状況も適してなくて。」

「うーん…確かにそうだな…よし!」

フェリックスが快く決断を下すと、俺は外泊の準備をするために振り返った。

「デミアン!」

突然俺を呼び止めるフェリックスの声。

まだ何か話があるのかと思った俺の耳に、フェリックスから全く予想外の言葉が聞こえてきた。

「要塞に視察に行くって話、アルフレッドから聞いたのか?」

「あ…まぁ、そうですね。」

「うーん…アルフレッドのやつ、口を慎むよう言わなきゃな…」

適当にごまかしたが、俺は気づいた。

領地の事を仕切る実父のフェリックスと、実母のロウェナ、そして二人を補佐するアルフレッド。

この二人以外が知るはずのない情報を知っている使用人。

最近感じていたことが、気のせいじゃなかったと再確認しながら、俺は工房に戻った。

私の作品に貴重なお時間を割いて読んでくださる読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

また、皆様のご家庭と、貴方が取り組まれているすべてのことや計画が順調に進み、

さらには幸福と健康に満ちあふれた日々となりますよう、心からお祈り申し上げます。

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