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13話

「嘘じゃないよな?」

「もちろん!ポジウェル家のような由緒ある貴族との取引を成功させるなら、汚い奴隷商じゃ務まらないですからね、フフフ。」

ガリンド商会の主である男。

堂々とした商団の主の眼差しは、よく研がれた刃物より鋭かった。

口を覆うほどもじゃもじゃの下顎の髭。

それとは逆に、頭髪はところどころ薄くなっていた。

「失礼でなければ、坊ちゃまが目をつけた品について説明させてもらってもいいですか?」

「うん」

俺はつい反射的に頷いた。

するとガリンドは意地悪そうな笑みを浮かべた。

「この品は…」

10分以上続いた説明によると、マナ発電機はある魔導師によって作られたものだという。

家門の全てを注ぎ込んで作ったが、家は傾き、成果すら闇に消えそうだったのを、ガリンドが間一髪で救い出したという話だった。

「そんな貴重なものをこんな雑に展示していいのか?」

「ハッハッハ!本物の価値がわかる者なら、外見が粗末でも気づくはずだと判断したんですよ。」

ガリンドの説明を聞いて、俺は思わず頷いて肯定した。

「それに、ポジウェル家の先祖が唱えた理論を実際に具現化した装備を、その子孫が見抜けなかったら…」

「どうなる?」

「まあ…次を探すしかない、と思ってましたよ。」

ガリンドは笑みの裏に隠した視線で、すでに俺への評価を終えた意味を潜ませていた。

「ポジウェル家の後継者にこれ以上の説明は、繭の前で皺を寄せるようなものになるでしょう。」

俺を気遣ったのか、それとも両親と話すために話を切り上げたのかはわからない。

代金のことはアルフレッドに任せ、俺は荷車に発電機を載せて工房に戻った。

「はあ…」

前世で二足歩行機体を初めて見た時や、

エーテルブレイドの世界で機体が運用されていると気づいた時と同じように、俺の胸は激しく高鳴った。

埃や汚れ、素人の手から守るためにかけられていたカバーを外すと、金属でできた心臓がその姿を現した。

「あ…」

-サラサラ-

言葉を忘れ、半分剥がれたカバーを整えながら、俺は目が離せなかった。

「ここをいじれば…」

-カチッ-

先祖の記録に残っていた形とは80パーセントほど違っていた。

だが、20パーセントは完全に形を保っていたから、迷わず起動できた。

最初はしばらく何の動きも見せなかった。

「特別な処置でも必要なのか?」

少し焦りながら、機械のあちこちを触り、記憶を呼び起こして問題を解決しようとした。

「うっ!」

-シューーー!-

-ウーーーン!-

体内に溜まっていたマナの半分が、止める間もなく機械に吸い込まれ、同時に沈黙を保っていた発電機が長い眠りから目覚めた。

-かなり食うな。-

マナの半分が消えたせいで少し疲れを感じながら、俺は考えた。

-改良しないと、肝心な時に使えないぞ。-

「よし!」

前にノートに書いたことを思い出した。

-今広く使われてる捕集装置を使えば改善できるはずだ!-

大気中に含まれるエネルギー源、マナ。

捕集機は時間をかけてそれを集める。

かなりの時間をかけて、だ。

「お、おお!」

俺の推論が見事にピタリと当たった瞬間、喜びに満ちて叫ばずにはいられなかった。

-じゃあ、これはどうだ?-

従来の原始的なマナバッテリーを試そうとした時、

遠くから若々しい声が聞こえてきた。

次回の話は9月10日(水)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!

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