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八頁目
おちて おちて おちて
あなたは どこ
ああ みつけた
だきしめた
おちて おちて おちて
また うしなった
ぜんぶ にせものだ
おちて おちて おちろ
⌘
雨のなかの互いの手は
冷たくて互いに笑った
それは一瞬だったね
⌘
鉱石は美しいものですが
硬くて自分では用意できないのでね
つるはし?
とうに失くしたよ
⌘
もう限界 立てないの
そう言っていたのに
また繰り返して
靴なんかはじめから
待ち合わせてなどいないのに
⌘
まつげの上に降った
雪がきらめいて
持ってたたい焼きは
直ぐに冷めてしまって
けらけら笑って
家に戻ったね
あの街は変わらずあって
同じ景色が続いているのだろう
誰かの記憶たちが
また生まれてゆくのだろう