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こぼれゆくものたち  作者: 桐月砂夜
6/43

六頁目



憶えておいて

いつかその風景はなくなる

わたしはどうやって

笑っていただろう

そんなことすら

思い出せなくなるのよ



 ⌘



吸う息が すべて

涙になったらね


破れた ハンカチの

穴から息を吸うの



 ⌘



未知のものが次々と生まれる世界になった

見えなくて良いものまで

暴かれてゆくような気がして

どこかおそろしい



 ⌘


きみからこぼれるなみだなら

どこまでもうけとめよう


 ⌘


溺れても良いとおもう

その時間がゆるされるのなら

余韻だけを胸に

いきてゆけるのなら



 ⌘



ねえ すき

ずっと なでてあげる



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