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二十九頁目
ひんやりと冷たい
ブーツの足音
どこから来て
どこに帰るのか
その先はたぶん
風の向こう側
⌘
わかりやすく笑ってみましたが
なにも起こらないので
わかりやすく泣いてみましたが
やっぱり
なにも起こりませんでした
ええ良いのです
それで良いのです
⌘
ありえないことを
世界に落とし込むのが仕事です
なら入りきらなかったこの抜け殻は
どうしたらいいのですか
どこに落とすのですか
⌘
満足したら
きっと終わってしまう
ならこのままで良いね
終わらない結末を
ずっと続けてゆこう
⌘
ああ、ここにいたの
でてらっしゃい
ほら、こわくないでしょう
なにも、こわくないでしょう
おててをにぎって
ねんねしましょう
すべてをわすれて
ねんねしましょう
おやすみ坊や
おやすみね




