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こぼれゆくものたち  作者: 桐月砂夜
29/43

二十九頁目

ひんやりと冷たい

ブーツの足音

どこから来て

どこに帰るのか

その先はたぶん

風の向こう側

 

 ⌘

 

わかりやすく笑ってみましたが

なにも起こらないので

わかりやすく泣いてみましたが

やっぱり

なにも起こりませんでした

ええ良いのです

それで良いのです

 

 ⌘

 

ありえないことを

世界に落とし込むのが仕事です

なら入りきらなかったこの抜け殻は

どうしたらいいのですか

どこに落とすのですか

 

 ⌘

 

満足したら

きっと終わってしまう

ならこのままで良いね

終わらない結末を

ずっと続けてゆこう

 

 ⌘

 

ああ、ここにいたの

でてらっしゃい

ほら、こわくないでしょう

なにも、こわくないでしょう

おててをにぎって

ねんねしましょう

すべてをわすれて

ねんねしましょう

おやすみ坊や

おやすみね

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