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二十七頁目
あたらしい服を 買いました
あたらしい場所に ゆきました
あたらしい心が 生まれましたが
わたしがわたしでない気がしました
今まで着ていた服のほうが
ずっとわたし自身だったのだと
やっと気がつきました
それでもあたらしいその服を
わたしは着るでしょう
わたしではないわたしを
身にまとうでしょう
⌘
指先があなたの身体にとけてく
触れたまつげはとても凛として
わたしの爪をはじくの
そんなことばかり
覚えている
いまも
⌘
からから
その空き缶に
何を入れましたか
缶切りは失くしましたから
音を聴くことしか
出来ません
からから
けれど中身はきっと素敵なもの
開かないままが
ずっと良い
⌘
深く落ちる
体温だけを感じて
動けないまま深く
深く落ちてく
嗚呼どうか
手は伸ばさないで
わたしはここに
還るだけなの
⌘
あなたのアイスを用意したよ
マナーなんて要らない
さあ口をひらいて
笑って
うれしいね
たのしいね
最後のおやつタイム
またね
またね
ふたりでおやつタイム
最期のおやつタイム




