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十七頁目
画鋲に青い糸で
星座を形作ったの
名前のない星座
壁に描かれただけなのに
とてもきらめいて
ひっそり
願いごとをしてみようか
それがただのとげとげに
それがただのくしゃくしゃに
なってしまう前に
⌘
あやしみ
逃げるのが上手くなり
よろこび
ほんとうは知らないのに
それがうまれたふりをして
笑顔をつくる
⌘
割れないように
棚に置かれていた
ちいさなかわいい
ティーカップ
おもちゃじゃないのに
ただ美しいものだったのに
ふたりでおままごとをして
すてきなことに笑ってた
それは今も棚にあり
あの頃が溢れんばかりに
注がれたまま
ちいさなかわいい
ティーカップ
今ではただの飾りもの
つめたい陶器の飾りもの
⌘
笑わないで
きいて
その儚く白い手は
隣でピアノを弾いてくれたり
うえからこつんと叱ったり
ぎゅうと握りしめたり
いつだってやさしかった
ねえまた会えたときには
ちゃんと撫でてよね
約束だからね
きっとよ
⌘
さあ もうねましょうね
ぬれたくつは ほしておいたわ
さあ いってらっしゃい
おうごんの やさしいゆめへと
すあしでいいのよ
そこは ただただ
やわらかいの
さあ いってらっしゃい
また あした
また あした




