表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

4 契約されたら

 破られた部分が垂れて、自分の胸元の肌が露わになる。

 咄嗟のことで驚いたが、声は出せなかった。


「契約内容についてなのですが、基本事項以外のご注文はございますか?」

「鄙サ險ウ繧ケ繧ュ繝ォ」

「畏まりました。それでは、言語スキルをお付けいたします。別途料金が必要となりますので、ご理解ください」

「蛻?°縺縺」


 男は手に短いナイフとお札のような紙を取り出した。

 俺の胸元にお札を置き、ナイフをその上に添える。

 刃物を向けられ、反射的に体が逃げようとする。


「動くな」


 男がつぶやくと、俺の体は()()()()()()()()

 そして、男はお札に書かれた模様を辿るようにナイフを動かし始めた。

 刃先はお札を簡単に貫通し、俺の肌まで到達する。


「…………ッ!?」


 プチプチと肌が裂ける感覚と、鋭い痛みが襲ってくる。しかし、逃げることはできない。

 裂けたところから血が流れ出し、肌を伝って落ちていく。

 一分ぐらい経ったところで、男はナイフとお札を離した。胸元には、独特な模様が彫り込まれていた。

 切れた皮膚から血が滲み出ている。


「それでは、ニズ様。あなたの血を少し頂きます」

「縺薙l繧剃スソ縺」

「分かりました。お預かりします」


 ニズと呼ばれている男は、中には赤い液体が入っている小さな試験管を男に渡した。

 男は、試験管を開けて、中身を俺の胸元の模様に垂らした。


「……ッッ!!」


 燃えるような痛みが走った。まるで熱湯を掛けられているようだ。

 傷口から少し煙が上がり、焦げるような匂いがする。

 痛みに耐えること数分後。痛みは治まり、傷口の血も綺麗になくなっていた。


「こちらで契約の儀は完了でございます。他に何かご心配なことはありますか?」

「特にはないが、言語スキルがどのくらい機能しているか、確かめてもいいか」

「どうぞどうぞ。こちらはもう、あなた様のモノでございますので」


 ニズは、手に持っていたケースを男に押し付けて俺の前まで来た。


「俺の言葉が分かるか」

「……」


 話したくても、()()()()()()()()状態だった。ニズの目をじっと見つめ、首を縦に振る。


「分かるならいい。付いてこい」


 ニズは、それ以上話すことはなく、急ぎ足で部屋を出ようとする。

 どうしていいいか分からず俺その場でポカンとしていた。


「付いていきなさい。命令だぞ」


 男に背中を押され、ゆっくりとニズの後を追うようにした。



――――――――――――――――――――――――――



 部屋から出た後は、人通りの少ない通路を歩き、外に出た。

 外には、馬車のような乗り物が一台用意されていた。

 ニズに乗るように命令され、馬車に乗った。


「家まで行ってくれ」


 ニズが運転手に話しかけると、馬車はゆっくりと動き出した。

 馬車が進む中、ニズは外を見ているだけで何も話さなかった。

 やることもないので、俺も外を眺める。

 外を見ていると気付いたことがあった。

 

 ここは「()()」や「()()」ではないということだ。


 見知らぬ建物が立ち並び、生き物がそこら中にいる。

 外国かと思ったが、さすがに()()()()()()は見たことも聞いたこともない。

 一体ここはどこなんだ……。


 馬車の小刻みな揺れを全身で感じていると、眠たくなってしまい、俺の意識はここで途絶えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ