幻魔封士と悪夢の御伽噺

面倒くさがりを自覚する少年リュカ・キャロリアンは、魔法協会に所属する魔法士であり、アリスやドロシーたち幻想世界の住人を精霊として従える《幻魔封士》。

世界に蔓延る魔物の殲滅――そして、人間の絶望に取り憑いて怪奇現象を引き起こす歪魔(デスペラ)を封印すること。


今回の任務は、ワンドラントという小さな街で起こる、訪れた者が帰らないという怪奇現象の調査。
南支部の《海魔封士》ダニエル・シュミットと共に任務に就いたリュカは、街へ入って早々に、ミシェルとロゼアリアという二人の男女と出会った。
二人はロゼアリアの誕生日を祝うため、午後十一時半に時計塔の下で待ち合わせるのだというが――……？


「僕は確かに面倒くさがりだが、嘆いている人間を放っておくほど薄情じゃない」


小さな街を襲うのは、《終わらないお茶会》の形をした絶望……。
そこでリュカは、己の過去と対峙することになる――……。


魔法とバトル、メルヘンとサスペンスが織りなすファンタジー！