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不倫
この苦しみをどうすれば良いかと考えた時に、もうこうやって文に書くしかないと思いました。
どの道を選んでも、苦しいのだから何もない無味乾燥な苦しい道よりも、痛みを感じたとしても何かを感じられる道に進むしかなかったのです。
思えば私は幼い頃からずっと愛に飢えていました。両親からもあまり愛されず、出来の良い兄弟とは差別され、まともに愛を与えられないまま育ってしまったために、こんなにも今も苦しむことになっているのかもしれません。
きっと一生愛なんて見付からずに、そのまま死ぬことになるのでしょう。それもわかっています。
けど、諦めきれないのは執着だけは人一倍だからでしょうか。
言い寄ってくる男は少なくありませんでした。あまり途切れたことがないのです。ただ、私を心から愛してくれる男なんて一人もいなかった。
みんな私の体だけを求めていたのかもしれません。
それでも淋しい私はその体を求められている一瞬だけは、愛されていると錯覚してしまい、その一瞬だけでも痛みから解放されるためにまた求められるがまま応じてしまうのです。