産婦さんに遊ばれる看護実習生
長岡更紗様の企画【パパママ誕生企画】へ参加させていただいた作品です。
産後4日目の産婦さんの担当でした。
沐浴も授乳もお母さんが担当をします。
男の子のお母さんで、この子は三男君。
『菜須さん、教えてあげるわよ。色々。ふふっ』
担当産婦さんの方が、赤ちゃんの事に関してはベテランさんだ。
長男君は中学生と言うから、私の出番はない。と言っても過言ではない。
単位のかかる実習ではなく、患者様とコミュニケーションをとり看護師とは?というものを学ぶインターンシップだったため看護学生にベテラン産婦さんという組み合わせだったのかもしれません。
『菜須さん、沐浴してくれない? 家に帰ると嫌でも私がしないといけないから、入院してるときくらい上げ膳据え膳してみたい。だからさぁ、沐浴よろしくね』
私の横で指導看護師さんがクスクスと笑っていらっしゃった。
指導看護師さんに確認をとると
「担当さんのお願いだからねぇ(笑)勉強させていただきなさい。あははは……」
担当産婦さんも何故かクスクス笑っている。何? なんなの?!
指導看護師と産婦さんに付き添われ?
赤ちゃんを抱っこして木浴室に連れてくる看護実習生のよつ葉。
新しいオムツ、産着、バスタオル等を準備しておく。そして沐浴のタイミングで体重測定を済ます。
お湯の温度を確認し、さぁ…沐浴!
赤ちゃんにガーゼをかけて、足元から沐浴。可愛い。
脇の下や、足元のつけねも丁寧に洗ってあげる。 ふふっ、気持ち良さそうにしてくれてる。
「楽だわぁ、菜須さん持って帰りたいなぁ。夜中のお世話も、してもらいたい」
と笑いながら指導看護師と担当産婦さんが、私を見ながら盛り上がっていました。
「あらぁ菜須さん、いいお母さんになれるわね」
「看護師じゃなくて?」
「そうだったわね、看護師にならなきゃね。あははは…」
沐浴を終えて、バスタオルでくるんでお着替え台に移動する。
盛り上がって話ながらでも、看護学生の様子をしっかりチェックしている。
「菜須さん、何も言うことないわ」
指導看護師さんに認めてもらえたぁ!
「菜須さんいてくれたら快適な入院生活だわ」
「看護師とお母さんの実習できてお得ね、菜須さん」
あのぉ……よつ葉は、看護師の実習ですよ。 そこで大笑いしているお二人さん知ってますかぁ?
「よつ葉ママさん、助かったわぁ」
産婦さんに声をかけていただきました。
「菜須さん、将来的に配属は産科希望なの?」
指導看護師さんに問われた。
「希望は[NICU]です」
素直に答えると、指導看護師さんが、
「菜須さん、無謀だわ。勇者ね……」
「・・・・・」
いやいや、あくまで希望ですからね!
「へぇ~、NICUねぇ、それじゃあ新生児室の担当学ばせてあげる」
ありがとうございます。指導看護師さんの優しさに感動していたら、とんでもなくハードで大変でしたが、赤ちゃんのスヤスヤ眠る顔を見たら疲れも癒されました。
更紗様、参加させていただいてありがとうございました。