後編
「め…め…」
「め…?」
「めちゃくちゃうまい!!」
「どうした?」
「すごい。ネバネバも匂いもなんかいい感じ。甘くて美味しい。」
「俺も食べさせて。」
「いいよ。」
「うーん。うまい!」
「なんだよこれ!最高だな!」
「「あー、たまんない。」」
「明日、講義終わりでいっしょにあのスーパー行かない?」
「行こうぜ!」
カーテンを開けると、そこには北極星が光り輝いていた。
「あ。流れ星!」
「もう既にいい事あったからね。」
「すみませーん。店長さんいらっしゃいますか?」
スーパーとは言っても、中年の夫婦が経営するこじんまりとしたものだった。
「はーい。」
「あの、このトドノビクスというのは…?」
その問いに対して、奥さんはにんまりと笑った。
「これは夫が勝手に作ったやつなんですよ。遺伝子がなんだかんだみたいな…。」
「めちゃくちゃ美味しかったですよ。」
「あらそう。それは珍しい。明日に地球が滅びるんじゃないの?」
そう言ってハハハと彼女は高笑いしたのだった。
「それで、トドノビクスというのはなんなんですか?」
「ああ。うちの旦那ね、腹が出ていてトドみたいだから『トドノ』。私がエアロビクスダンスにはまっているから、『ビクス』。二つあわせて、『トドノビクス』!」
「ネーミングセンスがあるんだか、ないんだか。」
「ハハハ!じゃああげる。あと三個。」
「マジですか!」
「うわぁ!はあっ!臭い!」
「あー。相変わらずドロドロしてんな。」
「まあ、あの味を知っちゃったからね。」
「「いただきます。」」
「「め…め…めちゃめちゃまずい!」」
「あ…腹痛い。」
「あ…俺もなんか…」
「何を食べたんですか?」
「ちょっと癖のある食べ物を。」
「前食べたときは美味しかったんですけど。」
「そうですか。まあ、気をつけて下さいね。」
「「ありがとうございました…。」」
「一回目がマグレだったんだろうな。」
「あそこでやめておくべきだった。」
「奇跡のトドノビクスだな。」
「奇跡のトドノビクスか…。」
『めちゃくちゃ臭い』 —完—
「よく分からん。」「こいつは何を言いたいんだ?」という感想で構いません。シュールな世界をお楽しみ頂けたでしょうか?




