第五十五話 ヴィガルダ、再び
前回までのあらすじ
ラトーナの危機に現れたイノーザ。杏利とエニマはキリエの助力を得て立ち向かうが、圧倒的な力の前にガンゴニールストライクを破られてしまう。続いてゼドも心想を使うが、イノーザとラトーナに逃げられてしまった。
杏利達がラトーナの計画を打ち砕いてから、二日経った。
今日杏利とエニマは、病院へ行く。杏利が何かあったわけではない。入院している、レティシアへの見舞いだ。
「おはようございます。レティシアさん」
病室へ行き、ベットの上にいるレティシアに話し掛ける。レティシアは上半身を起こしており、顔をこちらに向けた。
「勇者様! おはようございます」
試験が終わった後、レティシアはすぐに病院に担ぎ込まれた。衰弱してはいたが、命に別状はないとの事で、今日はもう退院出来るそうだ。
「身体は、もう大丈夫なんですか?」
「はい。おかげ様で、好調です」
あんな事があった後だし、心配していたのだが、特に後遺症もなく、ラトーナに刺された足も問題なく動かせるらしい。
「それで、こんな事訊くのもどうかなって思ったんですけど、教えて頂けませんか? あなたがどこに閉じ込められていたのかを」
杏利は今日レティシアに、これを訊く為にここを訪れたのだ。
レティシアは最低でも一週間、ラトーナによってどこかに監禁されていた。問題は、それがどこなのかだ。
「……見知らぬ場所でした。私も結構この町に住んで長いのですが、それでも全く見覚えのない場所です。多分あそこは、魔王の城……」
「やっぱり……」
ラトーナにとって大切な人質である。万が一にも、逃げられるわけにはいかない。なら、絶対に逃げられない場所に閉じ込めておく。杏利はその場所として、魔王の城が使われたのではないかという可能性を頭に入れていた。
「何かわかりませんか? 外が見えたとか……」
杏利はレティシアから、その場所がどこにあったのかを聞き出そうとする。
「すいません。窓は一つもなくて、外には一度も出されなかったんです」
だが、レティシアは外を見せられていない為、魔王城がどこにあるのかわからなかった。人質を取り返された場合を想定して、城の場所が知られる可能性を潰していたのだろう。
「そうですか……」
「仕方ない。そもそも、本当にイノーザの城に監禁されておったのかどうかも、わからんしな」
「……そうね……」
エニマの言う通り、魔王城は一つの可能性だ。もしかしたら隣町とか、別の場所に監禁されていたのかもしれない。
「ご期待にお応え出来ず、申し訳ありません」
「いえ! あたしの方こそ、いろいろ大変だったのにこんな事訊いたりして、申し訳ない限りです」
レティシアは杏利が欲している情報を与えられなかったので謝ったが、杏利もまた謝った。いくら完治したとはいえ、まだ病み上がりだし、身体だけでなく心にも傷を負ったはずだ。不躾な質問をしてしまったと、反省している。
「アヤ達心配してましたから、また元気な姿を見せてあげて下さいね」
「はい」
杏利は病院を去った。
その日の夕方、キリエは家の裏手で、魔法の練習をしていた。
「キリエ! 勇者様よ!」
「はーい!」
そこへ、リオが呼びに来る。それに応えて、キリエは玄関まで行った。
「どうしたの杏利?」
「うん。実は、お別れを言いに来たの」
「えっ?」
事態は一時間ほど前まで遡る。
レティシアから有力な情報を得られなかった杏利とエニマは、また情報屋を当たってイノーザの情報を集める事にした。
すると、一人の情報屋が、驚くべき情報を与えてくれたのだ。
それは、ここから馬車で六日ほどかかる場所にある、クマイトという町が、突然消滅したという情報だ。見た感じ、強力な攻撃を受けて消し飛ばされたらしい。こんな状況でそんな事をするなど、魔王軍しかあり得ない。
しかし、本当に驚いたのはここからだった。クマイトがあった場所には千年前、ノアがあったのだという。
「ノアが!?」
「ああ。ノアが竜帝ルカイザーの力を恐れて、空に飛び立ったのは知ってるだろ? その後は当然更地になったわけなんだが、クマイトはその更地に作られたんだ。曰く付きの場所だから、町なんて作るのはやめるべきだって声が上がってたんだが、世間じゃノアの祟りだって言われてる」
ノアの祟り、かどうかはわからないが、先日杏利とエニマはノアに行っている。ノアのアレクトラと交戦し、壊滅させたのだ。
何者かの攻撃によって壊滅したクマイト。そしてそこは、ノアの跡地。偶然と言えばそれまでだが、杏利はそうは思えなかった。
「どうじゃ杏利? 行ってみるか?」
「うん。正直言って、すごく嫌な予感するし」
情報を得た杏利とエニマは情報屋に代金を払い、酒場をあとにした。
「というわけなのよ」
「なるほどね。ノアの王と戦った後なら、そんな予感もするわ」
ノアはゼドの心想によって壊滅した。それは見たのだが、アレクトラが実際に斬滅されたところは見ていない。非常に低い可能性ではあるが、アレクトラが生きているかもしれないのだ。
「もしかしたら、魔王軍と手を組んだのかもしれないわ。あのクソ野郎なら、平気でそういう事やりそうだもの」
そうであるなら、絶対に良からぬ事を考えている。手遅れになる前に、阻止しなければならない。
「……もっと一緒にいたかったけど、杏利には勇者としての仕事があるもんね」
キリエは大魔導師の力に慣れる為、しばらくこの町に腰を落ち着けたいそうだ。残念だが、キリエとはここで別れる事になる。
「それで、出発はいつ? やっぱり明日?」
「うん。馬車で六日もかかる場所だし、少しでも早く行きたいわ」
「そう……じゃあ今夜はウチに泊まっていって」
「だから、迷惑は掛けられないんだってば」
「いいの! 親友として、ね? お願い」
「……わかったわ」
キリエがあまりに泊まって欲しいと言うので、杏利はとうとう折れた。
「ありがとう! じゃあ今夜は、豪華なご飯にしてもらわなくちゃね!」
杏利が泊まってくれて、キリエはとても嬉しそうだ。こうして杏利とエニマは、今夜だけキリエの家に泊まる事にした。
翌日、杏利達は朝早く、馬車の前に集まっていた。アヤ、チェルシー、ティナ、ミーシャの四人もいる。
「杏利お姉ちゃん、今まで本当にありがとう!」
「あなたがいてくれなかったら、私達は最高点を出せなかった」
アヤとチェルシーは、試験の礼を言う。
あの中間試験だが、ラトーナの介入があったとはいえ、試験をやり直すという事はせず、そのまま成績として記録する事にしたそうだ。仕組まれていた事だが、生徒達の頑張りを無駄にしたくないらしい。
「魔王の討伐、頑張ってね!」
「わ、私達も、頑張ります……」
「うん。みんなも、元気でね」
「縁があったら、また会おうぞ」
ティナとミーシャに応援されて、杏利とエニマは馬車に乗り込む。
(じゃあね、杏利、エニマ! 私も応援してるわ!)
キリエもまた、心の中で二人を応援した。
クマイト跡地、アレクトラの地下ラボ。
「話とは何だ」
ヴィガルダは、自分を呼び出したアレクトラに尋ねた。
「ノアギガントの調整は、君達のおかげで滞りなく進んでいる。あと一つの要素が揃えば、いつでも起動出来るよ」
「……あと一つの要素?」
「ああ。このノアギガントは、起動さえすれば竜帝ルカイザーをも凌駕する戦闘力を発揮する。しかし、その為には特別な動力が必要になるのだ」
アレクトラが造り上げた機動兵器には、魔力炉が搭載されている。非常に強力な魔力を生産、供給出来る理想的な動力なのだが、アレクトラが求めているのはそれではない。
「出来る限り高い魔力を持つ人間を、一人、捕まえてきてはくれないかね?」
それは、魔力を持つ人間だ。ノアギガントを動かす為のエネルギー源として、人間が必要らしい。
「承知した。では、捕獲してこよう」
「頼んだよ」
アレクトラからの頼みを引き受け、ヴィガルダは外に出る。
「魔力の高い人間か……」
さて、誰がいるだろうかと考える。それなら、ラトーナが目を付けた魔法使い達の町、ペイルハーツを狙うのがいいだろう。
「……」
それ以外に高い魔力を持つ人間は、と思ったところで、一人の人間が彼の脳裏を過った。
一之瀬杏利。異世界から召喚され、イノーザの命を狙う勇者。
(そういえば、そろそろこの町の情報が、あの少女の耳に入る頃ではないだろうか……)
ヴィガルダがクマイトを消滅させてから、かなりの時が経っている。杏利はイノーザの居場所を探しているので、目ぼしい情報をみつけたら動くはずだ。そしてクマイト消滅の情報を聞けば、間違いなく杏利はここへ向かってくるだろう。
(それにしても、イノーザ様は無茶をされる)
イノーザがラトーナを救出する為に出撃した事は、既に彼の耳に入っている。もちろん、イノーザが負けるなどとは思っていない。とはいえ、やはり無茶はして欲しくないのだ。
(魔力持ちについては、超魔と造魔兵を差し向けておくとして、俺は俺で動くとしよう)
彼は彼の戦いをしなければならない。そしてその戦いは、イノーザの真の望みを達成する事になるのだ。
(一之瀬杏利。お前が真に勇者たりえる存在かどうか、俺に見せてみろ)
「杏利。大丈夫か?」
馬車に乗ってから、既に一日が過ぎている。一日で着く場所ではないので、その事については特に何も思っていない。しかし、杏利の事が心配だった。
「何が?」
「お前昨日から……いや、三日前から様子がおかしいぞ? ずいぶんと思い詰めた顔をしておる」
口数も少なく、表情もほとんど変化しない。心に余裕がないといった感じが、三日前から続いている。イノーザとの戦いに負けた、あの時から。
「気にしとるんじゃろ。イノーザに全く敵わなかった事を」
「気にするなっての? あれだけの力の差を見せつけられて、それで気にするなって?」
二人の切り札、ガンゴニールストライクがあんな簡単に止められた。破られたのではなく、止められたのだ。イノーザには、何のダメージも与えられなかった。倒すべき相手に、二人の力は全く届かなかったのだ。
しかも、イノーザはゼドの心想を見てなお、余裕を崩さなかった。これはイノーザも心想が使えるか、それ以上の何かを持っているという事だ。実際にそれを見せはしなかったが、心想持ちのゼドが勝てないのに、心想すら使えない杏利では勝てない。肝心の心想も、使えるようになるかわからない。気にするなと言われても、無理な話だ。
「そうは言っとらんが……」
「言ってるわよ。他の意味に聞こえない」
杏利は正直、イノーザの事を舐めていた。あそこまで飛び抜けた実力の持ち主だとは、思わなかったのだ。天才で何でも出来ると思っていた自分が、出来ない事がたくさんある。その現実に打ちのめされ、半ば自暴自棄になっている。
「せっかく勇者として戦うって決意したけど、あんたの期待に応えられないみたいだわ。あたしってこんなに頼りなかったのね」
必ずイノーザを倒すと啖呵をきっておいて、その実全く敵わない。頼りない自分に、泣きたくなっていた。
「……わしは、そうは思わん」
だが、エニマは杏利の弱音を、否定した。
「えっ?」
「お前は目覚ましい速度で成長しておる。これから先成長を続けるなら、必ずイノーザを倒せると、わしは信じておるんじゃ」
「エニマ……」
「……いや、成長と言うよりは、生き返っている、と言うべきかもしれん」
召喚前に見ていた杏利。そして召喚された直後の杏利は、生きているという感じがなかった。溢れる才能によって何でも出来る為、やりがいがない。生きるという行為が、杏利にとってはただの作業でしかない。生きていながら、死んでいるのと同じ状態だった。
しかし、思い通りにいかないこの世界で、様々な大冒険を経験し、杏利は段々と生き返っていったのだ。生を実感し、想いを知り、敗北と恐怖、そして勇気を知った。やっと杏利は、人間らしい感情を得たのだ。
「お前が生き返っていくのを見て、わしはお前をこの世界に呼んで、本当によかったと思った。そして、わしをあの闇の中から連れ出してくれたお前に、心から感謝した」
百年を過ぎたあたりで、エニマは七百年前も得ていた能力、人化を失い、あの祭壇から本当に動けなくなった。そして、自分を連れ出してくれる勇者が再び現れるのを、ひたすら待ち続けた。
そして杏利が現れ、エニマを連れ出してくれたのだ。
「お前は光じゃ、杏利。お前は、わしにとってかけがえのない光なんじゃ」
そう言いながら、エニマは杏利に寄りかかった。
(あたしの事、そんなに大事に思ってくれてたのね)
杏利はそんなエニマの頭を、優しく撫でてやった。
もう二時間ほど進んだ馬車は、ある場所で止まった。旅人の危険が少しでも減るように設置された、休憩所。杏利の世界で言う、パーキングエリアのようなものだ。
「三十分ほど休みましょう」
「はい」
御者から三十分間の休憩を告げられ、杏利達も一息入れる事にする。
「とりあえず、何か食べ物でも買おっか」
「うむ」
少し腹が空いた。着いたらすぐ戦闘になるかもしれないので、体力の回復と温存に努める事にする。
「ねぇ君」
と、そこに立派な鎧を着込んだ青年が現れ、話し掛けてきた。
「こんな所に女の子二人とは珍しいね。どこ行くの?」
「クマイトっていう町があった場所に」
「……悪い事は言わない。やめておいた方がいい。あの町がどうして消えてしまったのかわからないし、第一危険だ。俺はちょうど、クマイトに調査に行くところでね。俺が安全を確かめてからでもいいだろう?」
青年曰く、クマイトの調査隊が結成されており、自分もその一人でこれからクマイトに向かうのだという。
「だったら、あたし達も一緒に行かせて下さい」
杏利達は自分達の素性を説明し、青年に同行を申し出る。
「そうだったのか……けどなおさら君達を危険な目には逢わせられない。俺も勇者だからね」
「えっ?」
杏利のように異世界から召喚されたというわけではないが、彼もまた魔王イノーザを追う専門の冒険者、勇者である。彼だけでなく、今この休憩所に集まっている調査隊は、全員が勇者だ。
「だから、ここは俺達に任せて、君は魔王の脅威に晒されている別の場所に行って欲しい」
「でも……」
食い下がる杏利。
その時だった。
「エクス!! 来てくれ!!」
遠くから、男性の声が聞こえた。それを聞いた青年が、声の方角へと駆け出す。どうやら、エクスとは彼の事らしい。
「どうしたの!?」
「わしらも行くぞ!!」
ただならない出来事が起きている。それを察した杏利とエニマも、現場へ急行した。
たどり着いたのは、馬車の停留所となっている場所。馬車は結構大きいので、数を停めるとなるとかなりのスペースが必要になる。
だからこそ、そこに転がっている死体の数が多く感じた。男や女、戦士や武闘家や魔法使いなど、様々な冒険者の死体がある。
エクスを呼んだのは、その中でただ一人残っている、戦士姿の男性だろう。しかし、既に鎧のあちこちがひび割れ、剣も折れかかっている。
それもそのはず。彼が相手にしているのは、ヴィガルダだったからだ。
「クオン!」
「エクス……すまない。調査隊は、俺達を除いて全滅だ」
クオンと呼ばれた男性は、ヴィガルダを睨み付ける。ここで死んでいるのは、全員クマイトの調査隊員だ。名高き冒険者達だったが、たった一人の超魔に全滅させられてしまった。
「ヴィガルダ……!!」
「また会ったな。一之瀬杏利」
そこへ、杏利とエニマも到着する。それから杏利は、エクスとクオンに言った。
「二人とも逃げて!! あいつはイノーザの側近の一人なの!! 普通の超魔とはレベルが違うわ!! あたし達が戦うから、まだ残ってる人達を連れて逃げて!!」
「……いや、それは君の役目だ」
しかしエクスもクオンも、ヴィガルダの素性を知ってなお、逃げない。
「相手が魔王の側近なら、ここで必ず倒す!!」
「それに女の子に任せるなんて、勇者失格だからな」
エクスは剣を抜き、クオンも剣に力を込める。
「行くぞクオン!!」
「ああ!! 全力で仕留める!!」
二人は杏利が止めるのも聞かず、ヴィガルダに斬り掛かった。
だが、剣はヴィガルダに当たった瞬間に折れてしまった。何のダメージも与えていない。
「ストレングス……!!」
全能力を上昇させる、ヴィガルダの能力。特にパワーとガードを上昇させるこの能力を発動し、二人の攻撃を真正面から受け止めたのだ。
「心意気は買おう。だが、力不足だ。貴様らは勇者たりえん!!」
ヴィガルダは槍モードのデュランダルを振るい、エクスとクオンを真横から両断した。
負けた。二人はヴィガルダに本気を出させる事も出来ず、あっけなく負けて死んでしまった。
「邪魔者は消えたな。これで貴様と二人きりだ。いや、三人か」
「……どうしてよ……どうしてこんなひどい事するのよ!?」
実力差を感じながらも果敢に挑んだ二人を邪魔者呼ばわりしたヴィガルダに、杏利は怒りをあらわにする。
「俺はロイヤルサーバンツの一人。さっきお前が言ったように、イノーザ様の側近だ。イノーザ様の命を狙う者を排除するのは当然の事だろう?」
ヴィガルダがここに現れた理由は、勇者の拠点となる場所を潰す為だ。杏利がいるかもしれないと思ってもいたが。
「だが、お前が俺と戦い、勇者に相応しい存在だと認めさせる事が出来れば、ここは潰さないでおいてやる」
「……どういう事?」
「俺は今、勇者を捜している。だが俺が戦った者は、力も志も足らぬ勇者被ればかりだ。質実剛健なる真の勇者の存在を、俺は必要としている。そしてそれは、イノーザ様の為にもなるのだ」
「何でそんな事する必要があるのよ?」
杏利には、なぜヴィガルダがそんな事をしているのかわからなかった。真の勇者を見つけたとして、イノーザの為になるどころか、首を絞めるとしか思えない。
「知りたければ、俺を倒せ。俺にお前の存在を、真の勇者であると認めさせてみろ。答えはその先にある」
それを今教えるつもりはなさそうだ。
「杏利、やるぞ」
「エニマ?」
「向こうは完全にやる気じゃ。逃がしてくれそうにもない。ここで奴を倒さねば、わしらは確実に死ぬ」
確かにその通りだ。それにヴィガルダは、いずれ必ず倒さなければならない存在である。それが今になったというだけの話だ。
「そうね。やりましょう!」
「うむ!」
エニマは槍化し、杏利の手の中に収まった。
「望み通り認めさせてあげるわ。あたしがあんたの捜してる勇者だってね!」
「面白い。貴様のさらなる力、見せてみろ!」
杏利とヴィガルダは互いに武器を構え、同時に突撃した。




