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牢獄の中
敷島はそのまま意識を失った。
そして、気が付くと堅牢な牢にいた。
まだ少し腹が痛かった。
敷島は牢に張られている鉄格子を揺らした。
頑丈な格子だった。
「誰か、誰かいないのか」
敷島は叫んだ。
だが、自分の木霊があたりに響くだけだった。
敷島は考えた。
しかし、結論は出なかった。
自分はいったいどうしてしまったのだろうか。
ここは死後の世界なのだろうか。
あの獣面たちは何なのか。
ここは、夢にしてはずいぶん現実味があった。
けれども、夢でないとも言えない。
いや、夢であってほしかった。
敷島は再び意識が遠のくのを感じた。
コツリ、コツリ、コツリ。
足音が響いた。