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豚面との会話
「なんでそんなことを訊くんだ」
豚面は少し怒ったように言った。
「いや、話のタネだ」
「馬鹿なことを言うな」
「お前独り者なのか」
「お前には関係ない」
「その歳で結婚していないのか」
「なんで歳がわかるんだ」
「お前の顔つきからだ」
「ふざけるな」
敷島は言葉に詰まってしまった。
本当の目的をしゃっべってしまったらどうだろう。
「実は、俺は試練とやらを乗り越えなきゃいけない」
「誰にでも試練はあるだろう」
「そういう意味ではなく、試練を乗り越えないと自分の元の世界に戻れないんだ」
「元の世界ってなんだ。世界はここしかない」
「いや、話によると三千世界というのがあって・・・・・・」
いや、この豚面に言ってもわからないかもしれない。
「お前は何を言っているんだ」
「お前何か困ってたりしないか?」
「別に困ってなどいない。あえて言えば奇妙な囚人の発言で困っている」
「それはすまない」
敷島はこれからどうしてよいか見当がつかなかった。




