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反発
僧侶はしつこく敷島を責めた。
「お前はアーギ界から来たものだな」
敷島は僧侶が何を言っているのかわからなかった。
アーギ界というのはどこだ。
この不思議な世界では自分の来た世界をアーギ界というのであろうか?
「アーギ界というのは何ですか」
敷島は僧侶に尋ねた。
「この世界の中で最も最下層の世界だ」
敷島はこの僧侶に反発を覚えた。
自分たちのいた世界はそんなにひどい世界ではない。
最下層ではないだろう。
しかし、何と比べて最下層なのだろうか。
「他にも世界があるのか」
「ある。三千世界があり、それがさらに三千あり、中世界をつくり、中世界がさらに三千で大世界を作る」
「何か仏教のようだが」
「仏教?ふん、あんなのは人間が作った世迷いごとだ」
「仏教が世迷いごとだと、人間の叡智の粋を集めたものだぞ」
敷島は殆ど仏教を知らなかったかったが、反発した。
自分たちの世界が馬鹿にされたような気がしたのだ。




