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トリップ
敷島はその時赤い水を飲んでみようと思った。
どこへ移動するにせよ状況は変わる。
所詮元の世界に戻れないのなら、とにかく飲んでみよう。
敷島は川へ近づくと、手で水を掬って飲んだ。
指についた水を舐めた時とは違って、大量に飲むと、頭がクラクラとした。
どこかへトリップしているようだった。
視界はふさがり暗闇になった。
やがて、目が慣れてきた。
そこは、やはり、あの異界だった。
瀬戸の姿は見えなかった。
獣面たちもいなかった。
そこは、おそらく城の中だった。
大きくガランとした大聖堂だった。
今は何も執り行われてはいなかった。
人らしきものが近づいてきた。
敷島はとっさに隠れた。
その人らしきものは祭壇のほうへ近づいて行った。




