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瀬戸正和
「おまえは誰だ」
彼は逆に敷島に尋ねた。
「敷島陽一」
「人間か」
「ああ、お前も人間なんだろ」
「そうだ」
「お前もこの世界へ迷ってきたのか」
「ああ」
「どうしたらここから出られるんだ」
「私もその方法が知りたい」
敷島はがっかりした。
「お前の名前は」
「瀬戸正和」
「どこから来た」
「日本だ」
「いつ頃来たのだ」
「一週間ほど前だ、
いや、時間の感覚はここではよくわからない。
もっと前に来たのかもしれない。
あるいは、最近なのかも」
そういわれてみれば敷島にも時間の感覚はない。
敷島は赤い液のことを話そうかどうか考えた。




