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初めての人間
川にはいろいろな種類の
魚が泳いでいた。
どれも変わっていた。
ひれの後ろに毛が生えているもの。
目が極端に大きいもの。
足があり靴を履いているもの。
紙のように薄いもの。
川には私の顔が映っていた。
いつもと変わらない貧相な顔だ。
私は赤い水を掬おうとした。
その時だった。
私の肩を叩くものがあった。
それはこの世界で見る初めての人間だった。
獣面をつけておらず、
彼はまともな人間の姿だった。
私は彼を見つめた。
彼は笑っていた。
「ここはどこだ」
私は自分でも知らず知らずのうちに、
彼に尋ねていた。




