純血スマイル
作者の末期的妄想シリーズ第五弾。
今回はちょっとした妄想が、今回の話を作りました。
でも深夜のテンションだからおかしいのはかわりないけどぉ!!
笑えよ、僕の親不孝行を。
僕は天才だ。運動と勉強。どちらも上々。
自分で言うな?
調子乗んな?
ふざけんじゃねぇぞ、馬鹿。
誰が好き好んで、天才なんかに生まれるかよ。
こんなんだったら天才になるんじゃなかった。
親の一言で僕の存在価値は決められたんだ。
あの魔法の言葉で、僕のすべてを生成していく。
――あぁ、もっともっと、足りないし満たされない。その言葉を吐いて、もっと僕を見てくれよ。
たった一言の、それだけでいいから。
――『よくできました』って。
なんでなんで?なんで家族は僕のすべてを奪い去っていくの。
9と10の11の出会いでは、言ってくれたのに。あの僕を示す魔法の言葉を。
憎い憎い。歪んでく。僕のすべてが。
笑顔を浮かべるこの顔は、既に仮面をつけており、もう一つの黒い自分を、鮮血に染め上げていく。
さぁさぁ、楽しい『親不孝行』ごっこの始まりだ。
次は12度目の出会い。
もう『当たり前』と『常識』で作られたこの体に、感情なんてとっくに赤く染め上げられているんだ。
僕の下で横たわる、鉄分がある細胞と共にさ。
――あぁ、最高だ。昂るこの脈動感。
――あぁ、苦しい。肺を潰す不安感。
――あぁ、生きてる。自己存在を指し示すこの痛み。
そんな自分を肯定するように。
自分の笑顔と共に。僕は純潔に合唱祭を開いたんだ。
さぁさぁ吠えろ吠えろ。悲鳴という名の合唱祭だ。
すべてを染め上げる笑みが世界を蝕んで行く。
もうどうやったて、この悲劇の終着点は『天災』である僕が決めたバッドエンドに突き進む。
でもこれが望んだ事だろ、世界中の誰もが――。
さぁさぁ、笑み病まぬ『親不孝行』ごっこは平和を探していく。
どんなに壊したって、どんなに世界を束ねたって、僕の『当たり前』は満たされない。
そりゃそうさ、僕の『当たり前』は、僕自信によって魔法の言葉と共に、笑みに食ってやったんだから。
誰か――認めてよ、僕を。
50を越えた出会いをしても、僕はそれを見つけられなかった。
それはごく単純な、子供独自の生きる意味。
お願い、お願い、ほんの一言でいいから――
――『よくできました』って――――!!
なんで誰も認めてくれない?
なんで誰も褒めないの?
僕は、正しいことをしたじゃないか。
血に染めたこの笑顔は、酷く歪んだ心境の写し身。
ねぇ本当に、誰か認めてよ。僕の存在を、僕の価値を、僕の意味を、僕が天才なのも――。
認めないなら、この世界も壊すだけだ。
100回を越えたリセット。
天才故の僕にだけできる、人生永劫優遇手段。
この身も100回を越えたリセットで、朽ち果ててるんだよ。
もういいよ。我が儘言わない。
『親孝行』もしない。だからすべてを終わらせよう。
悲痛な顔したって、もう許すものかよ。
いったい誰のせいだと、思ってんだ。
それではさよなら。でも一言で言いますね。
――「Q.“椅子取りゲーム”にイカサマできるでしょうか?」
見ていただきありがとうございます。
今回の短編は、作者が最初に書いた末期的妄想シリーズの『椅子取りゲーム』とちょっと繋がっています。
暇があるかたは、見てくださると嬉しいですm。