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第7回 狙撃者

<登場人物>

ビルトス   主人公の師

グノー    主人公の兄弟子

グレーティア 主人公

プエラ    主人公の幼なじみの娘

レピダス   黒虎騎士団(銀弓のレピダス)

ソシウス   斧使いの大男(旋風のソシウス)



コンジュレティオ 軍総司令

ホスティス  ヘテロ国魔法宰相


 元領主の居城を旅立った一行はそのまま西に向かいました。カーボに向けて北上したときと同様の農地の風景がありました。真っ直ぐ続く道平坦なので歩いても歩いても進んでいないような錯覚をさせます。ただ違うのは近くに見える山々はアグラチオ山でなくサンダピラ山が周囲を囲んでいることでした。ソシウスはその山を越えると言っていたのでした。

途中本道から右に折れ山へと続く一本道に入りました。本道から折れた道は静かで人の通りがさっぱりない様子で奥にある村人がたまに通るだけのものでした。これがサンダピラ山を越えて行く道とはとても思えず、この先は行き止まりではないかと疑わせるような道でした。しかしこれが追っても目をくらませるには最高のものであるのは確かでした。その道は程なく森の道となり次第にサンダピア山がどんどん目の前に近づいてきます。

北に向かっているせいか山々の上に登ったお日様が右から光を投げかけかけています。

村を過ぎたあたりから道はどんどん狭くなり曲がりくねり初めました。そして次第に上り坂になっていったのでした。いよいよ二度目の山越えの始まりです。

息を切らせ三人はどんどん登っていき、だいぶ経ったとき背後を振り返ると広い盆地が見渡せました。遠くに小さく見えるのはガーポの城壁。それより右に小さく白く輝いているのは元領主の城のようです。ガーポから延びる真っ直ぐな線は街道です。街道の周囲にはパッチワークのように畑が地面に升目を画いていました。低地で見る景色と高台にから見下ろす景色はこの様に違うものかと一同見とれていました。

お昼になり一行は木陰に体を休めると軽い食事を摂りました。随分登りが続いたので体は熱気を帯び木陰に腰掛け山を流れる風に当たるとことのほか涼しく感じるのでした。

しばし休息の後再び旅を継続いたしましたが、いつまで経っても峠には辿りつかずやがて夜になりました。

「もう夜になってしまったわよ。何時になったら山越えるのよ」

 不満たらたらでプエラは案内人のソシウスに食ってかかりました。

「そう慌てるな。そんな簡単に越えられるかよ。このサンダピア山はアグラチオ山と違って胸元が厚いんだよ」

「どういうこと?」

「アグラチオ山は一層の山だったけどサンダピア山は多くの山々が集まって何層にもなっている。つまり横に長いとわけだ」

「長いって。このまま山の中が続くてことなの」

「まあ。そういう事だな」

 プエラはへたり込みました。

 ソシウスはかまわずロバから荷物を降ろすとキャンプの準備を始めました。手慣れた手つきで寝床に小さな石で組み合わされた竈が出来ました。それから近くの林に入り柴を探してくると火をおこしたのでした。山の中周囲に光はなく薪から放される赤い光が周囲を照らしました。ぱちぱちと小さな音を立て薪は燃え、その上では鍋が暖められぐつぐつと晩ご飯を仕上げていたのでした。芳しい香りとともに料理は出来上がり、山歩きでお腹ぺこぺこのの身にとっては極上の品となりました。

 空腹も癒え一同には笑いも登場し冗談のかけ合いが始まりました。

「元領主の話によると、東の方キャンプス近くでヘテロ騎馬軍との戦闘が行われたらしい」

「それでそれはどうなったのですか」

 グレーティアが興味を示すとソシウスは話を続けました。

「ムルティ山脈のふもとまで押し返したようなのだが」

「怪しいですねえ」

「ヘテロがそう簡単に退却するというのもな。本当はユンクタス河東岸を狙っているのではないかと考えられるんだな」

「陽動行動というわけですね」

「兵を分散しては此方に分が悪い」

ソシウスが悩ましげな仕草をするとプエラが興味深く尋ねてきました。

「ヘテロてそんなに強いの?」

「まあね。ヘテロは人口ではパテリアより劣るけど、それを補うように騎兵が強く、機動力にはなかなか悩まされているんだ」

「あら、こちらには凄い人いなかったかしら」

「猛将コンジュレティオのことだろう。彼は軍総司令官だ。確かに鬼神の如く強いがヘテロには魔法宰相ホスティスがいる」

「魔法宰相なの。強そうじゃないわ」

「ところが、ヘテロに組織的騎馬戦術をもたらしたのが宰相様なんだな」

「じゃ、何でもできちゃうという凄い人?」

「コンジュレティオは反乱軍を全て鎮圧し国を統一したほどの名将だがムルティ山脈を越えてヘテロ領内に侵入することは叶わなかった。それはあの国にはホスティスがいるからなのさ」

「魔法の本のを書いている学者さんじゃなかったのね」

「魔法の本?」

 ソシウスは小首を傾げました。

「ヘテロの軍事行動が活発化したのは何故でしょうか」

 グレーティアは疑問を投げかけてきました。

「それが分からない。理由ならヘテロの宰相に聞くしかないだろうな。分からないと言えば最近怪物の活動が活発化していることもだ。生息地以外でも出没しているからな。なにか関係でもあるのかな」

「エリア内の頭数が増加し、余剰分が流出しているか。食糧減少によって移動が始まったといったところではないでしょうか」

「いまさら人様の土地に来られてもな」

 するとプエラが何を思い出したのかあたりの暗闇をきょろきょろ眺めました。周囲には暗い森が広がっているだけでした。

「ねえ、私たち何で逃げているのかしら」

「そりゃー追っかけている奴がいるからだろう」

 ソシウスは呆れたように眉を下げました。

「グレーティアの命を狙っている人達て何者かしら」

 真剣な問いかけに僅かの沈黙が訪れました。

「分かることは金持ちてことだな。領主クラスでなかったら魔法使い何人も雇えないってことだな。それが一人なのか組織なのかは全く不明だが」

 ソシウスの的を射た判断でした。

「私が行ってお灸でも据えてこようかしら」

「勇ましいことだな。どこの誰かもわからないのにどうする」

 ソシウスは笑いました。

「その転性の魔法を解く方法てのはないのかな」

 グレーティアの方に顔が向けられたので彼女は返事に困りました。

「奴らは女魔法使いということで追っかけている。元に戻れば誰か分からないだろうが」

「アデベニオのトゥーリス寺院に行けばもしかしたら。あそは治療術が発達していると聞きます」

「しかし、そこで治るという保証はないし」

「いいのよ、それは、このままで」

 プエラはグレーティアを庇いました。

「そうそう、もう一つ謎があるぞ。プエラはなんで逃亡の旅に付いてきたんだ」

 ソシウスは意地悪そうな顔をしました。

「な、なによ。どうでもいいことでしょう」

 プエラの頬がふくれました。

「お主、グレーティアに惚れてるな」

「なによいきなり。違うたら。なんで私が女の子に惚れなくちゃならないの」

「でもね」

 プエラが半狂乱になりそうだったのでソシウスは茶化すのを止めました。



 翌日目を覚ますと堅い地面の上でした。床はあるもののお城のふわふわのベッドとは大違いでした。僅かの日でこのような違いがあることにプエラはため息をつきました。

再び旅は始まり、延々と続く山道を歩き始めました。アグラチオ山を越えたと時と違って荷物はロバに預けていたので、身は軽かったのですが悪路続きの山道で足は疲れてていきました。山を越えたかと思うとすぐ次の山が控えていてソシウスが何層も続くと言ったのよく分かりました。もう背後に盆地の光景は有りませんでした。ただ周囲には小高い嶺嶺が広がり人が訪れることもない山奥であることがよくわかりました。ここで人に出くわそうものなら追ってだったとしても、思わず親愛の情を表してしまいそうでした。

 ソシウスは休息の場所としてこの近くで見かけたという祠を探していました。あたりには草が生い茂りその建物の所在を確認は出来ませんでした。

するとグレーティアは誘われるように山の斜面に目をやると白い石積みの建造物を発見したのでした。少し山道から外れていましたが祠目指して一同歩みました。

祠までの道は有りませんでした。ソシウスが行く手の草をかき分けその後を彼女等とロバが付いてきました。

 やっと着いてみるとあちこち石積みが壊れているものの立派な建物でした。石と石の間には草が生い茂り建物全体を緑で覆っているものの白い建物の肌が表れていました。

ほとんどの遺跡は聖者に関連したものとして語り継がれているのですが、この祠はなんの伝承もないようです。その証拠に誰も訪れたこともないような自然の中に埋もれたよう存在となっていました。

 何本も立つ石柱群、円形状の広間、建物は幾何学的に整えられた設計になっており一同は物珍しげに眺めました。

建物の奥に進むと足音が反響してきます。通路はさらに奥に進み、薄暗くなっていました。

ここまで来たときプエラは先に進むことを拒みました。

ソシウスはなんとか説得しようとしましたが無駄で、仕方なくロバの番をプエラにお願いすると二人でさらに奥に進んでまいりました。

 奥に行くと扉が二人の行く手を遮りました。グレーティアが調べてみると魔法の呪文によって閉ざされているということでした。高度な呪文で彼女にも手に負えないことが分かり諦めて戻ろうとしたところ扉は自分から開いたのでした。全ての人の侵入を許さないはずであろう扉が開いたことに警戒はしたものの好奇心がそれを上回り二人は奥へと歩を進めたのでした。

 奥の扉を二度ほど開いたところで不思議なことに周囲が明るくなりました。グレーティアが点していた魔法の灯りも閉じて進むと荘厳な間に出ました。どうやらここが最深部のようでした。誰も訪れたこともないはずなのにこの空間は光り輝くように美しく整えられいました。間の中心には磨き上げられたような石の台がありその上には赤い布が敷かれていました。二人がその石台に近づいて布の上に置かれたものを確かめると一振りの剣がありました。

「これは?」

 それは剣の握りの部分が置かれていたのでした。その剣先はなく二度と使えるようなものではありませんでした。ソシウスは興味深く剣を掴むとそこにあったであろう刃を想像いたしました。

「この剣はよっぽど大切な剣だんだろうな」

「のようですね。この剣の為にこの祠があるのでしょう」

「この剣の為の廟といったところだな」

 そっとソシウスが剣を元の位置に戻すと、彼は興味を失ったのか立ち去ろうとしました。

その後を追いかけようとグレーティアも体を返したものの、ふと剣のことが気にかかり立ち戻るとそっと手にしてみました。すると彼女の脳裏に映像が浮かび上がってきたのでした。

 それは黄金色に輝く甲冑に身を固め赤と青に輝く二本の剣で何者かと戦っている女性の映像でした。彼女がなにを叫んでいるのか、どういう状況なのかは分かりませんでしたが異次元空間の様な混沌とした中で秘術をもって戦っているのは分かりました。やがて女性の一方の剣が敵をとらえ貫くと、苦しむ悲鳴とともに暗闇は消失し同時に剣が砕け散りました。握りのみを残して剣は息絶えてしまったようでした。

 グレーティアがその場で動かず剣を見たまま硬直しているのでソシウスは心配になって戻ってまいりました。揺り動かされて彼女は正気に戻り今見た映像はこの剣によってもたらされたものであることに気がつきました。そしてこのことを彼に伝えたのでした。

「その女性がこの剣の持ち主というわけか。どういう剣だったんだろうな」

 感慨深くソシウスは剣を眺めました。

「閉ざされた扉が開き、何故あの映像が表れたのか」グレーティアは奇妙な出来事に困惑していました。なにもかもが分からないことだらけでした。 再び剣を元の場所に安置し、二人はその間を出ていきました。


 三人の旅は続きました。最初は不満を沢山こぼしていたプエラでしたが、ながい山道に疲れ切って口を開く元気も失せてきたようでした。何度も山の中でキャンプをしたためか野宿にも慣れ初めていたものの次第に歩みも遅くなっていました。これはグレーティアにしても同様で女の足では山歩きは困難を伴っていました。度々休息を入れては先を急ぎました。幾度かの山を越え最後の嶺を通過すると突然前が開けました。サンダピア山を越えたのでした。眼下に見下ろすのは広がる平地緩やかな丘陵を道が下っているのが分かります。遠くに見えるのは村でしょうか。微かに煙りの立ち上る様子がわかりました。後は山を下るだけです。

途端にプエラの顔が明るくなり、それまでの疲れ切った表情はどこかに消し飛んでいました。

「さあみんな行くよ」

 プエラはそう言うと意気揚々と歩み始めました。

 何処にあんな元気があったのだろうとソシウスとグレーティアは顔を見合わせました。

 下りは早く中腹までそうかかりませんでした。人の往来が極端に少ないのでしょう、途中にすれ違う人は一人もいませんでした。ふもとまで降りて来たところ少し開けた所に草花が繁っていました。緑の葉に鮮やかな赤を持った花が一杯咲いており。花畑のようでした。自然に群生しいる花なのでしょう。ところどころ白い花をもった植物が混じって咲いておりプエラはその中に飛び込むと盛んに花を集めてました。なにやら一所懸命しているのでソシウスはロバをその場に停め呆れたようにしばしの休息をとりました。

やがてプエラは花の中から戻ってくるとその帽子には綺麗に花の輪が取り付けられていたのでした。盛んにプエラは自慢ており、嫌がるグレーティアの帽子を取り上げると手に持った花輪を取り付けお似合いよと強引に喜ばせようとしました。彼女は照れくささも手伝って黙って項垂れるだけでした。これを見ていて女二人でなくて良かったとソシウスは心に呟きました。その後道すがらプエラは蔓に咲いた淡い紫の花みては摘み取り帽子に刺し、やがて頭の上は花畑のようになりました。

 その後もプエラは周囲を見渡し珍しい花がないか物色いたしました。何かもの凄く感激したものが見つかったのかプエラは遠くの花を指し示すと強引にグレーティアの手を思い切り引っ張りました。いきなり強く引っ張られバランスを失った彼女はよろめきプエラの横に倒れかかりました。

「あら、ご免なさい」とプエラが声を上げそうになった時、一条の矢がグレーティアが居たところを走り抜け地面に刺さりました。

地面に刺さる音を聞いてグレーティアとソシウスに緊張が走りました。慌てて振り返ると二筋の矢が飛んでくるのが分かりました。雷撃が空気を切り裂き矢は空中で粉々に飛び散りました。

「くそっ。敵は山越えすることを読んでいたか」

 口惜しそうにソシウスは声を上げました。

 どうやら離れた崖の上から何者かが狙ったようでした。しかしその距離は遠く、あのように離れた距離から正確に矢を放すとは信じられないことでした。

「敵の矢は正確だぞ。ここいては狙われる。岩陰に隠れるんだ」

三人は岩陰に隠れ様子を窺いました。

「どうやら敵は一人のようです」

 グレーティアは敵の様子を伝えました。

「探査の目を放ったのか。それで敵はどうしている」

「崖の上から降り移動しています。仕留めそこなったので別の場所で狙うのでしょう」

「魔法使いのご一行様の後にはヒットマンかい」

「敵は私たちが正確に位置を把握しているとは気がつかないでしょう。逆に追い込み捕らえましょう」

「でどうする」

「敵は崖を降り立ったので私たちが移動しても気がつきません。敵の背後には崖があり逃げる方向は限定されています。私が魔法で追い立てますのでその行き先で逃げるのを防いでください。私が加わって二人で捕らえましょう」

 こうしてプエラを残すと二人は敵の方向に向かって走りました。ソシウスは左に、彼女は右に進み。ころあいを見計らって。魔法の攻撃が狙撃者に向けて放されました。聞き覚えのある地面を叩く音に何が起こっているのだとソシウスは遠くを窺いました。空に飛ぶ無数の石に彼はにやりとしました。

「もうあの技を覚えたのか。あれには散々な目にあったが、今としては心強いな」

 ソシウスが待ちかまえていると、一人の男がこちらに逃げて来るのがわかりました。

背中には弓と矢を背負い片手には両端に刃をもった双頭槍を提げていました。男は慌てふためいたように帽子を押さえ石の攻撃から逃れています。

 男が走り抜けようとした瞬間、ソシウスは茂みから飛び出すと大斧の一撃をお見舞いしました。するとどうでしょう奇襲をかけたにもかかわらず男はこれをかわしたのでした。

驚いたのはソシウスのほうで、男が弓だけでなく体術においても優れているのが感じ取れました。

「お前やるな」

 斧を構えてソシウスは敵を賞賛しました。

「異様な気配を感じたので飛びよけたが。大男が待ちかまえてたか」

そう言うと男は槍を構えました。

 お互いににらみ合って用意に技を繰り出せません。斧に太陽の光が当たり金属面がギラギラと輝き、一方の槍も赤い房の先の刃の部分が光を反射していました。お互いに冷たく光る金属が動かずにらみ合い、お互いの隙を狙っていました。

 動いたのはソシウスで誘いの一撃を振り下ろすと戦いの火蓋は切られて、旋風にも似た激しい攻撃が繰り返されたのでした。

「こいつできる」

 ソシウスは舌打ちしました。

 同様に男も強敵に出くわしたとこを悟りました。

「大男のくせになんて素早いだ」

 両者決め手を欠いたところでグレーティアが到着し形勢はソシウス側に有利になったように思えたのでしたが、突然男は彼女目がけて駆け寄り猛然と技を放したのでした。

標的の魔法使いに接近戦を挑むのは正解でした。魔法をかけるいとまもなくグレーティアは剣で立ち向かざるを得ませんでした。しかも長いスカートが足に絡んで思うように動けず、かわすのがやっとでした。槍の両端から放される技は長短入り乱れ多彩で息つ間もなく果敢に攻め込まれあっという間に中門が破られたのでした。この後喉元に向かって真っ直ぐ穂先が伸びてくるであろうことは感じました。 刹那、グレーティアは敗北を知ったのでしたが不思議なことに男は素早く身を転じると大きく飛び離れたのでした。優位なのに何故退いたのか男になにが起こったというのでしょうか。彼女は何故仕留めないのか男の真意が分からず佇むばかりでした。僅かに遅く彼女の危機を見て猛然とソシウスが遅れて男に攻撃を仕掛けました。

 しかし両者の実力は伯仲し決着がつきません。そこでグレーティアが魔法の技を掛けようとすると男はソシウスを振り払い森の向こうに逃げていきました。慌てて二人は後を追いかけて行くと男は沼地に足を取られ次第にその身を沈めているところでした。

「俺達が片付けなくてもいいようだな」

 ソシウスは男の慌てる様子を他人事のように見つめました。殺そうとした相手なので当然でしたが、グレーティアは先ほどの戦いで男が取った行動が何故か胸に支えていました。

「お前は何者だ。それにお前に命令したのは誰だ」

 容赦なくソシウスは攻め立てます。

 それを見つめていたグレーティアはソシウスをそっと止めました。どうしたのだろうと見つめていると彼女は沼地に指を添えると凍らせたのでした。そして男の近くまで歩み寄ると男の持っていた槍を掴み氷の上に彼を引き上げようとしたのでした。槍を掴まれ男は我が目を疑うように彼女を見つめたのでしたが優しい眼差しに直に信じて体を預けたのでした。 男は命からがら氷の上にはい上がり、標的だった彼女を見上げると険しい顔をしました。「何故俺を助ける?」

すると彼女は柔和な顔で「貴方はためらったのでは?」と問い返しました。

「違うなそれは」

 そう答えると男は顔を背けるとよろよろと立ち上がり泥で重くなった服を引きずり森の中に消えていきました。

 その去りゆく姿を見つめる彼女にソシウスは詰め寄りました。

「せっかくのチャンスを逃してどうする。彼奴が再び襲わない保証はないんだぜ」

「殺してはいけない気がした」

 彼女は短く語たりました。

「それが理由か。直感を信じろと」

 ソシウスは不満げでした。

「それにあの時優位でありながら何故攻撃を止めたのか知りたい」

「なんだ、それでは奴がお情けで許したというのか。馬鹿馬鹿しいそれは勘違いだ。今度襲ってきたら容赦なく俺が仕留めるからな」

 そう吐き捨てるとプエラが待つ所に戻って行きました。

 彼女は凍り付いた沼地を元に戻すと後を追いかけたのでした。


 プエラは二人が戻ってから押し黙っているので、いつものように陽気に振る舞えませんでした。黙々と歩む道は長く労働を強いられるかのようでした。休んでどこぞかの木陰で体を横たえてのんびりしたい気分でした。

 しかしその様な状態であっても歩みは止まることはありませんでした。丘陵地帯をどんどん何日も北に進み時が経つと次第にわだかまりも解け初め、普段通りの仲に戻っていったのでした。

「今度こそ仕留めてやる」とソシウスは闘志満々で引き分けたことを大変悔しそうにしていました。

 森も退き辺りには草原が広がっていました。丘陵を緩やかに蛇行をしながら延びる道。風に草がさわさわと揺れていました。プエラは草の葉を摘み取ると口に運ぶと草笛を吹きました。虫の羽音にも似た素朴な音色はあたりに広がり陽気な気分をもたらしました。ソシウスも真似をして鳴らそうとしましたが、いっこうに音が出ずプエラに馬鹿にされます。

これに気分を良くしたのかプエラは詩を歌い始めまるで郊外にピクニックにでも行っているかのようでした。プエラはグレーティアにも一緒に歌うことを勧め、やむなく彼女も歌い始めました。二人の合唱が白い花が咲き乱れる草原に響き渡り、野ウサギが何事かと聞き耳を立てていました。

 こうした陽気な気分も終わりを告げました。一行が向かう目の前に一騎の武者を見たからです。草原に馬に乗りこちらを見定めている一人の男。まだ随分遠くでありましたが、以前遭遇した人物に違い有りません。前回は隠れたところから狙っていましたが、今回は姿を現し堂々と勝負を挑むようです。

「現れやがったな。俺が相手だ」

 ソシウスはそう意気込んでみたものの敵が離れすぎて徒歩の自分では相手が近づいてくれなくてはどうしようもないことに気がつきました。グレーティアはプエラから出来るだけ離れると草原の中に一人立ちました。するとそれに合わせるかのように騎馬の男は馬を走り初めさせどんどん近づいてまいりました。あわててソシウスも彼女の横に位置し迎え撃とうとしましたが、騎馬は全速力で迫ったきたものの途中で横に走り始めました。

意外な展開に驚いた二人でしたが、やがて敵の意図を知るのでした。

 騎馬の男は疾走する馬の上から矢をつがえると彼女目がけて放ってきたのでした。雷撃にて矢は粉砕されましたが、立て続けに何条もの矢が飛んでまいります。どうやら敵は彼女を中心として円周上を疾走し離れた距離から仕留めようとしていました。こんなに離れては疾走する馬の上から放された矢があたることは少ないのですが、相手は相当な弓の使い手で確実に狙ってきます。くわえて常に距離をとり高速で移動するために、静止しても威力ある魔法がやっと届く距離でしかも相手は移動するので的を絞ることが出来ないのです。普通に戦っては勝てないと判断した男の選んだ作戦でした。

 飛んでくる矢を砕き、直ぐさま雷撃を放すしますが騎馬の後ろを通過しいっこうに当たりません。ソシウスは男を追っかけて草原を走り回りますが騎馬相手に徒歩の戦いは厳しく容易につかまえることはできず。疲れて肩で息をする始末でした。

 矢は魔法を放ったあと次の魔法を出すまでの空白の時間を狙い初めていました。立て続けに矢が放されて神業的素早さでした。これはこちらが馬の走りの変化を読み切るか、あちらが魔法の切れ目をを捕らえるかの勝負であると彼女は理解しました。

 彼女が覚悟を決めたときこの戦いは突然終わりを告げたのでした。騎馬の男は此方を向かず遠くを見定めると突然走りはじめたのでした。再び危機的状況から取り残された彼女は何事が起こったのか男が走り去った方法を目で追いました。

 草原に響き渡る無数の足音。地面の震動は空気を振るわせ周囲に不気味な音を響かせます。腹の底に響き渡る低音は土煙とともにその存在を暗示させていました。

「あれはケドルスの群じゃないか」

 ソシウスは彼女の所に駆け寄ると同意を求めるように言いました。

 遠くから見ても家畜の群には見えません。のんびり草を食むでいるというより集団でどこぞかに獲物がないか探し回っているといった肉食の飢えを感じさせるものでした。

ケドルスは怪物の一種で本来この地区にはいないものです。ジューヴォーの様な大きさはなく羊ほどの小ささですが牙と爪は鋭く人間などであったら容易に肉を食いちぎります。特徴は集団で行動し辺りを食いつぶすことです。食糧が少ない時期はいきり立っており、戦闘ともなると終わることをを知らず最後の一匹になるまで止むことがないといった、少々厄介な怪物です。

「彼奴がケドルスに向かったのは、あの怪物を俺達にぶっけるつもりだな」

 ソシウスは吐き捨てる様に言いました。

 暫くの間、怪物に向かった騎馬の男の様子を窺っていました。

 男は草原を疾走するとケドルスの群に追いつきました。群は一塊りとなって砂煙を立てながら移動しており、その数200頭。その群めがけて男は矢を放ったのでした。矢はケドルスの額を居抜き音を立てて崩れ落ちます。群から一定間隔をもって馬上から放される矢は次から次に見事に怪物を射止め、雨が降るようでした。

「どうやら、怪物を誘い私たちに向けるつもりではないようです」

「そうか、この先に町があるので、あの群を近づけさせないつもりか」

 少し不愉快そうにソシウスはしかめ面をしました。

 騎馬の男は矢で射抜いているものの、その数はいっこうにも減っているように見えませんでした。それはケドルスの数が多いことが上けられるのでした。

「このままいけば、矢を使い切ってしまいます。私たちも向かいましょう」

「彼奴は敵だぞ。正気か?」

「私たちは怪物ハンターでは?」

 逆に彼女は問い返しました。

「けっ、相棒にそう言われちゃ仕方ない。ケドルス相手に予行練習だ」

 二人は怪物の群めがけ走りました。

 男は確実にケドルスを仕留め、何頭もの怪物を地面に横たわせていましたが弓を放す毎に焦りみたいなものがふつふつと沸き上がってくるのを感じました。矢は次第にその数を減らし、ついに底をつきました。

離れた位置から優位な立場で倒していたのですが、もうそうはいきません。

 弓を収め双頭槍を手に持つと猛然と群に中に飛び込んだのでした。次々に怪物は頭を刺され倒れていきます。しかし彼の乗った馬が襲われ、驚いた馬は彼を振り落とすと怪物のい群から逃げたのでした。男は勢いよく落ちると素早く起きあがり双頭槍を構えました。怪物達の真ん中に取り残され、周囲はケドルスだらけでした。

怪物が一斉に襲いかかると、男は縦横無尽に動き回り槍に双方に付いた刃が八方に煌めき次々に倒しました。一気に周囲に怪物が倒れ無敵の強さを誇っていましたが、それでもまだ150頭も残っており疲労が徐々に男の能力を奪っていました。

 次第に怪物達の攻撃が男を捉える初め、鋭い爪が服を切り裂き咆哮が耳元で響き始めました。

(このままでは殺られてしまう)そう男が思った時でした怪物の囲みが雷鳴ととものうち砕かれました。閃光はケドルスの中を突き抜け20頭のばかりの数が肉片となって辺りに飛び散りました。その閃光から僅かに外れた怪物は全身に焦げ目を作って倒れ、地面に一条の軌跡を残していました。

 飛び散る肉片を浴びて男がその雷撃の元を見ると、魔法使いの娘が此方に迫っているのが分かりました。しかしそれをゆっくり確認するいとまなくケドルスは襲いかかり、その一部は新たな獲物めがけ走り始めました。

 彼女は弓使いの男追いかけてやっと魔法が届くとこまで追いつきました。かろうじて男を救うことが出来ましたが、怪物の群は此方に襲いかかり。地響きはどんどん迫ってまいります。十分ケドルスを引きつけたあと近距離から雷撃をお見舞いすると50頭ほどが一瞬にして消え去り地面を肉片が覆いました。しかし10頭ばかりが横を抜け背後から襲いかかるとこれにはソシウスは立ちはだかり、大斧の空を切る旋風とともにこれを始末したのでした。

 続いて彼女は男の周囲に雷撃を放すと30頭が消え怪物は40頭の小集団になっていました。男の動きは落ちていましたが次々に残りを刺し殺していると、そこにソシウスが到着すると辺りに怪物はずたずたに切り裂かれ、後には二人の男が息を切らして立ってい姿があるだけででした。

男は槍を杖にやっと立っているようで、随分傷を受けていました。しかしソシウスを警戒してか目を放さないでいました。ソシウスも少し身構えいつでも対戦できるようにしていました。

 怪物の危険は去ったものの両者はにらみ合ったまま動こうとはしません。

「ソシウス止めるんだ!」

 男がその声の方向を見ると、娘がこちらに走り寄ってくるのが分かりました。ここでやっと男は警戒を解き大男が襲ってこないことを確認しました。

「いいのか、これで」

 ソシウスは不満そうに渋い顔をしました。

 彼女は手を挙げると彼を押しとどめました。そして男に語りかけたのでした。

「貴方は何故、勝てたであろう戦いを止め怪物を退治に向かったのですか?」

 男は静かに答えました。

「まだお前が世の災いである確信がもてなかった。それに対しケドルスは明確な災だ。それだけの差だ」

 災いと言われて彼女は問い返すことが出来ませんでした。

「礼は言わない」

 そう男は言うと馬が消えた方向に向かって歩み始めました。

 ソシウスはため息をつくと周囲に横たわる群の残骸を見渡しました。

「こんなところに怪物が表れるようになっては野宿も危険だな。もしかしたらもっと怪物の移動が行われていて、こいつらはそのほんの一部にすぎないのかもな。あいつが怪物優先てのもわからんでない」



 なだらかな丘陵の中を流れる川の右岸に町はありました。

緑の屋根に乳白色の壁が広がる町は周囲にピンクの花を咲かせた草地が広がっていたせいか、どことなく暖かい感じの町でした。道は轍の跡がくっくりと残ってでこぼこしてあまり上等の道ではありませんでしたがそれでも主要道でした。その道は斜面を下って町の真ん中に延びていました。田舎町のことでもあるし人々は家の中にいたりや畑に出かけて多くの人を見かけないのではないかと思えたのでしたが、一行が到着したとき町は慌ただしく人が行き交いしていました。町のものが男のみならず女子供までが必死に土嚢を積み上げているのでした。この町には城壁が存在せず。町の周囲にあるものとといえば、家々の庭を囲む塀程度のものでした。それを強化しているようででした。

荷車には土嚢が積まれ人が何人もかかって運んでおり、その先には男達が汗だくになって高く積み上げていました。まるで戦争でも起こりそうな様子でした。

作業の指揮をしていると思われる男が大声で叱咤し、それに逆らうどころか聞こえないかのようにどんどん作業を進めており真剣でした。

 普段であればよそ者の旅人には興味津々に様子を見るはずであろう人々はだれも興味も示すことなく、それどころかいないかのように脇を駆け抜けていきます。町の周囲は人でごったがえしの状態でしたが中心部にいくと逆に人の姿はなく閑散としていました。

道の脇で煙管を吹かした老人を見かけたので彼女らは語りかけました。

「ほう、お前さん達は旅人のようだの。えらいところにやって来たものだ」

 老人は愉快そうに頬をひくひくさせました。

「町の周囲を補強しているようですが。なにか起こったのですか」

「まあ、嬢ちゃんたちは知らないだろうが。ケドルスて怪物がこの町めがけてやってきているじゃよ。分かるかな羊みたいな大きさの凶暴なやつだ」

 名前を聞いて一同は顔を見合わせます。どうやら怪物はあれだけではなかったようです。

前に遭遇したときに嫌な予感はあったのですが、再びあの騒ぎの真ん中にいることになるとはあきれるばかりです。かといって怪物が出る場所で野宿というわけにもいかず、やはり多少なりとも障壁がある町中に居た方が安全なような気がしました。

「おまえさんはこの娘達の護衛かい。若い娘二人も連れて大変なことだ。この奥まったところに宿屋がある。あそこなら怪物に遭まなくても済むかもしれん」

そう言うと老人は満足そうに吹くと、煙管から灰をを落としました。

 教えられたまま今夜の宿を探しに町の中を歩んでいたところ、確かに奥まったところに宿屋を発見しました。この宿屋なら騒ぎからの逃れることが出来そうです。宿を借りて暫くくつろいでいると宿の主人が訪問者を報せにきました。このような所で誰が訪ねてくののか思いも寄らぬことに、興味が湧いてロビーにいってみるとそこにいたのは命を狙ったあの男でした。

 ソシウスは素早く移動すると拳を上げて身構えました。男はそれを無視するかのように暫く眺めたあと、気楽に近づいてきたのでした。

「貴様、なんのつもりだ」

 ソシウスは警戒を解きません。

 男はソシウスを一瞥すると立ち止まりグレーティアの方を向きました。

「力を貸して欲しい」

 命を狙った男から、思いもよらぬ要請でした。一同が驚き怪しんでいると男は語り初めました。

「三千頭のケドルスがこちらに向かっている。何故突如怪物が出現したのかは不明だが、確実にこの町に被害をもたらすだろう。この地域は怪物とは無縁で魔法使いがおらず、今から救援を求めても間に合わない。そこで俺はお前なら使えると判断したわけだ」

「二度も命を狙って、何事も無かったかのように協力しろだと」

 ソシウスが声をあらげました。

「このままでは、この町が戦場となる。当然住人は怪物と戦うことになるし死傷者がでるだろう。しかし魔法使いがいれば郊外で迎え撃つ事が出来る」

 男が言っていることは嘘ではありませんでした。それはこの町の喧噪が証明しています。しかし待ち伏せをして命を狙った男が一転、町を救おうとしていることには違和感を抱きましたが、先の戦いの最中に勝負を投げ出し単身怪物退治に向かったことから町を守ろうという志を持った人物であることがよく分かっていました。この人物ははたして何者であろうかと思い巡らしました。

「分かりました協力致しましょう」

 グレーティアは返事をしました。

「まてよ、そんな派手なことをしては逃亡にならんだろう」

 慌ててソシウスが制します。

「その追っ手が目の前にいるのだけど」

「それもそうだが」

 そこでソシウスは男に問いました。

「俺達は怪物ハンターだ報酬はあるんだろうな」

 男は暫くの沈黙のあとに答えました。

「報酬は命でどうだ」

「どういう意味だ」

「俺はお前達に手を出さないという報酬だ」

 意外な申し出にどう対応して良いのか迷ったソシウスは少々詰まってしまいました。

「いいだろう。約束は破るな」

「これから町から北に進んだ平原に陣を敷く、お前が女魔法使いであると分かると不味いからこの法衣を上に着てついてきてくれ」

 そう言うと包みを地面に放り投げました。

 中には上から全てを覆い隠すような灰色の法衣が入っていました。

男はきびすを返すと店から出て行き、馬に乗り彼等を待ちました。

「 それじゃ、商売道具の斧でもかかえてくるとしよう」

 ソシウスは部屋に戻り獲物を背中に担ぐと宿屋から飛び出してきました。グレーティアは法衣を上から纏うと剣を背中に掛け出て行きました。プエラも遅れてはと慌てて後を追いかけようとしたのですが彼女に止められてしまいました。

「なんで、どうしてなの?」

 不満が爆発しそうにプエラはほっぺを脹らませました。

「危ないから」

「怪物倒しているところ見たい」

 プエラはだだをこねます。

「物見遊山でないのだから」

 彼女は困ってしまうとソシウスが助け舟をよこしました。

「これはだなあ。男の戦いでやつだ。女の子はここで待ってな」

「だったらこの女の子が行くてどういうことよ。不公平だわ」

 ああ言えばこう言うでソシウスもすごすごと退散すると、彼女は拝むようにいいました。

「どうかここで待ってて。プエラがなにかあったら心配だから」

 プエラはぶつぶつ呟きながら二人を見送り背後から声を浴びせました。

「私はここでやけ食いしてるから。なーんもあげなから」

 恨みの言葉が背後から二人に投げかけられました。

 二人は怪物より此方の方が手におえないと思いました。


 こんな調子で書いていたらアデベニオという天竺行きの物語と勘違いされそうです。

目的地に到着してからいろんな事が起こるはずなのですが。

 ところで童話童話と主張しながら残酷シーンがあるのは変と思われる方の為に。

「舌切り雀」では雀の舌を見たら糊がついていたので舌を切って放した。

「花咲か爺」では欲張り爺さん怒って犬を殺して埋めて柳の枝をさした。

「猿蟹合戦」では猿は屋根から落ちた臼につぶされて死んだ。

「シンデレラ」お姉さんは目を潰されたり足を切られるなど災難。

「ピーターパン」成長した子供はピーターパンが殺します。

「ヘンゼルとグレーテル」親に捨てられ、魔女を焼き殺す。

子供のためという話がこんな具合なのでこの小説が童話から外れているとは思いません。

次回は動物の愛護および管理に関する法律に反するお話です。

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