神々(?)の遊び
更新遅れました。すいません。
「よっ!」
「のぅわっ!?」
いつの間にか僕は、またあの黒い空間に居た。
そして、姿は見えないけど前に会った、男の声がした。
更には、少し自分が強くなったのか(何もしてないけど)どうかは知らないけど、
なんとなく男の輪郭がボヤーっと見えているような気がする。
「あれ? 僕、また死んだんですか? やっぱり夢遊病で知らず知らずのうちに……」
「なわけないだろ」
ありゃりゃ。勘違い。
男は多少怒気の含んだ声音ですぐさま否定。
「じゃぁ、なんなんですか? なんで、僕がここにいて、貴方がここにいるんです?」
「まぁまぁ、そういうなって! 俺とお前の中だろ?」
「……まだ、出会ってから数時間も経ってないですけど?」
もうちょっと、時間が経ってからにしてほしいよな。
こっちは、いきなりこんな世界に飛ばされて戸惑ってんだから。
まだまだ、知らない事だってあるし、何よりも僕はこの世界で何をするかが問題なんだ。
昼寝ばっかしてるわけにもいかんし。
餓死は相当苦しみそうだから絶対に嫌だ。その為には、まぁ仕事しなきゃだなぁ
「まぁまぁ、それはともかくだ! 俺とゲームをしないか?」
ゲーム?
この人本当に地獄の人なの? てか、あの時は時間無いとか言ってたくせに。
ブツブツと心の中で文句を言う。
そして、気づいたときにはもう遅かった。
「お前の心の声は全部聞こえてるからな?」
「あっ」
……すっかり忘れてました。地獄、恐るべし。
「それで、ゲームって何ですか?」
ゲーム。
地獄の人がやるゲームってなんだろう?
もしかして、針山にどっちのほうがたくさん人を刺せるかとか?
血の池地獄をどっちが速く泳げるかとか?
うぇ、想像しただけで嫌になる。こんな想像をした自分を猛烈に非難。
「もちろんお前が想像しているようなそんな残酷なものではないぞ? そんなのはもう慣れ……」
「いや、慣れるなし」
さりげなく危ない台詞言ったよこの人。
僕、殺されないか心配だよ。
「ルールは簡単。今から5色の光がランダムで何回か点滅する。点滅した順番にその色を言っていき、一番速く言えた方が勝ち。どうだ? 簡単だろう?」
確かに簡単。
でも、何故僕がこんな人の相手をしなきゃならないのかが分からん。
まぁ、今更いいけど。
「分かりました。じゃぁ、何か賭けましょうよ」
「賭け? おぉ、いいねぇ! で、何を賭けるんだ?」
「じゃぁ、僕が負けたら命あげます」
「それ、お前にとってプラスじゃねぇか。まぁ、いいや。じゃぁ、俺はお前の願いを1つ叶えてやろう。ただし、死ぬ以外でな」
チッ。
と、心の中で舌打ち。
「まぁまぁ、せっかく生き返ったんだからもうちょっと頑張れよ。もしかしたら、あそこの世界でコレと出会えるかもしれないぜ」
そういって男は励ます。コレって言われても何も見えないんですけど。
まぁ、大体言おうとしていることは分かる。僕だって健全な男子だからね。変な性癖はありません。
MでもSでもない。N
ノーマル
ですから。
「じゃぁ、僕が勝ったら幸せを下さい」
「幸せ?」
そう。幸せ。だって僕、今まで一度も幸せを感じたことがないもの。
僕の過去には何時だって、不幸が渦巻いてた。
『助けて』いくら、そういっても誰も何もしてくれない。
これが、僕が生きた中での答え。もちろん、間違っているかもしれないけれど。
「ふぅーん。まぁ、俺が思う、幸せをお前にやってやるよ」
「恩にきる。じゃぁ、早速やりましょう」
そうして、僕達はゲームを始めるのだった…………