ふっかーつ
更新頻度が速い変わりに短いです。
そう、例えるなら今まで血液が無くて枯れていた体に急に血液が入り込むような感じ。
そんな感じで僕の脳は復活した。
でも、目の前は真っ暗。あ、まぁ眼を閉じているんだから当たり前だけど。
眼を開けたらどうなるんだろうか?
視界一面にお花畑の楽園?
それとも、火が燃え盛っていたりする地獄?
いや、戦争の真っ只中なんてこともあるかも。
まぁ、2番目の選択肢はありえないけど。
さっきまで地獄に居たのにまた地獄ってどういうミスですかと。
んー、聴覚はどうだろう?
ピーーーと、機会音みたいな耳鳴りがする。
余計な雑念を捨てて耳に全神経を集中させる。
耳鳴りはするけど、特に音は聞こえなかった。あ、でも少し耳鳴りの微かな間に何か音が聞こえたような気がする。
もう少し、このままにしてみる。
「ピ……ピピ…………クゥクゥ………………」
今度は本当に聞こえる。
だが、甲高い音なので、人間の声じゃないことは確か。
とすると、残された可能性は二つしかない。
何か他の生き物の声。
もしくは、僕の幻聴。
後者だと色々と危ないので前者になるようにお願いします。
さて、まぁいかつい男たちの怒声や罵声は無いので戦争中ではないですね。
ではでは、ある程度状況が掴めた所で開眼しますか。
心の中で平和の世界であるようにと願いつつ。
瞼をゆっくりと開いていく。
ぼんやりとした視界の中に、何かの像が見える。
そして、その像は次第にハッキリとしていった。
「うわぁ!?」
「ヒッ!?」
突然視界に現れた物に驚いて大の字で寝ていたらしい僕は咄嗟にゴロゴロと転がって間合いを取る。
……関節が痛い。
一体どれ程の間こうしていればこうなるんだか。
まぁ、そこまで考えて改めて目の前の物を確認する。
なんか、人っぽい。
ちゃんと、2本足2本手に胴体一つと頭が一つ。
パーツが揃っているので人とみなす。
で、簡単にその人を説明すると、少女。
もうちょっと詳しく説明すると、ショートの髪にくりくりとした碧眼。中々、というか、かなり整った顔立ちをしている。
うーん、背丈は座ってるから良く分からないけど僕(自称173cm)よりも頭一つ分低いぐらいかな?
全体的に幼い感じを醸し出しているので、年齢は僕より低い15,6とみた。
よって少女判定。何を基準で女性に昇格するかはご想像にお任せする。
僕が突然起き上がったことに相当驚いたのか少女はまだあたふたしている。
まぁ暫く僕が見守っていると急に赤面して、ぺたっと女の子特有の座り方になって落ち着いたらしい。
「あのぉ……」
と、声をかけてみる。
少女は警戒しているのかピクッと反応して僕をまじまじと見つめてから少々どもり気味に聞き返してくる。
「あ、な、なんでしょ、うきゃ?」
相当緊張しているのか言葉もあやふや。
うきゃ?って何だよ、うきゃって。
とまぁ疑問に思いつつも親切な人風に質問してみる。
「えーと、此処は何処ですか?」
「何処ですかって……エルフィン村の近くの森ですけど…………」
森というキーワードで周囲を見回す。
確かに、木があるけど、森というか雑木林だな……
で、僕が聞いたのは恐らく鳥だろうな。
この少女が発声してたらある意味珍百景。
で、何だっけ?
あぁ、そうそう、此処がどこかを聞いたんだっけ。
エルフィン村の近くっていわれてもエルフィン村が何処にあるか知らないしなぁ。
名前的に僕が住んでた世界じゃなさそうだし。
まぁ、とにもかくにもまずはこの世界の事を知る事が第一かな。