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終末の七勇者(改)  作者: ヤミ
三章 《王の茶会》
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第四十九話 《終末の七勇者》集結

皆さんこんにちは。

ヤミです。

本日から第三章が始まりました。

星影たちの当初の目標であったシエルの奪還、そしてオリジンの討伐を成した今、新たに現れた魔王マーリン、釈迦、《世界政府》という存在が星影たちを待ち受ける。

ここから世界を救うための大きな戦いが幕を開ける、その最初の一歩になります。

是非お楽しみください。

 星影達はオベイロンに連れられユートピアに来ていた。


「まさかこんなところに国があったなんて知りもしなかった。」


 ダルヴィッシュが驚いているとオベイロンは


「ここを知っているのは初代の七勇者だけですから。彼らがここに結界を張って妖精の森と呼ばれていた地を世界から消したように思わせていたのです。」


「なるほど。結界によって生物の五感に触れないようになっているのか。」


 アルケインが歩きながら感心していると


「着きましたよ。ここが私が別荘にしているところです。」


「ずいぶんと豪華なところに住んでるじゃねぇかよ。」


 アランが隅から隅まで見渡していると


「まるで田舎者だな。」


 と後ろからルベルが鼻で笑う。


「テメェ、何笑ってんだゴラァ!」


「フッ、気にするな。」


「癪に障るやつだぜ。こいつの口に石ころ詰めまくってやりてぇ。」


「では私はフロンティアの国民と兵をここより奥にある集落へ連れていきます。大王様もご同行頂いてもよろしいですか。」


「ああ、わかった。」


 オベイロンとエーデル大王は別荘を後にしフロンティアの国民と兵と共に奥の集落へ向かっていった。


「エーデルの皆よ!」


 奥の集落へ着いたオベイロンと大王。大王は国民へ声を大にして呼び掛ける。その声に国民達が振り返る。


「私はオベイロンと共にフロンティアへ行ってきた!そこはオリジン、魔王、《原初の悪魔》達によって破壊の限りを尽くされ、国王までもが殺害される事態となった!しかし、ルーサー王は国民皆を守りきった!ここにいる者はフロンティアの国民と兵士達だ!王を失った今、彼らはどうすれば良いか分からずに暗闇の中を彷徨っている!私は彼らを見捨てるという選択肢は持ち合わせていない!だから私はフロンティアの国民と兵士すべてを我が国へ向かへ入れようと思う!異論がある者は私の前へ出て来い!」


 エーデル大王はそう言うとフロンティアの国民達は涙を流し、エーデルの国民達は大王と同じく見捨てるなどとは端から思っていなかった。彼らはフロンティアの国民達を優しく迎え入れた。そしてルーサーとオベイロンは皆と時を共に過ごすことにした。その頃、別荘では


「悠都が目を覚ましたぞ!」


「リーダー!良かった!リーダー!」


 神木達は二人の目覚めを心から喜び声を上げて泣いていた。


「良かった…。ね、星影…。」


「ああ。本当に良かった…。」


 茜の声に星影は涙を流していた。ルベルはそんな星影の頭に手を置き


「これもお前のお陰だな。」


 と言って頭をポンポンと撫でた。星影はルベルへ視線を向け


「いや、これはルベルのお陰だ。あの時、俺を救ってくれたから…。」


「フッ。お前も悠都の所へ行ってやれ。」


 ルベルはそう言い星影は悠都の元へ向かった。少し離れた所からルベルは少し微笑んで星影達を見ていた。


「いつもは冷酷そうな表情の吸血鬼様がずいぶんと幸せそうな顔してやがるな。」


「ああ。」


 アランの声にルベルは素直に相槌だけを返した。


「良かったな。仲間が無事で。」


「ああ。良かった。」


 ルベルはいつまでも彼らを見守っていた。そこへゴリラが歩いてくる。


「ルベル…。」


「ゴリラ…か。もう動いていいのか?」


 ルベルの問いに


「…あぁ。少しはな。」


「嘘吐くな。辛そうだぞ。」


 アランがすかさずつっこむ。


「おい!ナグリトバシ!」


 ルベルの声にナグリトバシは病室から慌てて出てくる。


「ど!どうしたルベル?!敵か?!」


「ゴリラが動かないよう見張っとけ。」


「なんだそんなことか!任せておけ!」


 と敬礼してゴリラを担ぐ。


「お!おい!離せ!俺は大丈夫だ!」


「強がるなよ。暁彦がいたらお前を存分に叱ってくれただろうに。」


「クソ!」


 そしてゴリラはナグリトバシに連れられ病室に戻された。


「騒がしいな。」


「この位が楽しくていい。」


 アランにルベルは口角を上げて言う。


「その通りですね。騒がしいくらいが丁度いい。」


 ダルヴィッシュはそう言ってルベル達の側へ寄る。


「アルケインはどうした?」


 アランの疑問に


「彼はアリス殿とヤミ殿、セン殿、マサ殿の看病を妹のエミリア殿としています。」


「そうか。まだ良くならねぇのか?」


「…ヤミ殿とセン殿、マサ殿は目を覚ましているのですが、アリス殿は一向に目を覚まさないままです。」


「早く良くなるといいがな。なぁ、ルベル。」


「そうだな。」


「てかゴリラのあの傷はオベイロンの治癒魔法でも治らねぇってのはどういうことなんだ?」


 アランがルベルに聞くとルベルは


「あいつはオリジンの力を擬似的に再現した《石》を摂取していた。擬似的に作られたとしても、オリジンの血に耐性のない奴が長年の間体にそれを宿してたんだ。反動はあるだろう。」


「はぁ。なるほどな。」


 するとそこへ一人の女性が歩み寄ってくる。


「ダルヴィッシュだな。すまない。私はメルダインを救えなかった。」


「…。仕方ありません。相手が強すぎただけですから。謝らないで下さい…。」


「ありがとう…。そういえば名乗ってなかったな…。私はルシファー。ダルヴィッシュ、お前の姉だ。」


 それを聞いた瞬間にダルヴィッシュはもちろん、ルベルとアランは驚愕のあまりに思考が停止していた。


「ルシファー殿…今何と?」


「私はお前の姉だ。」


「姉…上?いや、私は捨てられた子で兄弟や親がいたことなど記憶にないのですが…。」


「私達の親はオリジンとマーリンだ。」


 ここまで来るとアランでさえ言葉が見つからないようで目でルベルへ何かを訴える。ルベルは少し考え込んでから


「それなら星影も一応義母兄弟になるのか?あいつはオリジンの血が強い《石》を祖父から受け継いで宿してるからな。」


 その言葉に今度はアラン、ダルヴィッシュ、ルシファーが黙り込む。しばらくしてから


「つまり私達は四兄弟になるのか…。」


「あ、あの…姉上…。もう一人の兄弟とは誰のことなのですか?」


 ダルヴィッシュがぎこちなくルシファーに聞く。


「それは今目を覚ましたというシエルという少女だ。」


「マジか…。」


 今度はルベルが黙り込む。しばらくしてからそこへ星影、ヤミ、シエルが集まってくる。


「シエル。動いて大丈夫なのか?」


 ルベルの問いにヤミに支えられているシエルは


「少し体が怠いけどもう大丈夫…。」


「そうか。」


 シエルの前にルシファーとダルヴィッシュがゆっくりと近付いてくる。


「えっと…お兄ちゃん…お姉ちゃん…?」


 シエルが少し照れたように頬を赤らめながら上目遣いでそれを口にするとルシファーとダルヴィッシュは後方に吹き飛んでいく。


「姉…上…。」


「あぁ…間違いない…。」


 二人は吐血しながらシエルを見る。


「この可愛さ。間違いなく私達の妹だ。」


「私もそう思いました。間違いありませんね。」


「何なん?この兄弟。」


 アランは呆れたようにダルヴィッシュとルシファーを見下ろす。


「まあ茶番はこの辺りにしておけ。」


 ルベルの声にルシファーとダルヴィッシュがギロッと睨み


「何が茶番だ?」


「失礼ですが私がふざけてるように見えましたか?ルベル殿!」


「こいつら…。」


 ルベルはアランと同じく呆れた目で二人を見下ろす。


「まあそんなことより、ここに初めて七勇者が全員揃ったんだ。俺達は今後の事を考えなくてはならない。いつ奴らがここへ攻めてくるかも分からない。下手したらもうこの場所を特定してるかもしれない。」


 そんなことよりという言葉にルシファーとダルヴィッシュが反応した気がしたがそれを無視してルベルは言葉を続けた。それに対してアランは


「でもここは結界だかで外界からは見えないんだよな?それなら問題ないだろ?」


「そうだな。それで片付く相手なら俺達は戦わずにここにいれば安泰だ。だが、奴らには《世界政府》が付いている。」


「確かに…。《世界政府》の男にオリジンの力を一瞬で破られた。多分ここもすぐに特定されるかもしれない。」


 そう星影は口にした。


「待て…。オリジンの力って言ったのか?」


 ルシファーが目を見開いて星影を見る。


「え…?あぁ言ったよ…。」


 星影は少し目を泳がせながらルシファーの方に体だけは向く。


「それはどういう事だ?」


 アランもそこに加わり問い詰めてくる。


「いや…なんて言えばいいのか分からないんだけど…。うーん。」


 星影は腕を組み何かを考えるようにしている。そこへノワールが近付いてきて


「私の方から説明しましょう。主はオリジンの魂には攻撃せずに肉体だけ滅ぼしました。それにより肉体を持たないオリジンの魂は魂の世界を彷徨うことになります。そこで初代のパーシヴァル様がオリジンの魂に触れ彼の真意を引き出しました。オリジンはこの世界を救う勇者に憧れていた。彼はようやく《堕天使》と魔王から解放され自分の意思で世界を救うと決心しました。しかし肉体のないオリジンは新たな肉体が生まれるまでは魂の世界。つまりは主の中に生き続けます。」


「そういうこと。」


 ノワールの説明に最後星影がわかりきった顔して言う。


「お前、分かってなかったろ?」


 ルベルが星影の隣に立ち肩に手を置くとプレッシャーをかけるようにだんだんと手に力を入れていく。


「…すいません。」


 潔く星影は謝罪する。


「まあ分かった。」


 ルシファーはよくわからなそうに、でも納得したように言う。


「でも一人だけ異次元だな。オリジンの力を使えるなんて。」


 アランの言葉に星影は照れる。


「褒めてねぇよ?」


「え?」


「お前ら茶番好き過ぎだろ。」


 ルベルは星影とアランにルシファーとダルヴィッシュへ向けた目と同じものを向ける。


「立ち話もキツイだろ。」


 ルベルはシエルへ言う。


「…まぁ。でもみんなが話してるなら…。」


「気にするな。お前はベッドに戻ってろ。さすがに病室で話してると他のやつにも迷惑だろうからな。話がまとまったらお前にも伝えに行く。」


「うん。分かった。ありがとう。」


「ヤミ、連れてやってくれ。」


「了解。」


 ヤミはシエルを支えながら病室へ戻った。


「で、今後の方針を決めるぞ。」


 ルベルの声と同時に玄関の扉が勢い良く開く。全員がそちらへ視線を向けるとそこにはオベイロンが息を荒らげ星影達を見ていた。

皆さん、いかがだったでしょうか。

第三章の始まりは今まで戦ってばかりだった日常とはかけ離れた平和なものでしたが、オベイロンの報告がその平穏を乱す大きな凶兆になって星影たちに舞い降ります。

一体、この先に待ち受けるものとは何なのか。


次回第五十話 招待状

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