第二十五話 激戦〜その参〜
皆さんこんにちは。
ヤミです。
本日は第二十五話を投稿させていただきました。
ついにオリジンとの決戦が始り、星影たちの旅も終わりを迎えようとしていた。
《暁》はオリジンを倒しシエルを救い出すことができるのか。
是非お楽しみください。
「オラァ!」
「ウリャァ!」
センとマサが同時にワールドへ攻撃を仕掛けるが、ワールドには攻撃が一切当たる気配がない。それよりも、ワールドの瞬間移動のような一瞬の動きに着いていくことすら出来ない。
「速すぎるだろ。」
センが苦言を漏らすと
「これが速いと思っているのか?」
ワールドは一瞬にしてセンとマサの背後に移動し二人の首を手刀で叩く。一撃で二人は意識を失って倒れる。
「これで邪魔が居なくなった。任務を続行する。」
ワールドはそれだけ言うと地下空間の奥の方へ移動していく。
───
「ふっ!」
オリジンは地面から血液で出来た触手をいくつも生み出し星影達へ攻撃を仕掛ける。ルベルはそれを爪で切り裂き、オリジンとの間合いを詰めていく。星影も影で自分の分身を作り出し、オリジンの背後を狙う。ルベルが捌ききれない触手はアリスの符術で燃やす。
「っ!」
ルベルはオリジンに最大限近づくと顔面を膝で蹴り上げる。しかし
「その程度か?」
オリジンの顔面は陸の様に硬く変化していて攻撃を通さなかった。
「なるほどな。お前の能力は《プレデター》幹部や最高幹部が使える能力を全て使うことが出来る上に、そいつらよりも精度の高い能力として扱うことが出来るのか。」
陸と戦ったルベルだからこそ、硬さの違いが分かった。オリジンはルベルの発言に
「その通りだ。私は《プレデター》の原点であるため全ての能力を使うことが出来る。それも彼らとは比にならない精度のな。」
「そんなの卑怯だろ。」
星影がそう言うとオリジンは
「いやそうでもない。全て使えると言ったが、私は《影》と《氷》の能力を使うことが出来ない。お前達に宿したからな。」
「星影達を取り込む理由は能力の回収か?」
ルベルが鋭い視線を向ける。
「それもあるが、能力の覚醒を待っていたんだ。《影》の能力はまだ覚醒してないんだ。だから人に宿し覚醒をさせようとした。そして今《影》の能力は覚醒に至った。人格を得てな。つまり奪い時と言うわけなのだよ。」
オリジンは地面から剣山を突き出す。星影達はそれをかわすがオリジンの背中から生えた触手の攻撃にルベルが貫かれる。
「ぐはっ!」
「ルベル!オリジン!」
星影の体を足元から出現した影が覆おうとすると
「止めろ!」
ルベルが吐血しながら叫ぶ。ルベルは触手を爪で切断すると星影の側へとよろよろと歩み寄り
「お前の、血をよこせ。お前にまだその力を使わせるわけにはいかない。」
「でも、それじゃあルベルが!」
「黙れ!その力を使ったら相手の思う壺だ。暴走して捕らえられたら終わりだぞ!」
「それは…。」
「血をよこせ!」
「…分かった。」
ルベルは星影の首筋へ顔を近付けると牙を突き刺し、血を吸う。するとルベルの牙がいつもより尖り、爪も鋭くなる。そして瞳の色は金色に輝き、背中からは黒色の翼が生えている。
「人の血で力を引き出したか。だがその程度では私に勝てんさ。」
ルベルはオリジンの言葉を無視して一瞬のうちにオリジンの間合いまで入る。
「早いな。」
ルベルは血液を凝縮して固めると、グローブの様に拳に纏わせ、オリジンの顔面を殴り飛ばす。オリジンは顔を硬質化させるが少しダメージを受ける程の威力であった。
「ほう。なかなかにいい拳だ。」
オリジンはいくつもの触手を硬質化させると一斉に攻撃を仕掛ける。ルベルは黒い翼をはためかせ空へと舞い触手をかわし、上空から血液を凝縮させ作り出した槍を雨のように降らす。オリジンは全身を硬質化させるがかすり傷がいくつもつく。そしてルベルが空から勢いよく舞い降りオリジンを攻撃しようとしたその時
「くっ!」
ルベルの首と腹部が切断される。ルベルは真っ赤な血を滝のように流しながら地に落ちる。
「ルベルゥ!!」
星影が叫ぶと
「オリジン様、遅くなりました。」
「エデンか。邪魔が消えて助かった。良くやった。」
「ありがたきお言葉。」
「お前は、ヤス達が足止めしてたはずじゃ?」
「ああ、彼らは私が全員始末しましたよ。」
「っ!よくも、よくもぉ!」
「星影!落ち着いて!」
アリスが声を掛けるがその時には星影の体は影に呑まれていた。
「ブチ殺シテヤル!」
「おぉ!素晴らしい!まさかここまで力を引き出すことが出来るとは!」
「死ネェ!」
「エデン、影塚星影を捕らえろ。」
「了解しました。」
エデンはすぐに星影へ向かい拳を振るい空間を無視して星影に攻撃をしてくる。どれだけエデンから離れても攻撃が当たってしまう。星影は影の中へと潜り、エデンの足元から攻撃を仕掛けるが、全て避けられてしまう。
「クソォ!当タレェ!」
次から次へとパンチや蹴りが繰り出される。
「星影!落ち着いて!我を忘れないで!星影!影に呑まれないで!」
アリスは必死に精神に向かって叫ぶが星影には何も聞こえてこない。星影はただ黒く深い闇に呑まれるように堕ちていくだけだった。
「アリ、ス。」
ルベルは掠れた声でアリスに声を掛ける。
「ルベル!大丈夫なの?」
「大丈夫ではないが、符術で傷を癒してくれ。」
「分かった。」
「符術、治癒。」
吸血鬼の再生能力とアリスの治癒により回復が早まり、ルベルの体は元通りになる。
「助かった。感謝する。」
ルベルはすぐに星影の元へと駆け付け
「星影!自我を保て!」
「邪魔ダ!」
「どけ!吸血鬼!」
エデンは剣を抜くとルベルを斬る。
「ぐっ!」
続けて星影にも攻撃をする。そこへクラウス達が駆け付けエデンの攻撃を受け止める。
「ルベル!どういう状況だ!」
「星影は影に呑まれて何を言っても聞かない。それでヤス達を殺したエデンが割って入ってきた。」
「ルベル!そのひどい怪我はどうしたの!大丈夫なの!」
スティカがルベルの元へ駆け寄る。
「問題ない。それより星影を止めないと取り返しのつかないことになる。オリジンの目的は星影とシエルを取り込み完全体になることだ。今、見境のない星影を戦わせ続けるのは相手の思う壺だ。」
「分かった。」
クラウスと神木、ゴリラはすぐにエデンに向かって駆け寄りクラウスは短剣、神木とゴリラは刀で攻撃を仕掛ける。だがそれは全てかわされる。
「テメェだな!ヤス達を殺ったのは!」
ゴリラがそう聞くとエデンは淡々と答えた。
「そうだ。私が彼らを殺した。」
「死ね!」
ゴリラは連続でエデンに攻撃を仕掛ける。しかし、エデンは未来を予知し全ての攻撃をかわす。
「私はあなた達の相手をしてる暇は無いのですよ。」
エデンは剣を振り空間を無視してゴリラ達に攻撃を仕掛ける。全員それぞれの武器で攻撃を防ぐが、弾き飛ばされる。ゴリラはすぐに攻撃態勢をとるがもう目の前にはエデンの姿はなく、オリジンの隣に元の姿に戻った星影を抱えて立っていた。
「ワールド、準備は出来てるか?」
オリジンがワールドに聞くと
「もちろんです。いつでも行けます。」
「では帰るぞ。私達の世界へ。」
「待ちやがれ!何を言ってやがる!」
ゴリラ達が走って止めようとするが
「お前達には関係ない。去らばだ。《暁》よ。ワールド、やれ。」
「はい。」
ワールドは両腕を大きく広げると
「アナザー・ザ・ワールド!」
と叫んだ。突如、目の前が眩い輝きに包まれる。それは一瞬の出来事だった。
第一章 天地大戦 完
皆さん、いかがだったでしょうか。
ここまで見てくれた皆さん、本当にありがとうございます。
これで第一章による《暁》と《プレデター》の戦いは幕を閉じますが、今後も《暁》は世界を守るため、そして、仲間を救い出すために戦い続けます。
未熟な文章ではありますが、これからもこの物語を紡ぎ続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは第二章にてまたお会いしましょう。




