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終末の七勇者(改)  作者: ヤミ
一章 天地大戦
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第十九話 陽と陰

皆さんこんにちは。

ヤミです。

本日は第十九話を投稿させていただきました。

参を倒した《暁》は意識を失った星影をアリス、ナグリトバシ、クラウスで見守り、ルベル達は先へと進むことになる。

是非お楽しみください。

 参討伐後も意識の戻らない星影を看ているアリスの元へ悠都が寄る。


「星影は?」


「息はあるけど意識が戻らないの!」


「そっか…。」


「おい、お前ら。」


 ルベルがこの場にいる全員に声を掛ける。


「星影が心配なのは分かるが、ここは敵のアジトだ。いつまでも星影が目を覚ますのを待ってはいられない。アリスとあと二人位ここに残れ。あとの全員で先に進むぞ。」


「なら俺はここに残ろう。」


 片腕を失くしたナグリトバシはそういうと星影の側に寄る。


「俺も残る。」


 とクラウスはナグリトバシの隣に立つ。


「決まりだな。ゴリラ、俺達は先へ進む。問題ないな?」


「ああ、問題ない。」


「それじゃあ、行くぞ。」


 星影、アリス、クラウス、ナグリトバシ以外の皆はこの先、オリジンのいる場所を目指し進んでいった。


「ゴリラ、あの星影の能力。」


「ああ、暁彦と同じだ。別人の様に変わっちまうやつだな。」


 ゴリラとルベルはぼそぼそとそんな話をしていた。しばらくして目の前に襖が現れた。


「アメリカに襖かよ。」


「日本をリスペクトしてんのかな?」


「そんなわけあるかよ。」


 悠都と神木はそんな会話をする。


「お前ら、行くぞ。」


 ゴリラがそう言うと、皆は頷く。そして、ゴリラが襖を開くと、そこは真っ暗闇が広がっていた。


「これじゃ、何も見えないな。」


 トーマスはそう言う。


「ルベル何か見えるか?」


 ゴリラがルベルに聞いたその時


「伏せろ!!」


 ルベルが大声を出す。直後、とてつもない光が一面を包み込む。


「大丈夫か!お前ら!」


 ゴリラが全員に聞くと


「ゴリラ!悠都が!」


 茜が大声で叫ぶ。ゴリラは振り返り、下を見る。そこには、横腹を抉られ、血を流し悠都が倒れていた。


「悠都!おい!聞こえるか!おい!」


「もう死んだでしょ?」


 暗闇の中から声がし、全員は襖の向こう側へ目を向ける。奥から二人の男が歩いてくる。


「テメェらは?」


「僕は弐。」


「俺は壱だ。そいつは俺が殺した。」


「死ねぇ!!」


 ゴリラは壱の顔面を殴る。いや、殴ったはずだった。だがそこには壱の姿はなく、ゴリラの真後ろにあった。


「ゴリラ!後ろだ!」


 ルベルが叫び、すぐにゴリラの側に駆け寄ろうとするが、壱の体が光輝きゴリラもルベルも吹き飛ぶ。ゴリラはピクリとも動かずに血を流し、ルベルは右腕が肘から下が千切れていた。


「死神ちゃん!鬼ちゃん!やっちゃって!」


 ヤミちゃんは二体の式神を呼び出し攻撃を仕掛ける。ゴリラ族の皆も攻撃を仕掛ける。だがそこに弐が立ちはだかり


「呑まれろ。」


 闇が弐の足元から広がり皆を呑み込んでいく。


「セン!マサ!」


 トーマスが叫び駆け寄ろうとするが、リリィがトーマスの腕を掴みそれを止める。


「何するんだ!リリィ!」


「今行ったって闇に呑まれるだけよ!怒りに身を任せないで!」


「…悪い。」


「次は君たちだ。」


「逃がしはしないぜ。」


「逃げるつもりなんて端から無いわ!」


 リリィはバスターソードを構え、トーマスもその横で攻撃態勢に入る。その後ろでスティカはスナイパーライフルで狙いを定め、神木は刀を抜刀する。茜も銃を両手に握り銃口を壱と弐へ向ける。


「たかが五人で何が出来る?俺達を倒せるのか?」


「出来るか出来ないかじゃない!やるんだよ!」


 トーマスが声をあげる。そして、神木は弐を、リリィとトーマスは壱へ向かって駆け出す。


「僕に斬撃なんてもっての他。近づくことすら出来はしないさ。」


「それはどうかな?試さねぇと分からないもんだぜ!」


 弐は足元からさっきの様に闇を出現させ、神木を呑み込もうとする。神木はその闇を刀で振り払う。突如、闇は一刀両断させる。


「バカな。僕の闇が…。」


「俺のこの刀は《絶対切断》の能力でな、斬れないものはないんだよ!」


 弐はすぐさま闇を出し攻撃を仕掛けるが、全て切り裂かれてしまう。


「悠都の分!思い知れぇ!」


「その粋はいいけど、僕には近付けてないじゃないか。」


「くっ!」


「いや、それでいい!悠都の分は俺がやる!」


 弐の背後、千切れた右腕が再生したルベルが現れ、弐の頭部を蹴り飛ばす。


「ルベル!」


「良くやった、神木。」


 弐は倒れていて、体を起こそうとするが、手足に力が入らないようで、生まれたての子鹿の様に震えている。


「さて、クソ野郎。呑み込んだ皆を返してもらおうか。」


「断る。」


「そうか。」


 ルベルはそう相槌を打つと、立ち上がろうとしている弐を何度も蹴り続ける。


「そろそろ出す気になったか?あぁ?」


「出すわけ、ないだろ!」


「弐ぃ!この吸血鬼ごときが!」


 壱が光の早さで移動しルベルの真後ろに現れる。だがそこに三発の銃声が響き渡る。壱は背中を二発、そして右肩を一発銃弾に撃ち抜かれていた。


「な、に。」


「なるほどな。こいつが死ねば全員戻ってくるか?だから助けようとしたのだな?」


 壱はその瞬間、少し目線をルベルからずらす。


「ふっ!なら殺すまで!」


 ルベルは狂喜染みた笑みを浮かべ弐の頭を何度も踏みつける。そして、弐を蹴り上げ胸に鋭く伸びた爪を突き刺す。弐の胸からは鮮血がポタポタとルベルの爪を伝って零れ落ちていく。


「弐ぃ!貴様らぁ!」


 その時、闇に呑まれていたゴリラ達が解放される。


「これでようやく自由だぜ!壱!」


 ゴリラは声を上げ、銃弾に怯んでいる壱の顔面を殴る。勢いよく転がっていった壱はゴリラ族全員が蹴りまくる。


「がっ!うぐぁ!」


 そして最後にセンが壱を蹴り飛ばす。壱は壁に背中を強打し意識を無くした。倒れた壱へ茜が近寄り


「許さ…ない…。」


 と震えた声と手で銃口を壱へ向ける。そして何発も銃弾を撃ち込む。皆はそれを見て痛いほど茜の気持ちが理解できた。だからこそ倒れた敵に銃口を向けている茜に対して「もういいだろ。」と言うことが出来なかった。しかし、ルベルだけは茜の肩に手を置き


「もういいだろ。殺したからって悠都が帰ってくるわけじゃないんだ。」


 茜は無言で銃を下ろした。


───


 ゴリラ達が先へ進んでしばらくして星影は目を覚ました。


「星影!大丈夫!」


 目の前に心配そうな顔をしたアリスがいた。


「ア、リス。ここは?」


「ここは参と戦った場所だ。」


 星影の側でナグリトバシがそう言う。


「俺に何があったんだ?」


「あなたは、体の半分が黒色の影に染まって参と一対一で戦って勝利したの。でもそのあと黒色に染まった部分が元に戻って気を失ったの。」


「そうだったのか。」


「それじゃ、そろそろあいつらの所に行くか。」


「ああ。」


 星影達はゴリラ達の元へと向かった。その頃ゴリラ達は


「星影達が来るのを待とう。」


「悠都、悠都。…目を開けてよ。」


 茜は泣きながら悠都の手を握る。少しして襖が開く。全員が襖の方へ視線を送ると、そこにはクラウスにおぶられた星影、それからアリス、ナグリトバシが立っていた。


「これは…。」


「何が、あった?」


 クラウスとナグリトバシは唖然としたようにその場に立ち尽くしていた。星影はクラウスの背中から降り、すぐさま悠都の傍らへ駆け寄った。


「おい!悠都!なぁ!ゴリラ!何があった!」


「すまない。俺がついていながら悠都は壱に殺された。」


「壱はどこだ!」


「あそこだ。」


 ゴリラが指差す先、壱は灰と化しているさなかだった。


「…そうか。」


 星影は俯き涙を流した。その時、星影の手を誰かの手が触れる。


「泣、くん、じゃねぇ、よ。星影。いつ、もみたい、に笑っ、てく、れよ。そんな、んじゃ、俺が、安心でき、ねぇだ、ろ。」


 悠都は途切れそうなか細い声を振り絞っている。


「悠都!もういい!喋るな!血が!」


 悠都は星影の手をぎゅっと握りしめると


「シエ、ルを救い、だして、この、世界も救っ、てくれ。約、束だ。」


「あぁ、約束する。絶対にこの世界を救ってみせる!だから、見ててくれ!俺達がやり遂げるから!」


「あぁ、任せ、たぞ…。」


「悠都?……今までありがとう。」


 星影は悠都を自身の影の中へ沈ませ、ゴリラ達と共に先へ進む。しばらく歩いているとさらに地下へと続く階段が現れ、星影達は階段を降りていった。降りた所は広い空間でそこには


「まさかここまで来るとは。流石は《暁》の皆さん。」


「テメェは零だな。」


 ゴリラが一人画面越しにこちらを見ている男に少し強めの口調で言う。


「はい。私は零です。ここから先は何人たりとも通しませんよ。」


「お前ら!いくぞ!」


 ゴリラが声をあげると全員戦闘態勢に入り攻撃を仕掛ける。ルベルは零の背後に回り蹴りを、セン、マサは正面からグーパンチをかます。だが、三人の攻撃は一切効いていないようで傷一つも付いていない。


「その程度ですか?」


 続いて、ゴリラ、ゴリゴリ、ヤスがひたすらパンチのラッシュをくり出す。しかし、それもまた一切効いていないように平然と立ち尽くしているだけであった。


「こいつ、何一つダメージが入らねぇ。」


「斬撃なら!」


 ゴリラの言葉にクラウスが腰から二本の短剣を抜くと、零を切り裂く。リリィもそれに続き背中からバスターソードを抜くと、零を真っ二つに切り裂く。だが、斬撃も一切通らずに零はぴんぴんしている。


「そろそろこちらもいきますよ。」


 すると零は星影達に掌を向け


「リリース。」


 その瞬間零の目の前にいた全員が吹き飛んだ。皆負傷してしまい誰も動けずにいる。


「まったく、これくらいで動けなくなるなんて、負けた彼らも落ちたものですね。まあ、また新しい人間を捕まえればいいだけですがね。」


「人間、だと?どういうことだ?」


 クラウスが疑問を投げ掛ける。


「おや?知らなかったのですか?この際です。教えて差し上げましょう。《プレデター》についてを。」

皆さん、いかがだったでしょうか。

壱により悠都は命を奪われる。皆もピンチに追い込まれるも、神木の力で逆転し壱と弐を倒すことに成功した。

星影と茜は幼馴染を亡くしたことに心を悼める中、零が《プレデター》について語り始める。《プレデター》とはなんなのか。


次回第二十話 真実とカゲ

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