第十七話 凶刃な敵
皆さんこんにちは。
ヤミです。
本日は第十七話を投稿させていただきました。
残る幹部は肆のみとなった今の戦場。
戦いの行方はいかに。
是非お楽しみください。
「ゴリラですね。あなたはナグリトバシ。」
「久しぶりだな。肆。」
「覚えてくれたのか。律儀なこった。」
皮肉を交えてゴリラが肆を睨む。
「もう、あの時のようには逃がしませんよ。」
「挑むところだ!行くぞ!ナグリトバシ!」
「応!」
肆は指先から細い糸を伸ばすと、自在に操りゴリラ達へ攻撃を仕掛ける。
「クソ、早ぇな!」
「一気に間合いを攻めるぞ!ゴリラ!」
「ああ!」
ゴリラとナグリトバシは糸の斬撃を素早くかわしていき、肆との距離を詰めていく。ところが
「ナグリトバシ!肆から離れろ!」
「っ!」
その時にはもう遅かった。ナグリトバシの左腕は肆の回りに張り巡らされていた糸によって切り落とされていた。
「罠か…。」
「逃がしはしないと言ったでしょ。もうあなた達は蜘蛛の糸に架かった蝶や蛾と同じですよ。」
「ナグリトバシ!大丈夫か?」
「ああ、問題、ない。」
「無理だけはするなよ。」
「ああ。」
「さあ、最後まで足掻きなさい。」
肆は糸の斬撃を繰り出す。ナグリトバシは腕を切断され出血多量で立つのも儘ならないのかフラついている。ゴリラはナグリトバシを抱えながら肆の斬撃をかわし続ける。
「いつまで持ちますか?ナグリトバシは辛そうですね。ゴリラ、あなたも次期に体力が消耗していくのでしょう。」
「くっ!」
「反撃は無いのですか?あなたも衰えたものですね。…おや、まさか他の者達はもうやられてしまったのですね。ではそろそろ終わりにしましょう。」
肆は空をも埋め尽くすほどの糸で出来た格子状の斬撃でゴリラ達へを仕掛ける。
「ゴリラ!」
糸の攻撃がゴリラ達へ迫る中、星影はゴリラの名を叫び、足元の影の中からゴリラに預かっていた刀を取り出し投げる。
「受け取れ!」
ゴリラは星影が投げた刀を右手で受け取ると
「ナイスタイミングだ!星影!ナグリトバシを頼んだぜ!」
「了解!」
星影は影の中に自らが潜り込み、ゴリラの足元の影から出てくると、ナグリトバシを抱き抱え再び影の中に潜り込み、糸の攻撃範囲外へと逃れる。そして影の中から出てくると、ナグリトバシを地に寝かせ
「ナグリトバシ!大丈夫か!」
「星、影。」
「アリス!止血を頼む!」
「ええ!」
アリスはナグリトバシの横へ駆け寄り、札をナグリトバシの切断された腕に当て
「符術、治癒。」
「アリス、腕は治るのか?」
星影の疑問にアリスは顔を曇らせ
「ごめん。治せないわ。私が出来るのは傷を癒すだけ。失われたものは無理なの。」
「そうか。」
「アリス、ありがとう。傷が塞がっただけでも助かる。」
ナグリトバシは起き上がり、ゴリラの方へと向かおうとするが、貧血によりフラついている。
「無理しちゃダメ!傷は塞がっても、出血が酷かったのだから安静にしてて。」
「すまないな。…頼んだぞ、ゴリラ。」
「ナグリトバシをあなたと共に殺せないのは残念ですが、すぐに彼らも送ってあげますよ!」
「お気遣いありがとうよ!だがその台詞はそのまま返すぜ!死んだあいつらの元に送ってやるよ!」
肆の攻撃が降りかかる中、ゴリラは口角を上げて刀を抜刀する。そして刀を空を裂くように振りかざす。
「ここまで届くわけ無いでしょう。悪足掻きもいい、ところ、ね?」
ゴリラの攻撃は誰しもが届きはしないと思っていた。だが、空を覆う糸の塊は一刀両断され、光の粒となってキラキラ消えていった。
「まさか!そんな事!あり得ない!」
「それがあり得るんだよ!うちには天才がいてな、そいつのお陰でこんな武器が出来ちまったんだよ!」
ゴリラは離れた肆に狙いを定めると刀を振り払う。直後、肆は胸を切り裂かれ、傷口からは鮮血が零れ続ける。
「バ、カな。」
そして肆は仰向けに倒れた。ゴリラは肆に背を向け刀身を鞘に収めた。
皆さん、いかがだったでしょうか。
ゴリラが肆を倒し、星影達はシエルが捕らえられている地下へと進むことになる。
その先々にもオリジンの幹部達は鋭い眼光を向け、星影達へ襲い掛かる。
この戦いの結末はどうなるのか。
次回第十八話 映る者




