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第15話 ギルマスが私にビビってるんですけど!?

「これは間違いなく悪魔だ。それも今世紀……いや、世界初と言っていい規模の大悪魔だな」


誤解を招くようなことを避けるため、この場には私とムートさんとギルドマスターしかいない。


「木の年齢を知る方法として、断面の模様の数を数えると言うものがあるが、それと同じように悪魔の強さも角の長さで測ることができる。ギルドマスターの資格を取るための試験でこれが出てきたのだが、正直使う時が来るなんて思ってもいなかったよ」


目の前の悪魔は、まるで第二の翼のようにツノが広がっている。なんとなく察したよね。コイツはヤバいやつだって。


「この悪魔は一体どのぐらいの……」

ムートさんがギルドマスターに尋ねた。


「そもそもツノが髪に隠れるぐらいの悪魔ですら村を滅ぼせるのだから、強さは一目瞭然だろう」


「もしここにレーツェル様がいなかったらと思うと……」


「レーツェル様がどうかしたのですか?」


「この悪魔を倒したの、レーツェル様なんですよ」


ギルドマスターが困惑している。それはそうだろう。こんな真面目な話の最中、名門貴族から突然訳のわからないことを言い出したのだから。


「またまたご冗談を……勇者の血筋とはいえ、まだ女の子ですよ。悪魔が勝手に死んだとしか思えません」


悪魔が勝手に死んだことになってしまうと、レーツェルのと柄がなくなってしまうと考えたムートは、レーツェルに「女神っぽいことしてくれ」と頼んだ。


(ゴッドノウズさん!それっぽい事して!)


バサッ


白い羽が生えた。


ギルドマスターは尻餅をつき、口を大きく開けて唖然とする。


こんな頼もしいギルマスが驚くことあるんだ。とレーツェルは思っていた。



ギルドに案内され、ついでに、ゾックの治療依頼の報酬も受け取った。

「ランク昇格で、新しいプレートの準備をしないといけないので、少し待っていて欲しい」

と言われ、椅子に座っているところだ。



「もしかして一気にBランクぐらいになったりして」

私はそんな妄想を膨らませていると、ギルドマスターが直々に冒険者プレートを渡された。


「Sランク昇格おめでとう……ございます」 

「え、Sランク?何かの間違いじゃ」

「世界を救っておいてSランクにならない訳がないじゃないですか」


ギルマスが女の子相手にビビる異様な光景に、他の冒険者も疑問に思った。


「君、Sランクになったんだろう?おめでとう。Aランクパーティーの『竜牙』に入らないか?」


周りからは、「Sランクのランガさんが女の子を勧誘してるぞ!」と騒ぎ始めた。


「すみません、もうすぐ王太子様との結婚がありますので」


『ええええええええええ!?』


「も、もしかしてレーツェル・ハイリッシュ様であらせられますか?」


国に1人いるか居ないかのSランク冒険者だ。底がしれない奥ゆかしい英雄の象徴。それがまあまあテンパってるのにギャップを感じた。


レーツェルがSランク冒険者になった噂が爆発的に広がったことは言うまでもない。



メイドに頼んでゾックさんに来てもらった。


「なんなりとお申し付けください」

ゾックに頭を下げられたので、「見返りを要求する訳じゃないよ」と説明した。


体が随分と弱っているようなので、魔法で健康的な状態にしてあげた。

「な、なな、急に体の調子が良くなった!?レーツェル様が?」

「今まで頑張ったご褒美だよ」


私がゾックと遊びたいから。と言う理由を隠し、お祝いと称して遊んだ。

「遊ぼうよ!今まで大変だったでしょ?呪いが解けたお祝いしよ!」

「良いのですか?命を救ってくださった上にお祝いまでして頂いて」

「良いんだよ!」


「一緒にピアノ弾かない?」と提案し、ピアノの椅子に2人で座った。


(か、体が密着する……良い匂い……)


1時間ほど幸せな時間が続いた。


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