第12話 ザマァが多すぎるんですけど!?
服を脱がされた。
「なるほど。筋肉量と脂肪量の割合はこのぐらいがいいのですね」
うぅ、まさかこんな事になるとは……。
「では次は下を」
「よしわかった。可愛くなれる魔法の薬を作ってあげるよ」
全裸にされるのを回避するため……ではなく、人助けとして、それを提案した。
「え、いいんですか!?」
「今回だけね!」
生成魔法でポーションを10本作った。
「何もない所からポーションが!?」
「この能力は秘密ね!」
これを飲むと、急激に体が変化するため痛みを伴うかもしれない。
「筋肉痛みたいなのが来るかもしれないので、飲まなくてもいいですからね!飲むなら1週間に1本ずつにしてください!約束ですよ!」
「ありがとうございます!」
◆
「ケディー、何だそのポーションは」
ニコニコしながら自分の部屋にポーションを運ぶケディーに、例の男が話しかけた。
「あ、これは、レーツェル様から貰った『可愛くなる薬』です」
「はあ?お前は騙されてるぞ。そんな怪しい薬で顔が良くなるわけないだろ」
ルーグはケディーのポーションを全て奪い、自室に戻った。
ケディーは、もう一度薬を貰おうかと考えたが、領主様からあれほど「失礼のないように」と言われているので、諦めることにした。
一方ルーグは、ケディーから奪い取ったポーションを一気飲みしていた。
豚のような体に、性格の悪そうな顔を何とかしたかったからだ。
それもこれも、人の食べ物を奪い、説教を趣味としているルーグの自業自得なのだが……。
「あのレーツェルの薬だとしたら、やつもこの薬のおかげで美貌を手に入れたのかもしれない。なら俺がこれを飲めば、超絶イケメンになるに違いない」
次の日、ルーグが苦しみ悶えているとの噂が流れた。
「ケディーさん、何か知ってる?」
「あ、それが……薬を全て奪われてしまいまして……」
「まさかそいつ、10本一気飲みしたとかじゃないよな……」
「それはないと思いますけど……」
流石にそうか。人から奪い取って一気飲みして苦しむって。そんな馬鹿な人がいるわけないよね。
◆
あれからまた1週間が過ぎ、暗号を解読できてきた時のことだ。
彼が……いや、彼女になりかけてる人が、私に文句を言ってきた。
「何だこの薬は!全身が激痛に見舞われた挙句、女の子のような体になってしまったではないか!!俺のモテモテ計画が台無しだ!!」
おっさんと女性の声がミックスされたような声で怒鳴ってきた。
え、えええええ!?まさか人から奪った薬を飲んだのか!?それも一気に?本当に何も考えてないんだな。
「それは可愛くなる薬であって、見た目を良くする薬じゃないので、女体化してしまったのではないかと」
「何だこのクソみたいな薬は!!」
勝手に飲んだんだろ。っとツッコミつつ励ましてあげた。
「そもそも人から薬を奪う方が悪いと思うのですが……将来は良いおっさんと結婚してくださいね」
ようやく立場を理解したのか、情けなく土下座をして助けを求めてきた。
「おっさんと結婚なんて嫌だ!元に戻してくれ!」
激痛を味わったんだし、罰はもう受けてる。流石に戻してあげようかな。
ポケットから取り出すふりをして、元に戻す薬を生成した。
「この10本の薬の入ったポーションを、1週間に1本ずつ飲んでください。絶対に1週間に1個ですよ!」
そのポーションを奪いとったルーグは、10本を一気飲みした。
「ふぅ、これで元通りに……ああああ、痛い、いたたたたた」
馬鹿なのか?学習しなさすぎる……。
「こ、こここここ、こ、殺してやるうううううう!」
ん?なんか一瞬ニワトリが宿った?
「ぐわあああああああああああ」
世界一のピアノが鎮座する神聖な場所で、女になりかけの雄叫びをあげないでいただきたい。
その日、ルーグはクビになったという。
ケディーは、いつも通りに生活したら元に戻った。
◆
「ん?手紙?」
「はい。レーツェル様宛に2通」
見た事ないぐらい豪華な包み方をされているので、王族からだろうと予測した。
中身は、
『黒いフードの組織は、魔王によって操られていた。婚約式を荒らした目的はまだ分かっていない。用心してくれ』
という内容だった。
魔王に狙われてる……。
ドン




