あんこ餅のお雑煮
お正月のテレビ番組、箸休め的な定番ネタで「全国のお雑煮大集合」って今でもやっているんだろうか。具材の違いはあれども西日本は丸餅の味噌仕立て、東日本は切り餅の醤油仕立て、というアレ。で、毎回のオチは「香川県では、餡子餅に白味噌仕立て」。
生まれ育ちずっと北海道の私は食べたことがないのですが、以前の職場で、近隣の集落から嫁入りしたら婚家のお雑煮がそうだった、との話をお聞きしたことがあります。その地区・集落は香川県から集団入植した(地名も「香川」)ので、まあ当然のことでした。
という話をご高齢の方と話していた昨年暮れ、(その方のところのお雑煮は北海道標準の切り餅の醤油仕立てですが)、別の地区・集落と親戚になって出された婚礼料理に鶏卵大の餡子餅に味噌仕立ての碗物が出された、という話をされました。時期的には戦中か戦後すぐでしょうか。その地域一帯が青森県や日本海側から鰊漁を経て居ついた人が多く、香川県にはあまり縁がない様子でした。
それでも同じような料理が、お雑煮と婚礼料理の違いはあれど祝膳として伝わっている、と言うことなのですね。
北海道の正月料理に「鯨汁」が挙げられることがあります。小樽や函館はまあまあ一般的、海岸部でも食べる所は多く存在するようですが、内陸部では聞きません。内地でも青森や日本海側では食べるところがあると聞きます。これも食文化の伝承、遺産なのでしょう。
時節関係ないところでは、「北海道の赤飯は甘納豆が入っている」のは内地の人のネタになりやすいようです(ケンミンショーでやっていたかどうかは知りませんが)。小豆が収穫れなかった土地、ではないので(主要産地です)、「普段口にできない甘いものを祝膳に」との先人の想いに気づいた年越しでした。
夏場、親戚の家に行くと、白砂糖をかけたトマトが出てきたことを思い出しました。。。