表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/193

86話目 レベル上げ

「よし!じゃあ今日はレベル上げをしよう!」


次の日、私たちはレベル上げの為、3層の奥の方にある、小さなダンジョンの前に来ていた。


ここにはそこそこ強めのボスがいるのだが、3層の中心部からは遠く離れ、入り組んだ洞窟を抜けないと来れないような、相当奥にある。


そして、隠されたダンジョンのようでありながら、ドロップ品があまりおいしくないなどの理由で、挑戦するものがほとんどいない。


しかし、ボスの落とす経験値の量は相当多く、入り口からボス部屋までの距離が非常に短いために、知る人ぞ知るレベル上げの穴場スポットなのである。


「わかったぞ!で、メアリーはどこだ?」


そう言ったのは音符猫。


昨日、作戦会議の後に行われた意見交流会、という名のお茶会で仲良くなり、ため口で話してくれる。


話してみると、非常に活発な可愛い女の子で、とにかくポジティブな思考の持ち主であった。


そして、顔合わせの時の反応でわかったのだが、とにかく礼儀正しい。


とにかくいい子だ!


「メアリーは武具制作があるからしばらくはレベル上げには参加しないよ。」


「そうなんですね。ということは、私たち3人でやるのですね。」


と反応してきたのがアルミ。


どうやら看護師をしていた時の癖が抜けないようで、ため口で話しているところを見たことがほとんどない。


普段は真面目で、てきぱきと行動する優秀なプレイヤーなのだが、好きなものの話になるとめちゃくちゃ食いついてくる。


ギャップを感じる。


「そうだね。とはいっても、私はすでに戦ったことがあるし、今回の目的は2人のレベルとスキルアップ。だから基本的には2人で戦ってもらうよ。」


「ボスを2人で退治!いいね!」


「2人でできるのでしょうか。」


やる気満々の音符猫とは違い、心配そうにしているアルミ。


何か励ましの言葉をかけようと思ったのだが、私が言葉を発する前に音符猫が声をかけた。


「大丈夫だ!私たちならできるよ!」


そういってアルミの背中をバシバシ叩く。


すると、アルミはふふっと笑い、楽しそうに答えた。


「それもそうですね。それに、いざとなったらユウヒさんがいますし、やってみますか!」


「え?」


「頼むぞ!先輩!」


「え?え?」


いざ、ダンジョン攻略開始!




「いや、ほんとに近いんだな……。」


「そうだね。私も初めて来たときはびっくりしたよ。」


ボス部屋に着くまでの道のりは、ほとんどモンスターが出ることもなく、出たとしても町付近に出るモンスターとそう大差ない、弱いモンスターばかりであった。


しかもとにかく短い。


5分くらい歩くとすぐにボス部屋に到着するような短さだ。


そのため、ダンジョンというより、ただの洞窟といった感じのように思えた。


しかし、いざボス部屋についてみると、ほんとにダンジョンなのだと実感する


地味な色ではありながらも、豪華に作られたその入り口は、まさしくボス部屋といった感じの雰囲気を醸し出している。


「よし!音符さん!行きますよ!」


「よっしゃ!かかってこい!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ