77話目 FoxAgain
打ち合わせは1時間ほどでサクッと終わった。
どうやらFoxAgain側にテンプレートのようなものがあるらしく、夏海はそれを理解していたので早かったらしい。
まず、今後私たちは今までとは違って配信を行ってもらうことになるらしい。
FoxAgainにはスポンサーがついていて、その中に動画配信サイトのスポンサーがいるらしい。
その動画配信サイトでの配信を行っていってほしいということだ。
頻度はそこまで多くはなくていいけど、少しくらいは行ってほしいということだ。
正直普段の狩りの様子を垂れ流しにしていてもいいらしいのだが、それを垂れ流しにすると狩場に人が集まってしまって狩りができなくなってしまう可能性がある。
サンライズファンタジー以外の配信でもいいといわれたので、この件に関しては後程夏海と相談だ。
で、給与についての話なのだが、この件に関しては正直言って今の私たちにはお金はそれほど大切なものではないので、Fox側に完全に任せることにした。
今後、4人でチームを形成するために残り2人をFox側で募るらしい。
しかし、今はほかのチームとの選手争いが激しく、すぐには人が集まらないだろうから、先に2人だけで発表ということになった。
私たちが居るということが選手にも伝われば勧誘が楽になるという大人の事情もあるのだが。
あと、ほぼ見る専で運用していた私のSNSは、チーム加入に伴って積極的に動かしていくこととなった。
夏海の方は元から活発に動かしていて、フォロワーも驚異の12万人越え。
私の方はまだ2万という数値だが。
いや、2万人でも十分多いけどね。
で、またスポンサーの話なのだけど、FoxAgainにはスポンサー企業が7つある。
1つは先ほど言った通りの配信サイトで、ほかにPCブランドやアパレル、ゲーミングデバイスやネット回線などの多種多様なスポンサーだ。
今後、私たちにはPCが贈られることになって、チームのユニフォームや私たちは実際にゲームで使うことはないだろうけどゲーミングデバイスも贈られる。
VRMMOにはマウスとかキーボードは使わないけど、別のゲームの配信とかをするときに利用する可能性は十分ある。
私たちがFoxAgainに所属するという発表は3日後に行われることとなった。
それまで私たちは情報漏れをしないようにネットでの活動を控えることにした。
もちろんゲームもである。
まあ、実際は普通にリアルのことをやりたかったからいい機会だというだけだけどね。
翌日、何をしようかということになった。
私は料理をする気満々でこの家に来た。
先日、初めての料理をやってみたのだが、できたのは炭素の塊であった。
私としてはハンバーグを作る予定だったのだが、どうやら私も料理はできないようだ。
ハンバーグってお肉を成型して焼くだけだと思っていたのだけど、どうやらつなぎみたいなやつが必要らしい。
難しいよね。
もっとさ、『お肉とつなぎの固め焼き』みたいな名前だったら「あ、つなぎっていうのが必要なのね!」みたいになると思うんだけど、ハンバーグだもん。
まあ、近年は冷凍食品というものが目覚ましい進歩を見せている。
その冷凍食品の中に、ゲーマーにとっては非常にありがたいサービスが存在する。
宅配食サービスだ。
健康的で栄養バランスの整ったおいしい料理が冷凍で届く。
我々はそれをレンジでチンして食べればいいわけだ。
で、実際に食べてみたのだが、もちろん私や夏海が作る料理よりも確実においしく、口に入れてものどは拒否をしない。
味もしっかりしていて、冷凍とは思えないものだった。
「よし、私たちは料理をしないでこの宅配食サービスに頼ることにしよう。」
「賛成!!」
私たちがだらだらとテレビを見たり、アニメを見たりしている間にも時間は流れている。
時刻は午後11時58分。
あと2分で私たちがチームに所属するという発表がなされる。
2人でスマートフォンでSNSを開いて待機。
ネットのみんなは喜んでくれるだろうか。




