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73話目 高級レストラン

私の病院食卒業ご飯はどうやらお高いレストランのようだ。


胃、大丈夫かな。




私たちの家の1階下、61階にあるそのお店は、大企業の社長はもちろん、有名人や国の要人のような人たちがこぞって利用するお店らしい。


提供される食事はどれも絶品で、このお店で食事をとるためだけにわざわざ遠方から足を運ぶ人も少なくないんだとか。


「私料理できないから、ちょっと機嫌いい時とかはちょくちょく来るんだよ。」


私たちが案内されたのは、このお店の中でも特に位の高そうな個室の部屋だった。


私は美術品とかよくわからないのだが、なんかすごそうな絵とか壺とかが置いてある。


「えっと、私って外食したことないから、仕組みが分からないんだけど、何をすればいいの?」


「あー、コースを頼んであるから気にしないで大丈夫だよ。アレルギーとかも大丈夫だよね?」


「うん。アレルギーはないよ。」


ふと窓の外に目をやると、そこには素晴らしい絶景が広がっていた。


61階から見下ろす東京の絶景は、今まで見たどんな景色よりも輝いて見えた。


私が緊張でブルブルしていたら、早速料理が届いた。


最初の料理はサラダのようなものだった。


「ほんとにお高いお店って量が少ないんだね。」


「夕日……、お店でそういう発言は控えようね。」


夏海にそう言われて横に目をやると、料理を運んできてくださったお姉さんが苦笑いで立っていた。


「ひえッ!すみません!すみません!!」


気まずさを隠すかのように料理を口へ運ぶと、今まで食べてきたサラダは何だったのかと思うほどの美味しさだった。


私が食べたのを確認して、夏海もサラダに手を付ける。


夏海の作法は非常に美しくて、お嬢様みたいだった。


部屋はあんなに汚いのに……。


「ん?なんか失礼なこと考えてない?」


「いや、まったく。」


即答である。






そのあとも、続々と食事が出てきたのだが、どれも絶品で、特にお肉の料理はすごかった。


あんなに分厚いお肉なのに口の中で溶けるような感じ。


そうして、一通りの料理が食べ終わった後、私たちは最後に出てきた紅茶を飲んでいた。


「夕日、退院おめでとう。」


「ありがとう。でも、話があっという間に進みすぎて実感がないよ。」


あぁ、私本当に退院したんだな。


と思いながら私は外の景色を眺めていた。


「ふふっ。」


「なに?」


「何でもないよ~、じゃあそろそろ戻ろっか。」


「うん。」


そういって私たちは高級レストランを後にした。




「今までは私は1つの部屋しか使ってなかったんだけど、せっかく夕日が来たということなので、これからはしっかり部屋を分けることにしたの。」


「それはどういう?」


「この家は見ればわかる通り2階建てで、1階に2つの部屋とリビングダイニングにキッチン、お風呂とかそういうのがあって、2階に4つの部屋があるの。

 で、2階の中で特に広くて長めのいい部屋があるんだけど、そこを二人の寝室にする。」


「ふむふむ、って!2人の寝室!?一緒に寝るの!?」


「え?そうだけど。もう大きなベッド買ってあるよ。」


「……そうか。」


私てっきり部屋がもらえるのかと思っていたのだけど、どうやら違うみたいだ。


まあでも1人で寝るのは寂しいからいいかな。


「で、2階のもう一つの部屋をゲーム専用の部屋にしようかなって思うの。」


「いいね!ゲーミングルームかっこいい!!」


「そりゃよかった。」


「で、1階2階含めて残った部屋はまだ未定。必要に応じて作ってこう。」


「わかった。で、掃除した部屋は?」


「うーん、とりあえず未定で。あそこにある荷物正直もういらないから。」


「ええ、掃除した意味よ。」


「いいの!さっ、今日は疲れただろうからお風呂に入ってさっさと寝よ!!」


「そうだね。」




お風呂は1階、ていうか1階って言い方あってるの?62階とかのほうがいいのかな。でもわかりにくいからいいや。


そのお風呂はとにかく広い。


5人くらいで一緒に入っても大丈夫なくらい広くて、大きな窓が付いているから眺めがすごくいい。


「はぁ……、私ちゃんとやっていけるかな……。」


「夕日、入るね~。」


「んー。いいよー。」


「え?そこは恥じらうとかないわけ?」


「いや、だって病院いたとき看護師さんに手伝ってもらってたから。」


「ふーん、そう。」




お風呂に2人で入っているとき、心配そうな顔で夏海が聞いてきた。


「夕日、この家でやっていけそう?」


「……正直言って不安だよ。でも、どうせずっとゲームの中にいるでしょ?」


「それもそうだね。でも、せっかく一緒に住んでるんだから旅行とか行こうね。」


「気が向いたらね。とりあえずはこの家の生活に慣れたい。」


「そっか。」

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