表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/193

56話目 バトルロワイアル⑱ 最終決戦

メアリーが危ない。


そう思って勢いよく走りだした時にはもう遅かった。


メアリーは倒され、残ったのは敵が2人と私だけ。


メアリーが倒れる間際に放った大槌はまっすぐメルの方へ飛んで行き、右足に当たった。


メルは右足を引きずる様に歩いているため、きっと折れているのだろう。


先にメルを倒すか、それともSakuraを倒すか。


私はメルを倒すことに決めた。


勢いよくメルの方へスキルを使って飛んで行く。


「させないッ!!」


そういって横から現れてきたSakuraは柄の部分で私の脇腹を思いっきり殴って来た。


私は今、思考加速を使っている。


もちろんその攻撃は見えているわけで、私は右手に構えた短剣を軽く振り下ろすようにしてその攻撃を防いだ。


驚いたような表情を見せているSakuraを置いて私はメルの方へ進んでいく。


メルはもうちゃんと動くことができないのだろうか、その場にとどまって私の攻撃に応じる構えを見せている。


しかし、相手の武器はこぶしで、私の武器は双剣である。


私は相手の攻撃をすべて左に構えた短剣で防ぎ、ササッとメルの首元に刃を突き付けた。


「クソっ!」


「間に合えッ!!!」


悔しそうにつぶやくメル、後ろの方から聞こえるSakuraの声、聞こえていないかのように私はメルの首を切った。


そして、私はそのまま流れるように後ろを向いてSakuraの攻撃を防いだ。


Sakuraは1度後ろへ下がり、勢いをつけて私に攻撃を仕掛けた。


その攻撃はものすごい速さで連撃を繰り出すスキルで、Sakuraの切り札だそうだ。


しかし、今の私は思考加速を使っているし、加速も使い、極限まで集中しているわけだ。


相手の目を見ればわかる。


次はどこに攻撃が来るのか、何を考えているのか。


私はすべての攻撃を防ぎ、攻撃が止んだ瞬間に投げナイフを使って相手に左の短剣を飛ばした。


飛ばされた短剣は相手の右腕に刺さり、Sakuraは大きくジャンプして後ろへ下がった。


しかし、そのジャンプの瞬間を私が逃すはずもなく、すぐさまスキルを発動して私はSakuraへ近づいた。


すでに左の短剣は私の元へ帰ってきている。


空中ジャンプを駆使しながら相手の後ろまで回り込み、大きく上に蹴り上げた。


そして、相手の上側に回り込み、力強く腹部を殴った。


Sakuraはものすごいスピードで地面にたたきつけられたのだが、すぐさま体制を整えて私に向かって走って来た。


するとSakuraはインベントリからもう1つの刀を取り出し、二刀流になった。


力強く地面を蹴り込み、私の方へ近づいてきた。


配信を見ている人はほとんど何がどうなっているかわからないだろう。


Sakuraの手から繰り広げられる、カメラでも負えないほどの速度の攻撃をユウヒはすべて捌ききっていた。


そして、時々攻撃を加える余裕さえ見せる。


相手の攻撃は先ほどのスキル使用時よりも明らかに早くなっているだろう。


私の戦い方を掴んできたのか、それとも集中しているのか。


まあ、私はその攻撃をすべて目で追うことができているので関係はない。


Sakuraは「なぜ当たらない!」とでも言いたそうな表情をしている。


明らかに動揺しているのだろう。


一瞬の隙がSakuraに生まれた。


その隙をついて私は肘でSakuraを吹っ飛ばした。


Sakuraは草原にある石に激突して止まった。


私はすぐさまそこに跳んで行った。


そこには絶望した表情を見せるSakuraの姿があった。


「化け物だ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ