表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/193

45話目 バトルロワイアル⑦ 信頼するということ。

「リーダーでも勝てないのか……。」


どうやら私に1対1を申し込んできたプレイヤーは相手のパーティーのリーダーだったようだ。


「私たち3人まとまってもリーダーに勝てないんだから多分この人たちと戦っても勝てないと思うよ。」


「……確かにそうだけど、諦めるのはやめよ。できるだけやってみようよ。」


私たちが1対1をしている間、メアリーと3体1で戦えばよかったものを、彼女たちは戦わずにじっと私たちの1対1を眺めていた。


きっとこれは相手のリーダーの気持ちをしっかりと汲み取って、そして私たちを信頼してやってくれた行為なのだろう。


思い返せば、私が信頼されるリーダーになりたいと初めて思ったのはここだっただろうな。


「私たちは倒れていったリーダーの為にもちゃんとあなたたちと戦います。もしよかったら手合わせお願いします!!」


あちらが正々堂々とこちらに戦いを挑んでいるのだ。


こちらもしっかりとそれにこたえないといけない。




相手の構成は短剣使い1人、大楯使い1人、魔法使い1人だ。


ここにリーダーであったさっきの人が加わった形が普段の相手のパーティー構成なのだろう。


パーティー構成としては非常にいい。


そして先ほどの会話からもわかるように、味方を完全に信頼しているのだろう。


私たちもそうだが、味方を信頼するというのは非常に戦闘においてもその他、メンタル的な部分においても非常にいいことだ。


戦闘においてはまず、安心して背中を預けることができるので自分の敵に集中することができる。


そしてとっさの連携においても非常にスムーズにかつ強力に連携をとることができる。


そして、信頼しているということはそれほど長い時間ともに戦闘の経験を積んできた、あるいは一緒に何かを共にしてきた存在だろう。


味方の性格や行動パターンをある程度理解できている。


自分がこうしたら味方はこう動いてくるだろうな、味方がこのように動いたのだから自分もこのように動こう。


と言った無言の連携ができるという点においても非常に有利なのが見方を信頼するということだ。


メンタル的な部分においては、よく知っている友人とともに戦っているという安心感は非常に強い。


何かあっても味方が何とかしてくれる。


もし失敗したとしてもともに反省をしてまた次につなげていける。


戦闘においてメンタルは何より大事だからこれらのことを含めて味方を信頼するということは何よりも大切なことだ。


野良で戦おうとするとほとんどの人が前へ前へと行ってしまう。


そして一部の全体を見て動いている人の負担がものすごい大きいことになるが、その負担に気づいてくれる野良はほとんどいないものなのだ。


それでは全員がゲームを楽しくプレイできない。


ゲームは楽しくプレイするのが一番大事だし、うまくなるうえでも大切だ。


私たちも相当信頼しあっている自信があるけど相手はもっと味方を信頼しているのだろうなということがひしひしと伝わってくる。


私はしっかりと自分のリアルをメアリーに告げていないし、きっとメアリーも私と同じような悩みを抱えているだろう。


これらを乗り越えた時にきっと私たちはもっと強くなる。




戦闘の結果は言わなくてもわかるだろう。


こちらの圧勝だった。


でも私はどうしても心にもやもやが残ってしまった。


ゲームの世界でリアルを話すというのはそこまで優先すべきことではないだろう。


なんなら何も話さないでも別にそれは問題ない。


でも長期的な目で見ればそれは大きな足かせとなるだろう。


いつか本当の私を知ってほしい。


話せる日がくればいいなと思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ