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172話目

:ほんとにとんでもないところに落ちたな

:ゲーム内のアイテム何でも買えそう


視聴者がそう驚くくらいには、とてつもない量のレアアイテムをゲットすることができた。


マナクオーツや黒岩鉄鋼のほかにも、高値で取引されている鉱石や素材がザックザックである。


純粋にあの場所がボーナスステージみたいなものだったのかはわからないが、モンスターが湧くこともなく、突然噴き出してくるマグマにさえ気をつけておけばやられることはない。


おそらく遺跡をもっと探索すれば宝の部屋があったのだろうが、私にとってはここが何より宝の部屋である。


もしかしたら何か貴重なものが含まれているかもしれない、と思い、足場となっていた岩も一部切り取ってアイテムボックスの中に収納する。


「そろそろHPが厳しくなってきたな……」


何とか水をかけてしのいできた灼熱も、少しずつだがHPを削っていき、辛うじてわかるほどの線のみがHPバーには表示されている。


すぐに私はHP切れで力尽きてしまうだろう。


回復ポーションなどのアイテムは持っているが、大抵の物は取り終えたために使うほどでもないかなと言った感じで、そのままワープで帰宅してしまうことにした。


場所は3層。


そのままメアリー武具店に直行である。














「へい、大将やってる?」


「……」


:……

:そういうキャラ?

:……

:……

:やっぱりメアリーのチームメイトなんだな


なかなかに微妙な反応。


私がつまらないギャグを行ってしまったみたいになってしまったので、軽くせき込んでから招かれるようにいつもの奥の部屋へと向かう。


別に滑ったわけではない。


少し声が小さかっただけなのだ。


イスに座ってすでに流れ作業と化した自身に水をかける作業をこなす。


「つめたッ!?」


そうだ!ここはすでにメアリー武具店の中だった!


「ちょっと!なにやってるのよ!」


先ほどまではすぐに蒸発していた水も、この場所では地面に垂れてあたりを水浸しにしている。


そして、すぐに乾いていた服もびしょびしょで乾かない。


「ほら、これに着替えて」


「ありがとう……」


メアリーがササッと出してくれた服に着替えると私は何事もなかったかのようにもう一度着席する。


メアリーは頭を抱えながらゆっくりと着席するが、どうやら過ぎたことは引きずらない性格のようで、早速本題を振り出してきた。


「ユウヒ、よくやったわ。お宝ザクザク最高よ」


そう目をキラキラに輝かせ、身を乗り出すようにして私の目をじっと見つめている。


「そうみたいだね。私そこら辺の知識ないから全部メアリーに任せるね」


そういうと、待ってましたと言わんばかりに「いいの!?ありがとうユウヒ!」と即座に返事をしては、頬に手を当てながらにやにやを抑え込んでいる。


「いいよ。だって私の財産はメアリーの物みたいなもんでしょ?」


「いや、それは別にいいんだってば」


:ん?どゆこと?

:意味深発言ですか?

:むむむ?

:そういえば同居していたような

:あっ

:感謝感謝


メアリーが早く出せといった目でこちらを見ているために、勝手に盛り上がるコメント欄を無視して早速黒岩鉄鋼を取り出す。


地下ではよくわからなかったが、こうして室内でよく見てみると、暗闇を極限まで圧縮したように真っ黒で、触るとひんやり冷たい。


「本物……」


非常に高価で、非常に貴重な鉱石の為にほとんど市場には出回らない。


メアリーが黒岩鉄鋼を見たのはこれが初めてであり、そして、その初めての黒岩鉄鋼は確認されている中で最も大きなサイズ。


メアリーは指をくねくねと動かしながら、「ちょっと、武器を作ってもいいかしら」と尋ねてきたので、もちろん了承した。

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