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167話目 4層配信①

「あーあー、聞こえてる?大丈夫?音入ってるかなこれ」


以前音が入っておらず、寂しく口をパクパクする私が配信される事故があった。


それ以降はこうやって音の確認をしっかりするようになったのだが……


:入ってない。

:パクパクしてる?

:音が聞こえない

:入ってない

:入ってない


「え?ほんとに入ってない??」


:冗談

:嘘だよ

:冗談だよ

:入ってる

:聞こえるよー


「ちょっと!おちょくるのやめてほしい!」


こんな感じで、みんながだましてくるようになってしまったのでそこまで意味はない気がする。


もしまたパクパク事件と同様のことが発生してしまったら、その時は嘘もつかずにみんな教えてくれることだろう。


リスナーとはそういうものなのだ。


「えっと、まず最初に1か月も休みを頂いたことを謝罪します。エキシビジョンマッチを楽しみにしてくださっていた方も多いと思います。ほんとに申し訳ないです」


:ええんやで

:無理せずな

:大丈夫だよ

:元気そうで何より

:メアリーが報告上げてたしね

:大丈夫

:過去配信見返す時間をくれてありがとう

:体調第一にね


突然空いた1か月の休みであったが、リスナーは温かく迎えてくれる。


なお、ユウヒはネットに疎いため、裏でアンチ撲滅大作戦が相当な大掛かりで実行されていたことは知らない。


そしてそれが現在進行形で続いていることも……


「ケーブレイクタウンの動画はあれで大丈夫でしょうか。ああいった感じの解説動画を作るのは初めてだったので、分からないことは多かったのだけれど、何かわからない点があったらコメントください」


あの動画を上げてから、さらに登録者は増えている。


大会では知っていて応援していたけど、動画を見たことはなかったという人も多いからだ。


基本は配信で、動画はほとんど上げないからチャンネルの知名度が低かったというのもあるかもしれない。


配信と動画はサイトを分けているからだ。


「で、4層行けっていうのがすごく多くて迷っているんだけれど、やっぱり行った方がいい?」


:行ってください

:お願いします

:行きなさい

:行け

:急に休んだんだから少しくらい聞いてくれてもいいんじゃない?

:行ってください

:楽しみ

:待ってた


私がそう言った瞬間、怒涛のスピードでコメント欄が流れ出した。


やはりバズの影響はすさまじいのだろう。


「一応言っておくけどね、あれは4人で動いていたからああなっていたわけであって、私が自由に動けるようになったらああはならないからね?多分期待しているようなものはないけど」


:……確かに

:大会総なめの強豪プレイヤーだもんな……

:それは考えてなかった

:確かにそれは

:いやー、なさそう

:ワンちゃんあるかもしれないやんけ!


「まあいいや。結局探索しないといけないわけだから、4層行こうか」


複数人で動くより1人で動く方がやりやすい。


スキルを使いながらさっさと進みたいけど、パーティー全員がそういうスキルを持っているわけではないし、守らねばならない人も増える。


こうやって単独行動の時間に少しでも探索は進めていきたい。


素早くマップを開き、4層にワープする。


因みに、あの4層のワープ地点にある村の名前は『フェイル村』という村だ。


改めてマップを開いてみると、やはり結構小さいということが分かる。


「やっぱりジメジメしてるなぁ……」


ワープをすると、あっという間に体全体をじめっとした空気が包む。


正直あまり心地いいものではない。


温感設定0というのもいけないのだろうか。


「よし、じゃあとりあえず探索してみよっか」


:おー!

:4層ってこんな感じなんだ。俺弱すぎていけないから……

:むわッとして嫌だよな

:全体的に靄かかってるね

:ようやく探索開始だ!

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