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152話目 意外な関係

「ごめん。聞こえちゃったんだけどさ、あなたもしかしてサンライズファンタジーでプロをやってる?」


しばらくたって夏海が部屋を出た後、少女から声をかけられた。


「ふぇッ!?えっと、……やってます。」


ここで否定しても仕方がないし、配信で顔も載せているので別に隠すつもりもないわけだ。


一切の否定をすることなく私は頷いた。


「やっぱりね。似ていると思ったんだよ。さっきの人がメアリーさんに。あ、ちなみに私の名前は麗奈、青木麗奈っていうの。」


「あ、私は夏凪夕日です。」


ん?似てると思ったのはメアリー!?


もしかして、メアリーの視聴者か?


「あ、本名でゲームやってるんだね。」


「そうです。チームに所属する前は体調が悪くて、この病院のちょうどこの部屋にゲーム機を置いてプレイしてたんです。この病院から出ることなんてないと思っていたので。」


「あ、ちょうどこの部屋だったんだ。」


麗奈は「あ、このままだとなんだしカーテン開けるね。」と言って二人を隔てていたカーテンをさっと開いた。


「可愛いね。」


「はあッ!?」


「ああ、ごめんごめん。配信で見てたけどやっぱり可愛いね。」


「えっと、ありがとうございます……」


やっぱり私のリスナーでもあったのか。


にやにやしながらベッドに横になる私の顔を見てくる麗奈は、少し雰囲気が音符猫に似ている。


顔の感じとか、話し方とか、苗字とか。


苗字とか……、苗字とか!?


音符猫の本名青木かなただよね?


「えっと、青木さん歳は?」


「麗奈でいいよ~!えっとね、いま15だよ。」


えっと、確か音符猫の年齢が身長に似合わず18だったはずだから……


ふむ、妹がいたとしたらこのくらいの年齢だろう。


「あ、もしかして気づいちゃいました?」


「えっと、何となく……」


私がそういうと、今までにやにやと上げていた口角をさらに上げてこちらを見た。


「そうです!私の姉は青木かなた!私は音符猫の妹です!」


「うわぁぁぁぁあああッ!!」


「え?なにうわぁって。」


「いや、何となく?」


随分迫力をつけて発表するものだから、思わず大袈裟にリアクションを取ってしまった。


「そろそろ姉が来ると思うよ~。ほら、きた!」


「麗奈~来たよ~、って!ええッ!?」


音符猫こと青木かなたは「なんでユウヒがここに!?」と言わんばかりに口をもがもがさせながら驚いている。


「ちょ、あ、え?な、なんで?はぁ!?」


「うぃす!」


「いやうぃすじゃないが!」


病院の中で出すような声の大きさじゃないことに気が付き、急いで口元に手を当てるが、驚いた様子は隠せない。


それもそのはずだ。


妹の様子を見に来たら同室にチームメイトが入院してるんだから。

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